全31件 (31件中 1-31件目)
1
ペーパーバックとはご存知とは思うが、ハードカバーに対して呼ばれる言葉であり、粗末な紙に印刷された、薄い紙表紙の廉価本の洋書のことである。私の場合、高校までは田舎に住んでいたため、お目にかかることはなかったが、大学では教科書で使われたりしたこともあり、それ以外にも、何冊か買ったこともある。しかし、実際に読むのにはなかなか根気と年季がいるようで、恥ずかしながら、最後まで読み通したのは数冊しかない。それもはるか昔のことであり、最近ではほとんど手に取る機会もないような状況である。 しかし、世の中には、すごい人もいるものである。このペーパーバックを数限りなく読み漁り、薀蓄を繰り広げられるというのだから。枝川公一氏もそのような一人のようで、「ペーパーバック入門」(講談社現代新書)と言う本を著している。この本は、ペーパーバックの歴史、その魅力、読み方、探し方、そしてペーパーバックの作家達などについて述べられたものである。 読んでいると、枝川氏が本当にペーパーバックが好きでたまらないということがよく伝わってくる。面白いと思ったのは、「ヒューマン・ビヘイヴィア」と言う雑誌に載った「ロマンス小説の書き方」の紹介である。タイトル、登場人物の名前、ヒロインの課題、悪人のたくらみ、ヒーローの解決策、これらにそれぞれ選択肢があり、それらを組み合わせれば一つのロマンス小説が書けるというものである。確かに、本当に自分でも書けてしまいそうである。 ペーパーバックの読み方についても、参考になるところが多い。本当にスラスラと読めそうな気がしてくる。もっとも、現実には、なかなか、そうは問屋が卸さないのではあるが。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ ○枝川公一の作品 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 31, 2007
コメント(2)
「朝ぼらけ 宇治の川霧 絶々に あらはれわたる 瀬々の網代木」(藤原定頼) 「紫の女(ひと)殺人事件」(内田康夫: 講談社)は、この歌に現れる「網代」と「宇治」などを舞台にした浅見光彦シリーズの旅情ミステリーである。そして、もうひとつ、この作品の大きなモチーフとなっているのは、「源氏物語」。紫の人は、源氏物語の作者紫式部を連想させると共に、ヒロインの母親の娘時代の呼び名でもあった。 今回のヒロインは曾宮一恵。彼女の実家は、熱海で和菓子屋を営んでいたが、両親と共に倒れているのを発見される。彼女だけが助かり、飲んでいたワインから毒物が発見されたが、遺書らしきものがあったことから、警察は心中事件と看做した。しかし、一恵は幽体離脱して、犯人を見たと主張する。網代に滞在中の内田センセは、一恵に頼まれ、例によって、光彦に事件を押し付ける。しかし、こんな設定の小説ばかり書いていると、しだいに現実の内田康夫という作家と小説中の内田センセの区別がだんだんつかなくなってくるかもしれないね。 この作品では、光彦が伝家の宝刀を出さずに済んでいる。そう、「このお方をどなたと心得る。警察庁刑事局長浅見陽一郎さまの弟君なるぞ!!!」ってやつですな。(実際には、こんな科白は言いませんので、念のため。)最後まで、ばれずに済んでいるのは、私が読んだ作品の中では初めてである。つまり、容疑者扱いもされず、最初から刑事と結構友好的にやっているという珍しい作品なのである。でも、これが楽しみで、このシリーズ読んでいるんだけどな。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「紫の女(ひと)殺人事件」(内田康夫: 講談社) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 30, 2007
コメント(0)
今回のツアーのメインは、「奥田元宋・小由女美術館」である。奥田元宋・小由女夫婦の故郷である三次市に誘致された美術館だ。実は、このツアーには、せらワイナリー、三次ワイナリー、三次ベッケンビールとアルコールに関係の深いところが3箇所も組み込まれている。左党ならたまらないところであるが、残念ながら私はアルコールが嫌いだ。その私が、このツアーに参加したのは、ひとえにこの美樹館に行きたかったからなのである。 奥田元宋(1912~2003)は、広島県双三郡八幡村(現三次市吉舎町)に生まれの日本画家である。西洋画の技法を取り入れた大胆な作風が特徴である。赤で表現された風景は、「元宋の赤」として有名である。 噂には聞いていたが、今回やっと見れた「玄宗の赤」。展示してあったのは、紅葉に燃える山を描いた作品が数点。絵から伝わるものすごいエネルギー。これは実際に見てみなけらば分からない。館内でハイビジョン画面でも、玄宗の作品の説明をしていたが、画面に映るのと実際に見るのでは、迫力が全然違う。これら全てが、80歳以降の作品と言うのだからすごいパワーである。 残念ながら、展示作品は撮影できないので、楽天のアフィリの絵で、その一端でも味わって欲しい。もっとも本物の絵は、迫力が全然違うということは付け加えておこう。○奥田元宋「富嶽秋耀」(リトグラフ) 一方、妻の小由女(1936~:旧姓川井)の方は大阪府堺市生まれであるが、幼い頃から三次で育った。 こちらは、玄宗とは対照的に、曲線の美。やさしい作品が多い。人形作家と言われているが、作品は、人形と言うよりはむしろ彫刻である。玄宗の死を悼んで作った「月の別れ」は秀作。1面6臂の女性像であり、観音菩薩を思わせるような気高さと優しさを漂わせている。6本の手は、玄宗に、あれもこれもやってあげたかったということを表していると言う。 作品は、美しく彩色されているが、初期の作品は白一色である。私はこれらの白一色の作品が好きである。「奥田元宋・小由女美術館」 訪れたときは、「川喜多半泥子と人間国宝たち」という特別展をやっていた。川喜多半泥子は銀行の頭取も勤めた経済人だが、1942年(昭和17)に桃山陶の復興と陶芸の近代化を掲げて「からひね会」を結成し、北大路魯山人などとも親交のあった人のようである。 こちらは、おなじみの「三次ワイナリー」 ○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 29, 2007
コメント(4)
