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八木哲郎

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2009/06/29
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カテゴリ: カテゴリ未分類
村上春樹の「1Q84」をよむ。いつもながらあやしい世界にひきこんでゆく表現の巧みさ、感性の豊かさに驚嘆する。女性の描写にかけては天下一品である。

そこで強引に私の解釈にこじつけると、1984年というのはオ-ウエルがよく引き合いに出されるが、実際のこの年はこれといった事件は起こっていない。しかし、今考えると世の中の変わり始めの胞芽が現れ出した年だといえよう。レーガン、サッチャーが政権をとり、新自由主義がはじまった年である。日本で中曽根内閣がそれを始めた。
イギリスではサッチャーが国営企業をつぎつぎにつぶして民営化し、労働組合を抑え込み、福祉予算を削いだ。アメリカではレーガンが猛烈な軍事力を強化してソ連を抑え込み、とうとうソ連を解体に追い込んだ。日本では中曽根内閣が国鉄を民営化して、総評の中核であった国労をつぶすことに成功した。
小さな政府、民営化、規制緩和で日英米が進んでいった。
1985年にプラザ合意があり、1ドル360円が1ドル200円くらいになり、円高不況というのを経て、過剰言流動性が行き場を失い土地・不動産に流れ込んで異常なバブルになる。そしてそれが4年後にしぼみ、失われた10年が始まる。
新自由主義は小泉内閣で頂点に達し、郵便局が民営化される。
いちばんひどい結果になったのは、国内の格差が著しくなり、3分の1の国民の年収が200万以下になってしまった。中小企業は軒並みダメになった。
柄谷行人氏の本でいろいろ勉強させられた。


1Q84にもどると、この小説で2人の主人公に月が2つ見えるようになる。二人とも愕然とする。ある知らない運命によって、有無をいわせず、ある世界にひきずりこまれてしまったことを感じる。
この感覚は今私たちが感じている感覚と同じものではないのか。いつのまにか、アメリカが没落し、世界は無極になった。いきなり不況に追い込まれた。これからどうしてよいか、すぐにはわからない。
袋小路に追い込まれた感じである。
村上春樹はこのことをいいたくて、この小説を書いたのだろうか。





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Last updated  2009/06/29 09:40:35 AM


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