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八木哲郎

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2006/10/06
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昨夜の夕刊に呉智英氏のエッセイが載っていた。この人はなんとなく同感するところがあるので面白くよんでいるが、彼によると、今、昭和30年代ブームだそうで、故郷の名古屋近郊に引っ越してきた彼は、古い感じの街を「昭和30年代通り」と勝手に名づけて自転車散歩しながら探訪しているという。

なぜ昭和30年代を人々が懐かしむのかというと、ようやく戦争直後のドン底感がなくなり、上昇気流に乗り出して、まだ貧乏だったにせよ、皆が希望を持っていて、毎日の生活が楽しかったからだと思う。今振り返ってみて、ネガティブな思いに駆られることはない。

10年以上前だったと思うが、日本橋の高島屋のそばの喫茶店に行き当たりばったりに入ったところ、なんとなくおかしいと感じ、工事中の店に入ったのではないかと思った。なぜならば、むき出しのコンクリートの壁の部屋に裸電球がぶら下がっていて、粗末なテーブル、むき出しの電線、カンナくずなどが床に散乱し、セメント袋などが無造作に積んであるからだ。
店員に聞いたら、工事中ではなくれっきとした開店後はやっている店だという。
ようやくにしてわかったのは、団塊の世代がまだ小学生の頃、東京中の街路がオリンピックの準備のために掘り返され、ホテル建設などいたるところ急ピッチで工事が行われていて、当時の小学生はこんな感じの工事中の店や建物の中で遊んでいたので、その当時を懐かしむためにこういう店に来るのだという。
東京にも「昭和30年代通り」が残っているところがある。そういうところはスーパーやコンビニ、マクドナルドがないところである。残念ながら下町にはそういうところはなくなったが、例を挙げるとしたら、神楽坂とか巣鴨のトゲヌキ地蔵通り、高田馬場、大久保から新大久保にかけての通り、高円寺の純情商店街などにそういう風情が残っている。そこにいくとそこはかとない安堵感が漂っている。





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Last updated  2006/10/06 05:57:48 PM


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