最近、すっかりバスツアーづいている。日帰りなら、5千円程度で1日楽しめる。過去のツアーで、隣に座ったおっちゃんが、パチンコに行くよりはよっぽど安くて有意義だと言っていた。ただ往復がちょっとしんどいのが玉に瑕だ。と言うことで、今日も、ちょっと前に行ってきたバスツアーのレポートである。 まず行ったのは、「せら夢公園」。広島県の世羅郡世羅町にある、5つの広場がある県民公園を中心にワイナリーやレストランも持つ広大な公園である。以前のツアーで、「せらワイナリー」だけは行ったのだが、県民公園には今回が始めてである。 写真から分かるように、とにかく広い。凧揚げでもできそうなくらいである。といっても、実際には凧を揚げている人などいなかったのだが。思い切り走り回れるので、小さな子供を連れて行って遊ばせるには最適であろう。「せら夢公園」 今回のバスツアーは、弁当つきだ。コンビニで400円程度で売っていそうな、何の変哲も無い普通の弁当であるが、ツアーの値段を考えれば、こんなものだろう。風がけっこうあり、油断していると弁当の蓋なんかが、飛んでいきそうになるので困った。 広いだけで、あまり見るものはないので、せらワイナリーに向う。ここの売店には、ワインだけでなく、地元で作ったものを色々売っている。食パンに蓬を練りこんだ「ヨモギパン」がどういうわけか、家族に大うけであった。「せらワイナリー」○このブログ、ランキングで何位かな。覗いてみてね。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 28, 2007
コメント(2)
地元の大手家電販売店で、イラストレータ「SHU」の展示会をやっていたので覗いてみた。 SHUは、広島出身のイラストレータで、CGを使って、色彩の非常に美しいファンタジックなイラストを描く人である。その色使いは、ラッセンを連想させるところもあるが、こちらの方が、もっと色彩が豊かかもしれない。 かなり前にネットサーフィンをしている最中に、たまたまSHU氏のホームページを見つけて、そのイラストの美しさに目を見張ったものである。 ただ、本来CGの作品のはずなので、どのように展示するのかと思っていたら、版画に落としたものを展示しているようである。現在SHU氏のHPでも見ることができる「誕生色-12の輪廻物語-」シリーズというのが中心だ。しかし、それにしても結構な値段がついている。1桁下だったら買っているんだけどね。 しかし、この種の展示会によくあるように、販売員がまとわりついてくるのにはまいった。次から次にうるさくつきまとってくるので、ゆっくり絵を見ることができず、早々に引き上げた。展示会に行くと、販売員にこんな対応をされることが多いが、作家の評判を下げるだけだと思うのだが。 イラストレータ「SHU」氏の公式HP ⇒ Little Bit ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ ○楽天でみつけたSHUのイラストのジグソーパズル 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 27, 2007
コメント(4)
「私はこのハサミで刺し殺されるのだ!」 今回読んだのは「不安な童話」(恩田陸:新潮社)である。ちょっと不思議な作家恩田陸のミステリーに分類されるであろう作品である。 大学教授の秘書をやっている古橋万由子は、上司の浦田泰山先生、幼馴染の今泉俊太郎といっしょに、高槻倫子の遺作展の会場を訪れる。高槻倫子は、かって人気絶頂の画家だったが、万由子が生まれる1年前に死に、今は忘れられた存在となっている。 この会場で、万由子を襲う居心地の悪さ。「私は知っているのだ。ここにある絵を全部。」ついには、ハサミで殺されるビジョンに襲われ、その場に倒れてしまう。 次の日、泰山と万由子を、倫子の息子・高槻秒が訪ねてくる。彼は、万由子が倫子の生まれ変わりだと言う。倫子はハサミで刺し殺されていたのである。母の遺言に従い、4人の人物に絵を送るので、彼らに会って、その時の記憶を思い出して欲しいと言うのだ。そして、遺作展の会場への放火や脅迫電話など、次々におこる事件・・・。 ところで、仏教の思想では、生き物は六道を輪廻する。チベット仏教の指導者ダライ・ラマは生まれ変わりが後継していくことで良く知られているが、果たして万由子も倫子の生まれ変わりなのか。 その割には、万由子は倫子と容姿も性格も全く異なっている。生まれ変わりとすれば、もっと似たところがあっても良いと思うのだが。共通しているのは、人の記憶の引き出しにしまいこんだものが見えてしまうということだけなのだ。これだけでも十分な証拠になりそうだが、こういう人は結構いるというのが、この小説の設定なのである。それでは、なぜ、万由子にハサミの記憶が?これは最後に種明かしがあるのだが、この辺りがいかにも恩田陸らしい仕立だ。 秒の記憶にある、倫子は美しくて才能に溢れた母親。しかし、絵を渡すために、4人の人物のところを訪れていくうちに、しだいにその母親の本当の姿が分かってくる。彼女は、異常とも行ってよいほどの悪意に満ちた人間で、彼女の絵は、その悪意を作品にしたものだった。 彼らは、開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまったのだ。倫子の死の真相は、永久に封印しておくべきだったのだ。果たして、そこには希望は残っていたのだろうか。 全体としては、面白いミステリー仕立てになっている。最後の方で、万由子が一人で事件を調べに行って,犯人に殺されかける。いくら人の記憶が見えるからといっても、そんな無謀なことをしてはいけない。そんなことをしても大丈夫なのは、京極夏彦の作品に出てくる榎木津礼次郎くらいのものである。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「不安な童話」(恩田陸:新潮社)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 26, 2007
コメント(6)
今回紹介する、「美濃路殺人事件」(内田康夫:角川書店他)もおなじみの浅見光彦シリーズの旅情ミステリーである。 今回光彦は、編集者と待ち合わせをしていた新宿駅西口でいきなり絶世の美女に横面を張り飛ばされる。怒るより先に、彼女の美貌に呆然とする光彦。やっぱり美女は得だ? 実は、編集者と会う日を間違えていた光彦は、そのまま一人で、岐阜県まで和紙の取材に出かけるのである。隣の愛知県では、犬山市の明治村で、会社員の高桑雅文が殺されていた。明治村を訪れた光彦は、その美女月岡三喜子と再開する。彼女の父で宝石商の月岡和夫もその数日前行方不明になっていた。和夫に借金があったことから狂言の噂も。光彦は、三喜子のあまりの美女ぶりにクラっとなったのか、持ち前の好奇心からか、事件を調べ始める。相変わらず光彦は美女に弱い。 光彦は、調べていくうちに、事件に、戦時中の学童疎開の因縁が絡んでいることに気が付く。 ラストは、いかにも光彦らしい。事件の一部始終が明るみに出れば、殺されたものたちの家族だけでなく、犯人の家族も破滅への道を進まざるを得ない。今回は、兄の陽一郎刑事局長をさんざん動かしておきながら、光彦なりの美学に従った解決を図るのである。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ DVD「美濃路殺人事件」風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 25, 2007
