つきのわ王国(四畳半分)

つきのわ王国(四畳半分)

いっそ まぶしいくらいの光を放ち
星の目を眩まして 居る 月よ
キミが纏う その光の薄衣は 借り物だ

トラノイヲカル… かなしい 月夜

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3年にいちどとか そんな稀な間隔だから
いつも傍に居て どこにもゆかずに在るから
新月の夜も 目を凝らせばそこに ちゃんと居るから
だから そんな夜は どうしようもなく嫉妬する
ほんの一瞬だとしても あなたはわたしから隠れた!

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ゲツ ショク
月を蝕む
一瞬だけキミを侵すよ ほんの一度でいい
 キミを食べたいという気持ちがぼくを食べてしまうんだ 
月に触れる
そっと抱いている 壊れないように覆い隠す
 ぼくの中にだけ居るキミは眩しすぎて 思わず手を離した
月に飾られる
キミと太陽のあいだに 少しの時間立ったぼく
 キミのかわりに太陽に飾られたぼくをキミはどう思う? 

ゲッショク ただの 星と星の 重なり
そこには なんの筋書きも物語も あるはずがない
ただ 在るものには 何の 意味も然も感情も 必要ない
ただ在るものに何かを見るのは
ただ在れないものの かなしい生き方 

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月のしたで本を読むより 電気のほうが明るい
月を浴びて暖をとるより 太陽のほうが温かい
月を調べてみるよりも 小さな星には歴史がある
ただ 地球によりそっている 月ですが
仰いだイキモノの多さは 魅せられたひとの多さは
誰よりもいちばんだと思います

雲霞の後ろに満つ月 白い光が輪っかを作って
眠りに落ちる寸前に見える 蛍光灯のようでもあり
別世界を向いて照らす 太陽の後姿のようでもあり
今日も そこにただ佇んでいます
今日も そこにただ佇んでいます

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