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2009/01/05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
暮れから正月にかけて天童荒太『悼む人』(文芸春秋)を読む。

今回の作品もものすごく大きな問題を扱っていて、この作家のいわんとしていることをどれだけ理解したかは自信がない。
「愛」がこの作家のモチーフであろう。愛を受けることの少なかった人間についての描写がすごくリアルである。今回もそういう人物が出てくる。
私は幸い子供時代に親の愛をたっぷりうけて育ったから幸せだったと思う。したがって愛を受けることのすくなかった人の気持ちに想像を至らせることが不足していると思う。
私は15歳で両親に死に別れたが、私の一番下の妹は親の記憶がないから気の毒に思っている。しかし妹は親戚のよき人たちに育てられ、母の弟の妻、つまり義理の叔母にひどくなついて今でも代理母だと言っている。妹も叔母の愛で救われたと思う。
私は両親を15歳で亡くしたもののその間にたっぷり愛を吸い込んだのだ。だから妹より幸せだった。
愛というものは何か、人間を一人前につくりあげる不可欠のものなのだろう。

去年秋ころ、東金市で5歳の女の子が殺された。これ以外にも数え切れないほど全国で幼い、若い命が不条理に殺人によって奪われたり、事故で死んだりした。もしこの子たちが平均寿命まで生きたとしたら、70年、60年の残りの人生のいろいろ人生の可能性があったはずである。それが突然断ち切られた。この人たちの運命というのはどういうものなのだろうか。

この人たちはそのうち忘れられていく。親兄弟の記憶も薄れてゆく。生きていたという事実が確かにあったのに。だからあたしたちは生きていたのよ、覚えていてね、という願いを死者たちは必死でもっているではなかろうか。そこに見ず知らずだが、「悼む人」が来て覚えてくれるというのはどんなにうれしいことだろうか。
この小説は生死、愛といくことについていろいろなことを考えさせてくれる。





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Last updated  2009/01/05 07:30:42 AM


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