コメント(2)
今日は、かって映画やドラマでも話題となったホラー、「リング」(鈴木光司:角川ホラー文庫)である。実は、私は、映画もドラマもろくに観ていない。だから、知っているのは、井戸から怖い人が出ている話だと言うくらいである。 それでは、なぜこの小説に興味を持ったかと言うと、このシリーズの映画版の完結編にあたる「リング0 バースデイ」に仲間由紀恵が出ていたらしいからだ。(「やっぱりそこか!」のツッコミあり。)もっとも、この映画も観ていないのではあるが。 古書店で105円で売られていたこともあり、続編の「らせん」といっしょに買ってきた。 舞台は、平成の世になってまもない頃のようだ。4人の男女が同じ日の同時刻に亡くなる。雑誌記者の浅川は、この事件に疑問を抱き、真相を追究し始める。浅川が行き着いたのは、一本の呪いのビデオテープ。観たものは、1週間以内にあるおまじないをしないと死が訪れる。しかし肝心のおまじないの部分がない。浅川は親友の高山竜司といっしょに、呪いを解く方法を捜し求める。そして、浮かんだのは、山村貞子という超能力を持った美しい女性に起こった悲しい出来事・・・。 テープの謎を調べていくところは、非常に面白く読めるが、冷静に考えてみると、どうも、不自然なところも多い。貞子が死んだのは25年前である。どうしていまになって呪いが発動したのか。また、その当時は、昭和40年代初めであり、まだビデオなんて、見た事もない人が多かったはずである。どうして、その頃死んだはずの貞子が、ビデオを使った呪いなんて思いつくのだろう。ここは、あまりつっこんではいけないところか。きっと超能力のなせる業だったんだろう。 また、最後の方では、ウィルスが原因なんて言い出したが、どうしてビデオを見ればウィルスに感染し、おまじないをすれば発病しなくなるのか納得のいく説明がされていない。このあたりは、変に科学的説明をつけようとせず、不思議は不思議なままにしておいた方がよかったのではなかったか。それとも続編では、この疑問を解決してくれるのだろうか。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「リング」(鈴木光司:角川ホラー文庫) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 24, 2007
コメント(6)
土曜の夜は、フジテレビ系列の「土曜プレミアム」で「博士の愛した数式」を観ていた。小川洋子原作の映画で、2006年の公開である。 内容はご存知の通り、事故で80分しか記憶が持たない、数学者の「博士」と、博士の家政婦になったシングルマザーの「私」そしてその息子の「ルート」との交流を描いたものである。 映画の方は、大人になった「ルート」が教壇に立つ場面から始まる。良く分からないが、たぶん中学校かな。「博士」の影響で、数学の先生になったようだ。そして、「博士」の思い出を語るのだが、どうも「ルート」が数学版金八先生に見えてしまう。 「博士」の記憶は、80分しか持たず、次の日には二人のことをすっかり忘れてしまうのだが、はじめは愛想の悪い変な親父だった「博士」も、しだいに二人と心が通い合っていくように見える。表層的な記憶からは二人のことが消えてしまっても、無意識の部分に、心の触れ合いが蓄積されているのであろうか。父親のいない「ルート」も、博士に父親の面影を見ていたのかもしれない。 「私」がだんだん、数の魅力に引かれていく様子が面白い。なかなか、こういうことに興味を持つ人は少ないと思うのだが。この映画の影響で、多くの人が数学の魅力を分かればいいな。(でも、私は、数論などの純粋数学はどうも苦手です(^◇^;)) 小説の方は、ちょっと哀しい終わり方だったけど、映画の方は、「博士」の夢が次々に受け継がれて行くような感じで、こっちの方が好きかな。(原作)・小川洋子(監督)・小泉堯史 (出演)・寺尾聰(博士)・深津絵里(私)・齋藤隆成(ルート)・吉岡秀隆(大人のルート)・浅丘ルリ子(博士の義姉)DVD「 博士の愛した数式 」 ○このブログ、ランキングで何位かな。覗いてみてね。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 23, 2007
コメント(8)
「追分」とは牛馬を追い分けるということから始まり、転じて、街道が二股になったところを言うようになったらしい。だから、追分の地名は日本全国にあるが、信濃追分宿は、「追分節」の故郷だそうである。ここで生まれた「追分節」は、全国に広まり、それぞれの土地に根付いていったのである。 「追分殺人事件」(内田康夫)は、この「追分」をモチーフにした「旅情ミステリー」である。ただし、この作品には、浅見光彦は出てこない。この作品は、信濃のコロンボこと竹村警部と警視庁きっての切れ者である岡部警部の2大スター?の競演である。三つ揃いのスーツの似合うハンサムな岡部警部と、どちらかと言えば風采の上がらない、武村警部の取り合わせが面白い。 ストーリーであるが、信濃追分で桑江という男が殺される。一方本郷追分に近い、「八百屋お七の墓」で安原という男が殺される。そして、調べが進むにつれ2人の男と「追分」との関係が次第に明らかになる。 この話の背景には、国内炭の問題がある。かって、石炭は黒いダイヤと言われ、日本のあちらこちらの炭鉱はにぎわっていた。しかしやがて、安い海外炭に押され、ヤマは次々に閉山。殺された男達もかっては、夕張の炭鉱労働者であった。そして、悲惨な事故の記憶。 この話は、ヤマを追われた男達の悲しい話である。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「追分殺人事件」(内田康夫: 角川春樹事務所)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 22, 2007
コメント(0)
「堪忍箱」(宮部みゆき;新潮文庫)を読んだ。 またまた、時代物の短編集である。収められているのは、次の8編。 「堪忍箱」:菓子問屋近江屋に伝わる、決して中を見てはいけないと言う箱についての話。 「かどわかし」:自分をかどわかしてくれと言う子供の話。 「敵持ち」:浪人を用心棒にたのむ話。そのおかげで、罠をまぬがれる。 「十六夜髑髏」:十六夜月に祟られたお店の話。 「お墓の下まで」:血のつながらない親子。実はそれぞれに人に言えない秘密が・・・。 「謀りごと」:浪人者の住んでいる長屋で、差配が死んでいた。その差配には様々な顔が・・。 「てんびんばかり」:姉妹のようにして育った幼馴染の人生のてんびんの釣り合いは・・・。 「砂村新田」:お春は、見知らぬ男に声をかけられる。その男は、お春の母親を知っているようだが・・。 いずれも、人間の心のざわめきを、絶妙な筆さばきで描き出した作品である。○このブログ、ランキングで何位かな。覗いてみてね。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 21, 2007
