うたよみひと

昔の私　2003/08/03～

花火の　季節である
あちこちで　花火大会が　行われている

私も　花火が好きだ
ほんの　数秒だが
きれいだなぁと感じるのは
それが　夜空だからなのか
火遊びだからなのか

火薬に火をつけて　打ち上げる
ただそれだけの事なのだが
眺めたいと　思うのは　何故だろう

子供のころ　手持ち花火を
マッチ売りの少女よろしく　つぎつぎ点火して
忙しない仕事のような状態
振り回して　怒られたり
自分の足を　焼いてしまったり
今思い出すと　ろくなことを　していない（苦笑）

　一瞬の　花なればこそ　美しく　夜空に咲きて　摘まれぬようにと

「小豆アイス食べたい」2003/08/04＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜

腰痛治療のため　さぼりつつ通っている整骨医院での出来事

マッサージ治療を受ける為　沢山の年配の方が通われているのだが
その中で　長身の男性がいる
今日は　暑くて　いつものメンバーの半分（旅行などでの不在のせいもあるかもしれないが）だったが　その男性は　いつもの時間にいつもの治療をうけにきていた

まずベットに上がる前　ゆっくりとズボンのポケットをまさぐる
理由は小銭
まぁ　男性に多いとは思うが　小銭入れなるものは　所持しないらしい
ばらばらと　１円から　５００円までの硬貨を一握りほど取り出し
病院側もわかっている様子で（笑）　専用のトレイを渡す

じゃらじゃらっと　小銭がトレイに乗り
男性もやおら　ベットに乗った

いつもは　流暢な口調のおば様方が数名いらっしゃって
あれこれと　おしゃべりに花を咲かせているのだが
今日は　その女性らがおらず
院内は　静かなクラッシクのＢＧＭがゆっくりと流れていて
ときどき　先生の確認の言葉などが聞こえてくる程度だったのだが

突然（笑）
うつぶせになって　治療をうけていたその男性が一言もらした

「小豆アイスが食べたい」

へ？っと　皆一瞬男性のほうを見た
先生が「○○さん（笑）今この瞬間に召し上がりたい？」
とおっしゃったので　皆どっと笑った

どうしても　歳を重ねていくと
力というものがどんどん失われていく
気力　行動力　記憶力　聴力　視力　・・・・
すこしづつ　回りのやっかいものとなっていく
致し方ないことではあると思うし
いずれは我が身である
けれども　なぜか二通りになる
言葉を選ばず表すと
「早く死んでしまえ」か　「かわいい」か
どうせならば　可愛い年寄りとなりたいものである

その男性は　長身なのだが　なにか可愛い
ぽつりともらす　一言や
ちょっとした　行動が　なにか可愛い

「小豆アイス食べたい」
なにゆえ　マッサージ治療中に　そんな言葉を発したのかは
なかなか理解に苦しむところであるが
なんの意図もなく　子供のように率直なその一言が
皆を笑顔にした

　ただ君に　名前を呼んで　もらいたく　かごめかごめと　後ろへまわる

「ちゃんと生きてる」2003/08/12＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜

時間が足りないなぁ
いつも慢性的に思うことである
では、なぜ時間がたりないか？
んー
やらなければと考えたり思ったりしている事項が
持ち合わせている時間を超えてしまっているからだ
では、もし
仕事をしなくても食べていけるとしたら
んー　
食事をとらなくても平気だとしたら
んー
考え方を１８０度かえて
なんでも願った事が瞬時にできるとしたら
つまりは魔法が使えるようになったら
何かを特に　学ぶ事もなくなり
何かを特に　身につけることもなくなり
収入を得る為にあくせく働く事もなくなり
最初の数ヶ月は
物欲や食欲に溺れるだろうが
じきに飽きてしまうだろう

あらゆることを　特にする必要がないということは
生きている必要も無いに等しくなり
それは死に匹敵するのではないか

生きることは　あらゆる必要性に迫られつづけることなのだろう

布団の上でぼんやりと　そうしたくだらないことを考えていると
出来ない事や
まだ読んでない本、
訪れてみたい場所
ささやかな欲やらを持っている私は
ちゃんと生きているらしいことを実感する

　陽の中で　力いっぱい　鳴く蝉に　励まされつつ　夏、仕事する

「メインは」2003/08/13＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜＜

映画を観ようと外出した
完全指定席の映画館だった為
夕方に出たというのに
購入したチケットは１８：３０開演・・・
２時間以上ある
さて・・・と同じ建物内にゲームセンターがある

画面のゲームは自宅でいくらでも出来るので
あまり魅力を感じない
が
なんという名前がついているのだろう
すくったお菓子やら小さな人形やらを
手前に上手く落とすことで
ゲットできるというゲームがある
１回１００円なのだが
なかなかとれない
「まともに買ったほうが安い」
のは重々承知しているが
妙にそそられるものがある
上手くできているなぁと感心しつつ
１２００円くらいつぎ込んでしまった
なにか、江戸時代（かどうか良く知らないが）
つぼふりにすっかり財産をまきあげられてしまう
長屋住まいの　小心者
といった気分である
もしくは
ぜったい手に入れることの出来ない
おいらんにつぎ込んでいる
愚か者といったところだろうか
（笑）
まぁ　そこまで大袈裟なものでもないが
１２００円分あるのかなぁと
キャンディやら小さなプラスチック製の人形やら
ストラップやらをテーブルに並べて
苦笑いしつつ
今日のメインは映画だったよなぁ
と自分に問う夜である

　浴衣着て　帯もどかしく　下駄を履く　はしゃぎたる君　吾せかしたる　

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