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2007.07.25
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カテゴリ: 読書
 『ZOO1』 




 実は去年、娘を出産するために入院していた時に読んだ本です(爆)。
 何で感想今頃アップなんだ。
 ま、どのみち1ヶ月遅れの日記をちまちまつけているんだ、ええんちゃう?

 赤い表紙のテリがなんとも言いがたい装丁。
 いや、嫌いなわけでは無いのだけれど・・・。

 さて、短編が5篇。
 1作目、『カザリとヨーコ』

 物語はヨーコの一人称で綴られる。
 美しく明るいカザリとうつむいて陰気で痩せているヨーコ。
 母親の虐待がすさまじい。
 だが、淡々と自分に起きた出来事を語るヨーコ。
 恨みもせずに・・・『夏と花火と私の死体』で死体にされた少女のようだ。
 救い主であるスズキさんのおばあちゃんを失い、妹に追い詰められてついに主人公はネガとポジを入れ替える。(以下ネタばれのため反転)

 うーむ、後味悪い。お産前に読むんじゃなかった・・・。

 続く『SEVEN ROOMS』は、突然なぞの小部屋に幽閉された姉弟の話。
 正体不明の人物が次々に囚われの身の人々を虐殺していく。

 これまた、ラストが無残で実に後味悪い・・・。

 両親のはざまで暮らす男の子の話『So-far そ・ふぁー』。
 幼い男の子が互いが見えない両親の間をとりもって生活している。
 どうしてそうなってしまったかというのがラストで明かされるけれど、これまた人間のおろかな残虐さを現していて後味悪い。

 唯一SF風味の『陽だまりの詩』だけが微笑むことができたかな。


 登場人物の苦痛だけが描かれ、そこからの脱出方法にカタルシスが全然ない!
 なのにどんよりとした重さが無い。
 恐るべき才能だと思う。
 文楽を思い出した。
 現実離れしているゆえに、現実よりも生々しい。
 表情を浮かべない人形が首を傾けただけで、内面の感情が迫力を持って伝わってくるような感じというか。
 曽根崎心中で遊女のお初役の人形が白い足を見せるシーンがあるけれど、どきどきするほどなまめかしい。
 あの感じ。

 すごいとは思うものの、読んだ時期がまったく不適切でした。
 お産直前の妊婦にもっともふさわしくない読書だったかも(笑)。 





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Last updated  2007.08.24 03:21:00
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