コメント(4)
最近、宮部みゆきの時代物に少しはまっている。現代物もこれまで数冊読んだが、やはり時代物の方が、私の好みに合っているようだ。今回読んだのは「あやし」(宮部みゆき:角川書店)である。 江戸を舞台にした怪異を描いた、ホラー短編集である。収められているのは、「居眠り心中」、「影牢」、「布団部屋」など計9編。 描き出されているのは、超自然的な怪異と言うよりは、むしろ、人間の怨念、そして哀しさである。それが、宮部みゆきの絶妙な筆遣いで描き出され、つい読みふけってしまう。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 20, 2007
コメント(0)
「ネバーランド」と言えば、「ピーターパン」を連想する人も多いと思うが、紹介するのは恩田陸の小説の方である。2001年には、TBS系で連続ドラマにもなっていたようだ。(観てないけど) 舞台は、有名私立男子校の寮。それぞれ訳ありで、冬休みの間、帰省もせず寮に居残りする男子高校生たちの1週間の物語である。 読み出して、これはしまったと思った。男子寮なんて、どうも汚くて、臭くてという先入観がある。現に、大学の頃、友人がいたので、時々行っていた学生寮の、散らかっていたことと言ったら・・・あんのじょう、タバコあり、酒盛りありの毎日に、ちょっとボーイズラブ風の味付け。「おいお前ら高校生だろう!」とつっこんでしまう。 もちろん、この小説のテーマはそんなことではない。読み進むうちに、だんだんと明らかになる、彼らのそれぞれの事情。どれも、彼らの心に深い影を投げかけている。 しかし、この1週間の間にいろいろな出来事が起こり、最後は、なんとなくおさまるところにうまくおさまったという感じである。 ピーターパンの「ネバーランド」は、大人にならない国であったが、彼らは、きっとネバーランドを出て、大人の世界に歩み出すことであろう。 でも、やはり、どちらかといえば、女子寮のお話を読みたかった。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「ネバーランド」(恩田陸:集英社) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら ○関連ブログ記事・itchy1976の日記・みるき~うぇい・日々のつぶやき・かみさまの贈りもの~読書日記~・苗坊の徒然日記・本を読む女。改訂版
May 19, 2007
コメント(6)
久しぶりにSFを読んだ。ロバート・A.ハインラインの「夏への扉」である。学生時代はよくSFを読んでいたのだが、最近はあまり読まない。しかしよく読んでいた学生時代でさえ、ハインラインのものは読んだことがなかった。ハインラインと言えば、SF好きには知らぬ者はないという位の大御所である。これまで読まなかったことに特に理由はない。単なる食わず嫌いだっただけなのである。 この間、たまたま、書店でこの「夏への扉」を見つけて、再びSF好きの血が騒ぎ出したのか、つい買ってしまった。読んでみると、これがとても面白い。ハインラインがこの作品を発表したのが1957年というから既に半世紀たっていることになる。手元の文庫版を見ると初版は1979年である。未だに売られているので、かなりのロングセラーであり、もう既に古典と呼ばれる地位を獲得していると言っても良いであろう。 天才的な技術者のダンが、共同経営者であった親友と婚約者にだまされ、自分の会社を追われる。アメリカの映画を観ていると時々ある、自分がトップだと思っていたら、取締役会で重役達に「お前はくびだ!」っていきなりやられる、そんな感じである。この婚約者だった女ベルが、なんとも性悪で、読んでいて腹が立ってくる。 この作品がSFというのは、タイムマシンや冷凍睡眠(コールドスリープ)を使って、ダンがベルたちに一泡吹かせようとするということ。最初は、ベルたちにやられて冷凍睡眠させられてしまったのだが、行った先が西暦2000年。ハインラインが考えてたこの時代の設定は、とっくに21世紀になってしまった今以上に文明が進んでおり、なんとタイムマシンまで存在する。 この作品で、助演賞を与えたいのは、ダンが飼っている猫のピート。この作品にいい彩を添えている。猫好きのSFファンにぜひとも勧めたい作品である。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「夏への扉著者」(ロバート・A.ハインライン/福島正実:早川書房) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら ○関連記事:404 Blog Not Found 「事実は小説より喜なり - 書評 - 夏への扉 [新訳版]」
May 18, 2007
コメント(10)
少々古い本だが、「緑の冒険」(向後元彦[こうごもとひこ]:岩波新書)と言う本を読んだ。この本の内容を一言で言えば、「沙漠にマングローブを植えよう」というものである。著者の向後は、東京農業大学の学生時代に探検部を創設し,地球各地を探検し、株式会社「砂漠に緑を」の代表取締役を勤めたり、NGO「マングローブ植林行動計画」で活躍している人である。 向後氏はクウェートを訪れた際に、「沙漠を緑にできれば、大金儲けができる」と思いつき、淡水の少ないアラブでも、豊富にある海水に目をつけ、マングローブを植林しようと考える。若干、動機は不純のような気もするが(もっとも氏は照れ隠しでそう書いたのかも知れないが)、その後の氏の情熱は本物である。色々な種類のマングローブを集め、植栽試験を繰り返す。とにかく、枯らしては植え、枯らしては植えといった感じだ。 資金集めにも苦労したようである。結果の見えないものには、金は出さないというお国柄からか、オイルマネーがうなっているのに、現地国からの金銭的援助はことごとく断られたようである。苦しい中、資金を出し続けてくれたのは、日本の企業だったそうだ。このあたりは、お国がらの違いというものだろうか。それとも日本人の武士道精神か? ともあれ、アラビアでのマングローブの植栽試験は成功したが、広大なアラビアから見れば、まだまだ、ほんの小さな点での成功に過ぎなかったのである。 「沙漠に緑を」とは、なんともロマンのある話ではないか。私は、こんな夢のある話が大好きだ。いつか、地球上の広大な沙漠が緑に覆われることを願いたいものである。 ○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 17, 2007
