慈夢の御気楽ハウス

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戦争を絶滅させる法~長谷川如是閑


『※1981年(昭和56年2月26日『朝日新聞・夕刊』縮刷版より)
《 戦争を絶滅させる法 》~コラム「研究ノート」
 長谷川如是閑は、大正7年、寺内軍閥内閣が大阪朝日新聞に対して行った弾圧がもとで生じた事件のために朝日を退社したのち、
同じく連袂(れんぺい)退社した大山郁夫などと語らって、翌8年2月から雑誌「我等」を創刊したが、
彼はこの雑誌の廃刊に至るまでの十数年間、ほとんど毎号、通算160数回にわたって巻頭言を書き続けた。
 そして昭和4年1月号の巻頭言には、フリッツ・ホルムというコペンハーゲン在住の陸軍大将が起草して各国に配布した、「戦争を絶滅させること受合いの法律案」なるものを紹介している。
 それによると、「戦争行為の開始後又は宣戦布告の効力の生じたる後、十時間以内に次の処置をとるべきこと」
「即ち左の各項に該当する者を最下級の兵卒として召集し、出来るだけ早くこれを最前線に送り、敵の砲火の下に実戦に従わしむべし」という前文に続いて、左の五項が列記されている。
 1.国家の元首。但し君主たると大統領たるとを問わず。尤(もっと)も男子足ること。
 2.国家の元首の男性の親族にして十六歳に達せる者。
 3.総理大臣、及び各国務大臣、並びに次官。
 4.国民によって選出されたる立法部の男性の代議士。但し戦争に反対の投票を為したる者は之(これ)を除く。
 5.キリスト教又は他の寺院の僧正、管長、その他の高僧にして公然戦争に反対せざりし者。
上記の有資格者は、戦争継続中、兵卒として召集さるべきものにして、本人の年齢、健康状態を斟酌(しんしゃく)すべからず。(後略)
 以上に加えて、上記の有資格者の妻、娘、姉妹等は看護婦または使役婦として野戦病院に勤務せしむべし、と付記されている。
 これは確かに名案だが、この法律案を採用させるには、「採用させること受合いの法律案」をホルム大将に起草してもらわねばならぬ、と如是閑は書き添えた。
 まさにそのとおりである。しかし当時はもちろん現在でも、そんな法案はどこの国会でも通過しっこあるまい。
 如是閑だってそのくらいのことは先刻承知のことだったはずだ。にもかかわらず彼がホルム大将の提案をあえて紹介した真意がどこにあったかは明らかである。
 この実現困難な提案の意味するところは、現在の世界の情勢や国内の一部の動きなどを考えると、ますます深まってきているとさえ思われる。
 安川 定男(中央大教授・国文学) 』以上です。

すごい案ですね。国連あたりに誰か提案しませんかね。

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