コメント(2)
「終幕(フィナーレ)のない殺人」(内田康夫: 講談社 )を読んだ。 ご存知浅見光彦シリーズだが、この作品は、このシリーズの他の作品とは大きく異なっている。浅見光彦シリーズと言えば、旅情ミステリーと頭に浮かぶだろうが、この作品だけは違うのである。内田センセ、どうも、「本格的」探偵小説も書けるんだぞと言うことを示そうとして、この作品を書いたらしい。その気持ちも分からないでもないが、やめておけばよかったのにという気がする。 内容は、芸能界の大御所加堂孝次郎の箱根の別荘に、芸能人や光彦が招かれたが、その別荘が外界と遮断され、次々に殺人が起きていくというもの。よくあるミステリーのパターンであるが、あまり、別荘に閉じ込められた人間達の恐怖と言うものが伝わってこない。内田康夫の文体は、軽くさらっとしているので、こんな話には、あまり向かないのではないかなと思う。 この作品では、幼馴染で、かって「光光(みつみつ)コンビ」と呼ばれていた、野沢光子が光彦の相棒を務めている。女性に奥手の光彦も、この光子とは気軽に付き合えるようだ。 ○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 16, 2007
コメント(4)
最近、時折宮部みゆきの本を読んでいるが、たまたま古本屋で「幻色江戸ごよみ」(宮部みゆき:新潮文庫)を見つけたので買ってきた。人気があるためか、このあたりの古本屋では、宮部みゆきの本はなかなか手に入らない。それなら、新刊を買えば良さそうなものだが、結構買う量が多いので、新刊ばかり買っていると、たちまち財布がすっからかんになってしまう。 それは、さておき、本の紹介に入ろう。この本は、時代物を集めた短編集である。巻末に収められている解説によれば、宮部みゆきの3冊目の時代小説集で、第十三回吉川英治文学新人賞を受賞しているということである。 収録作品は、12編。主に江戸の怪異と人情を扱った作品である。 母子の情愛に絡んだ怪異を描いた「鬼子母火」 器量の悪い娘が器量を見込まれて嫁に行く「器量のぞみ」 丁稚を励ます神様のお話「首吊りご本尊」など、怪異の中にも、人情を旨く取り入れて、しんみりと来させる話が多い。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「幻色江戸ごよみ」(宮部みゆき:新人物往来社、新潮社) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 15, 2007
コメント(4)
どうも最近「ゲゲゲの鬼太郎」づいている気がするが、今日は漫画版の「ゲゲゲの鬼太郎」(水木しげる:講談社)である。コンビニでちょっと前に買ったものであるが、映画の公開を契機に、新たに編集されたもののようで、表紙が、映画からのカットになっている。 この本に収められている話は、以下の7編・空気を自由に操る妖怪との戦い「見上げ入道」・戦争のおかげで世をすねた老人が妖怪を復活させる「天邪鬼」・歌を盗まれ怒った妖怪の話「さら小僧」・悪徳商法にはまるねずみ男をこらしめる話「猫娘とねずみ男」・ビルの地下工事をじゃまする妖狐族との戦い「天狐」・死体から死体へ乗り移る妖怪の話「モウリョウ」・鬼太郎が、無実の罪で裁判にかけられる話「妖怪大裁判」 鬼太郎に出てくる妖怪は、おどろおどろしさがなく、むしろユーモラスでさえある。話の展開も、独特の牧歌的なテンポがある。そこが鬼太郎の一番の魅力であると思う。 ところで、鬼太郎の武器といえば、ほとんどの人は、「髪の毛針」と「霊毛ちゃんちゃんこ」と「リモコンげた」くらいしか思い浮かばないかもしれない。しかし、この本の中では、他に口から熱気を吐いたり、指を鉄砲のように飛ばす「指鉄砲」を披露したり、切り離された手をリモコンのようにあやつったりと、様々な技を披露している。こうしてみると、けっこう色々な技をもっているのだが、どれもちょっとスケールが小さいと思ってしまう。まあ、これも鬼太郎の魅力なのだろう。 映画は、このうち「妖怪大裁判」を原作としているということらしいが、「天狐」も少し関係しているようだ。でも、ほとんどオリジナルストーリーといっても良いであろう。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「ゲゲゲの鬼太郎」(水木しげる:講談社)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 14, 2007
コメント(6)
たまたま、近所のコンビ二に入ったら、コンビニには珍しい本が置いてあるのに気づいた。その日は別の買い物をして帰ったが、それから2週間くらいして、同じコンビニに寄って見ると、相変わらず、その本が同じところに置いてあったのである。 それが、この「【図解】相対性理論と量子論」(佐藤勝彦監修:PHP研究所)である。内容は、いたってまじめで、現代物理学の2大基盤とも言える「相対性理論」と「量子力学」のエッセンスを、分かりやすく説明するというものである。読者が興味を持つよう、かのシャーロックホームズを案内役にして、語らせるなどの工夫がしてある。 しかし、どう考えても地方のコンビにでは売れそうにない。この本を置いた経営者の決断(ちょっと大げさか?)には敬意を表するものの、科学関係の本が売れないわが国の現状には、不安を抱かざるを得ない。売れ残っているのに、あわれをもよおしたのか、この本が本棚から私を呼んでいるような気がして、思わず買ってきてしまった。値段が500円(税込)で手軽だったこともあるのだが。 この本は、2部に分かれており、前半は「相対性理論」についてである。導入はホームズが相棒のワトソンに、光の性質の不思議について、自分の見解を述べるところから始まっている。後半は「量子論」についてであるが、こちらは、ホームズの宿敵だったモリアティ教授の孫と名乗る青年が現れ、ホームズと量子論について議論する。ホームズが、この青年に一本取られてしまうところから、量子論の説明が始まっている。 この二つの理論から導かれる様々なことは、物理学を学んだ者には、良く知られていることであるが、一般の常識から見ると奇異な感じがするものが多い。中学生くらいになれば十分読める内容なので、このような本を多くの子供達が読んで、科学技術に関心を持ってもらいたいものである。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「【図解】相対性理論と量子論」(佐藤勝彦監修:PHP研究所) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 13, 2007
コメント(4)
ハーバード大学は、アメリカのマサチューセッツ州に本拠のある、アメリカ大統領やノーベル賞受賞者を輩出した、いわゆるアイビー・リーグの名門校である。 「ハーバードで語られる世界戦略」(田中宇/大門小百合:光文社新書)は、ジャーナリストである田中宇・大門小百合夫婦のハーバード留学記である。 大門氏は、ジャーナリストの留学プログラムであるニーマンフェローシップに合格し、2000年の8月から約1年間ハーバード似留学する。ニーマンフェローシップとは、ジャーナリズムへの貢献を目的として、アメリカ国内とそれ以外の国から12人ずつ、計24名のフェローが集められて、1年間勉学を共にすると言うプログラムらしい。 面白いことに、このプログラムでは、配偶者の同伴が許され、配偶者もまた、ハーバードの授業を取ったり、セミナーを受講できるのである。日本ではまず考えられないシステムである。大門氏の夫である田中氏は、自由の利く仕事をしていたので、共にアメリカに留学したのである。 留学記は、立場の違いからか、大門氏は、ハーバードにまっすぐに向き合っているのに、田中氏は、少し斜に構えているような感じを受ける。 この本の題名は、「ハーバードで語られる世界戦略」であるが、別にハーバードでどのような世界戦略を練っているのかということなどは書かれていない。その代わり、ハーバードがいかにアメリカの政治に関わっているか、すなわち世界戦略にいかに関わっているか伺える。一例をあげれば、「アメリカ安全保障政策」という授業の目的は「安全保障問題が生じたときに、きちんと大統領にアドバイスできるため」だということである。また、政権交代ごとに、ハーバードの教授の何人かは確実に政権に入るという。このあたり、日本人の感覚からすれば、非常に「生臭い」感じを受ける。これも、お国柄の違いであろうか。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 12, 2007
コメント(4)
鬼太郎の次は、「名探偵コナン」である。現在でも少年サンデーに連載されており、アニメでも放映されている、長寿人気漫画である。作者の青山剛昌は鳥取県東伯郡旧大栄町(現在の北栄町)の出身である。ちなみに、北栄町は、2005年(平成17)10月に旧北条町と旧大栄町が合併して出来た町である。 この町は、コナンを使った「まちづくり」を進めている。JR最寄の駅は、山陰本線「由良駅」であるが、この由良駅から、北栄町大栄庁舎前を通り、道の駅「大栄」まで約1.4キロメートルを「コナン通り」と名づけて、観光振興に役立てている。写真で分かるとおり、きわめてのどかなところである。「コナン通り」 この地区を流れる由良川に架かる「コナン大橋」。橋のいたるところに、コナンの姿が見られる。「コナン大橋」 この「コナン大橋」近くにあるのが、「コナン探偵社」である。といっても、別に、探偵業を開業しているわけではない。コナン関係のグッズを販売しているショップである。「コナン探偵社」 こちらは、コナンの本来の姿「工藤新一」。「工藤新一」 コナン通りの外れに近いところに、「青山剛昌ふるさと館」がある。2007年(平成19)3月に開館したばかりの施設である。青山剛昌関係の資料が展示してあるようだが、時間の関係で入れなかったのは残念。「青山剛昌ふるさと館」 ○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 鬼太郎とコナンに会う旅(2)はこちら「名探偵コナン」(青山剛昌:小学館) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 11, 2007
コメント(4)
「大漁市場なかうら」を出て、次に向ったのが、有名な「水木しげるロード」である。今では、すっかり、境港市の顔になっている。JRで行くなら、山陰本線米子駅から境港線で約40分、境港駅で降りると良い。そこからずっと、鬼太郎ワールドが続いている。「水木しげるロード」 この「水木しげるロード」には、83体の妖怪たちのブロンズ像が並んでいる。時間があれば、全部探してみるのも面白いであろう。また、この地区は、妖怪による「まちづくり」を目指しているようで、ブロンズ像以外にも、そこら中に、妖怪が一杯である。「水木しげるロードの妖怪たち1」「水木しげるロードの妖怪たち2」 この水木しげるロードに、平成15年に開館し、日本の妖怪の総本山?とも言えるのが、「水木しげる記念館」である。内部には、妖怪関係の資料や展示物がたくさんあるが、残念ながら時間の関係で、駆け足で見ただけであった。「水木しげる記念館」 ついでに、水木しげるロードを横切る小川に架かっていた橋の欄干に寝そべっていた ねずみ男。 ○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 鬼太郎とコナンに会う旅(1)はこちら○漫画「ゲゲゲの鬼太郎」 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 10, 2007
コメント(6)
鳥取県の生んだ、漫画界の二大スター?と言えば、水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」と青山剛昌の「名探偵コナン」であろう。どちらも、テレビアニメでもおなじみなので、ほとんどの方がご存知のことと思う。 先日、地元にある旅行会社が、この二つの漫画の作者ゆかりの地である境港市と北栄町(旧大栄町)を訪ねるバスツアーを企画していたので、参加してきた。 まず向ったのは、水木しげるの故郷境港市である。ここでの本命は、妖怪があちらこちらでお目にかかれる「水木しげるロード」であるが、その前に、この手のツアーでのお約束である、みやげ物市場に立ち寄る。立ち寄ったのは、「大漁市場なかうら」という海産物市場。山陰のうまいものがたくさん売られている。鬼太郎グッズも多い。このツアーには食事が付いていないので、ここで自由食ということになるのだが、残念ながら、腹具合を悪くしていたので、「蟹稲荷」で簡単に済ます。「大漁市場なかうら看板」 この、「大漁市場なかうら」の門前には、日本一大きいという触れ込みの鬼太郎像が建っている。鬼太郎像が、他所の国にあるとは思えないから、世界一大きな鬼太郎像と言っても良いかもしれない。平成18年7月に建造された石像であり、左手に山陰名物「松葉蟹」を持っている。この像は、水木しげるにより、「 がいな鬼太郎 」と命名されているそうである。なお、「がいな」は、このあたりの方言で、「大きい」と言う意味だそうだ。「がいな鬼太郎」 館内には、鬼太郎と名コンビ?の「ねずみ男」の像もある。「ねずみ男像」 ちなみに、これは、館内で売っている蟹。「蟹」 「大漁市場なかうら」を出ると、いよいよ「水木しげるロード」に向うが、その途中,港には「イカ釣り船」がたくさん停泊しているのが見える。船に付いているランプで、イカを集めて釣るのである。それで釣られたものかどうかは分からないが、「なかうら」でも、イカが売られていた。 「イカ釣り船」○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「大漁市場なかうら」で売られているグッズ(例) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 9, 2007
コメント(2)
「喜びがある限り悲しみがある。幸福がある限り不幸がある。」 土曜日の夜は、フジテレビ系列の「土曜プレミアム」で「ブレイブストーリー」を観ていた。2006年製作に製作された宮部みゆき原作のファンタジーアニメである。 主人公の少年・三谷亘(ワタル)は、幽霊ビルに幽霊を見に行って不思議な少年と出会う。その少年・芦川美鶴(ミツル)はワタルの学校への転校生であった。 そんな折ワタルの両親が離婚し、父親が家を出てしまう。そして、母親も倒れて入院してしまう。ミツルから、幽霊ビルにある扉の向こうに行けば運命が変わり願いがかなうと教えられたワタルは、家族を取り戻すため、扉を開け、異世界ビジョンで冒険を繰り広げるというもの。 この世界では、宝玉を集めると、運命の女神に会え、一つだけ願いがかなうのである。先にこの世界に入っていたミツルは、強大な魔法を使う魔導師になっていた。彼もまた、運命を変えることを望んでおり、目的を達成するためなら手段を選ばない。ミツルは、ついに魔物たちを封じている、闇の宝玉に手を出す。封印が解け魔物があふれ出し、ビジョンは滅亡の危機に・・・かなえられる望みは一つ。ビジョンを救えるのはワタルだけ。ビジョンを救うか家族を取り戻すか。果たしてワタルの決断とは・・ ゲームの種類にRPG(ロール・プレイング・ゲーム)というのがあるが、この作品の世界は、まさにそのRPGの世界である。最初は、見習い勇者に過ぎなかったワタルも、トカゲ人間のキ・キーマや猫娘のミーナ、ハイランダーの女戦士カッツなどの仲間とめぐり合いながら冒険を続けていくうちに、自らも成長していく。この物語は、ワタルの成長物語である。(監督)・亀山千広(原作)・宮部みゆき (声優)・松たか子(三谷亘[ワタル])・ウエンツ瑛士(芦川美鶴[ミツル])・常盤貴子(カッツ) ・大泉洋(キ・キーマ)・斎藤千和(ミーナ)○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「ブレイブストーリー」(姫川明 /宮部みゆき:小学館) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 8, 2007
コメント(6)
4日(金)の深夜(というより5日(土)の早朝)、地元のテレビ局で「ガメラ・大怪獣空中決戦」をやっていた。 ガメラは、1965年の大映映画「大怪獣ガメラ」に初めて登場した。このころは確か怪獣ブームで、映画会社がこぞって、怪獣映画を製作していた記憶がある。ゴジラが東の横綱なら、ガメラは西の横綱といったところであろうか。 本作品は、平成になって、新たに作られるようになったガメラシリーズの第1作目に当たる。この作品でのガメラの敵は、ギャオス。遺伝子捜査によってつくられ、かってアトランティスを壊滅させた怪獣である。口から出す超音波メスが武器で、人間を襲って食う。環境変化で永い眠りから覚め、人間を襲い始めたという設定である。 ガメラもまた、ギャオスに対抗するため、古代文明によってつくられたもので、勾玉によって、少女と心を通わせる。口から吐くプラズマ火球は、まさに一撃必殺、直撃すれば、ギャオスでさえも粉々になってしまう。 なんとも頓馬なのは、政治家や役人達。本来倒さねば成らないギャオスは捕獲し、味方のはずのガメラは抹殺と言った決定をしてしまう。ギャオスの凶悪な顔と、ガメラの愛嬌のある顔を見れば、どちらを攻撃すべきかはわかりそうだと思うのだが。 なつかしくて、夜更かしして、最後まで観てしまったが、考えてみると、色々なメッセージのこめられた作品である。(監督)・金子修介 (出演)・伊原剛志(米森良成) ・中山忍(長峰真弓) ・藤谷文子(草薙浅黄) ほか○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ DVD「ガメラ・大怪獣空中決戦」風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 7, 2007
コメント(2)
「スパイダーマン♪ スパイダーマン♪」 行ってきました、「スパイダーマン3」! 当地は、フラワーフェスティバルの最終日。そのためか、映画館は、思ったほど混んでおらず、前の方には空席も目だった。普通は、このクラスの映画だと、休日はかなり混雑するのであるが。 この映画では、スパイダーマンは、すっかりヒーローの地位を固め人気者である。メリージェーンとの交際も順調かと思いきや、彼女が劇場を首になったため、ちょっと気まずい雰囲気に・・・ この映画は、過去の作品の総決算と言う感じで、過去2作で起こった出来事が、この作品で清算されることになる。 しかし、それにしても、にぎやかな映画である。親友のハリーはニューゴブリンになって襲ってくるし、サンドマンなんて、訳の分からないのも出てくるし、黒いスパイダーマンもどきも出てくるし、市内そこらじゅう壊しまくって大暴れと言った感じだ。すごい迫力で、文句なしに面白いんだけど。 しかし、スパイダーマンは手から糸を出すが、クモだったら、糸を出すのはお○りからだろうにと思うのは私だけか・・・ (監督)・ サム・ライミ(出演者)・トビー・マグワイア(ピーター・パーカー/スパイダーマン) ・キルスティン・ダンスト(メリージェーン・ワトソン)・ジェームズ・フランコ(ハリー・オズボーン/ニュー・ゴブリン) 他 ○「スパイダーマン3」公式サイトはこちら○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ ○「スパイダーマンオリジナルサウンドトラック」 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 6, 2007
コメント(18)
「おまえたちのやったことは全部お見通しだ!」 仲間由紀恵は、今でこそ押しも押されもせぬトップ女優だが、彼女が名をあげるきっかけになった作品が冒頭の科白で有名な「トリック」である。2000年にテレビ朝日系で放映されていた。 「トリック」(蒔田光治 / 林誠人/堤幸彦:角川書店) は、このシリーズの小説版である。主役はもちろん山田 奈緒子、売れないマジシャンである。彼女の父親も有名なマジシャンであったが、訓練中事故で死亡した。父の死には、大きな謎があるようである。 この物語は、奈緒子と、日本科学技術大学の助教授上田次郎とのコンビが、自称霊能力者たちと対決し、彼らのインチキを暴いていくものである。もっとも、奈緒子の方は、上田によって無理やり事件に関わらされているのだが。 掲載されている作品は、ドラマと同じく、以下の5編。 ・「母之泉」:敵は、ビッグマザーと呼ばれる霧島澄子。読心術、空中遊泳、予知などを行う強敵である。・「まるごと消えた村」:何でも消すことのできる男、ミラクル三井との戦い。・「パントマイムで人を殺す女」:呪いで人を殺せるという黒坂美幸との対決。・「千里眼の男」:何でも見通すという千里眼を持つ桂木弘章のインチキを暴く。・「黒門島」:奈緒子の母里見の出身地黒門島。父の死との関わりが?敵は、黒津 次男、三男の兄弟。 奈緒子と上田の夫婦漫才?が冴え渡り、テレビドラマを観た人には、その情景が活き活きと甦るであろう。観ていない人も、十分に楽しめる。そして、二人の芸をより引き立てる第三の男矢部刑事。あのチャランポランぶりがなんとも懐かしい。続編もうつくられないのかな?○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「トリック」シリーズ(角川書店) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 5, 2007
コメント(2)
GWの後半、5月3日から5日までの3日間は、広島市の平和大通りが、最もにぎわう期間である。全国でも屈指のGW期間中のお祭りひろしまフラワーフェスティバルが開催されるのである。3日間の観客動員数は、100万人以上、100メートル道路とも呼ばれる平和大通りのそこかしこで、期間中様々なイベントが行われる。開始は1977年であるから、今年で31回目になる。 このひろしまフラワーフェスティバルのメインイベントの一つが、5月3日に行われる「花の総合パレード」である。様々な団体が参加し、パフォーマンスを繰り広げながら平和大通りを練り歩く。 両脇の歩道は見物客で一杯で、身動きもとりづらいほどである。「フラワーフェスティバルの見物客」「花車1」 「花車2」「花車3」○このブログ、ランキングで何位かな。覗いてみてね。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 広島市を歩く(その18)はこちら風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら ○広島市のホテル(「広島全日空ホテル」、「リーガロイヤルホテル広島」、「ひろしま国際ホテル」)
May 4, 2007
コメント(4)
「天満川」は広島市内を流れる太田川の6つの分岐のうち、西から2番目にあたる。「天満川」 この天満川に架かる橋が「天満橋」である。旧西国街道に架かる橋と言うことである。「天満橋」 天満橋を渡ってまっすぐ西へ歩くと、太田川放水路の少し手前に、「広島工業大学専門学校」がある。よく各種の資格試験の会場になっている学校である。「広島工業大学専門学校」 以前、「ひろしま通」認定試験を受けたときに、中に入ったが、そのとき窓から眺めた景色である。分かりにくいかも知れないが、山の斜面を家がへばりつくようにして覆っている。このあたりは、岡山県のように平野が広い地方がうらやましいところである。「広島工業大学専門学校の窓からの眺め」○このブログ、ランキングで何位かな。覗いてみてね。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 広島市を歩く(その17)はこちら風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら 「広島全日空ホテル」
May 3, 2007
コメント(0)
今回紹介するのは、「軽井沢殺人事件」(集英社ほか)。内田康夫の浅見光彦シリーズである。軽井沢は行ったことはないし、自分にはあまり縁がなさそうなところだと言う気もするが、このシリーズ、大分読みつくしてしまったので、手にとってみた。 この作品は、パトカーが、路地から急に飛び出してきた男をはねたシーンから始まる。その男は、インチキ商法で世間を騒がせた「佐賀原商事」の幹部社員平山であった。ダイイングメッセージは、「許してくれ」と「ホトケのオデコ」。そして「久条亜矢子」という名刺。光彦は、兄の意向を受けて事件を調べ始める。 一方大芝精機に勤める野本美貴は恋人の錦織幸男が事故死し、結婚式を挙げるはずだった軽井沢を訪れる。そして何者かが、死体を捨てる現場を目撃する。殺されたのは警視庁の公安部員。信濃のコロンボこと「竹村警部」は事件を追う。 一見関係のない二つの事件が、奇妙な運命の糸に絡められ交錯していく。 この作品では、内田作品の2大スター?、浅見光彦と竹村警部の豪華競演が売りであろうか。終わり方は、権力に配慮して、事件がうやむやになっってしまったようで、あまり後味の良いものではなかったが。 ところで、光彦の兄の陽一郎は、この作品中で、光彦に、「公安は苦手」といったような発言をしているが、「平家伝説殺人事件」のときは確か公安部長だったような気が・・・○このブログ、ランキングで何位かな。覗いてみてね。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「軽井沢殺人事件」(内田康夫:集英社文庫)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 2, 2007
コメント(4)
恩田陸は、不思議な作家である。作品を読んでいると、良く分からないところが結構ある。また、恩田作品は、他の作品と色々と関連を持いるため、一つの作品を読んでも、その背景などが良く分からないこともあるから、なおさらである。 「図書室の海」(恩田陸:新潮文庫)は、色々な話を集めた短編集である。収録作品は、「麦の海に沈む果実」の前章とも言える「睡蓮」、「夜のピクニック」の前日の話「ピクニックの準備」、「六番目の小夜子」の番外編とも言える表題作「図書室の海」ほか7編。 元々不思議なところのある恩田ワールドであり、他の長編作とも関係がある作品もあるので、この本に収められている一つ一つの作品を読んだだけでは、なんのこっちゃと思うことも多いかもしれない。気にかかったら、ぜひ、関連する作品を読むことをお勧めする。○このブログ、ランキングで何位かな。覗いてみてね。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「図書室の海」(恩田陸:新潮社)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 1, 2007
コメント(6)
全31件 (31件中 1-31件目)
1