■悟空物語■






ひるね

あるところに貧乏なOLがおった。

貧乏トシマOLはネコが大好きじゃったが
狭苦しいアパートに住んでおったため、
そしていかんせん貧乏だったため
ネコを飼おうなどとは思ったこともなかった。

あれは6月、
貧乏OLはちょっぴり広い部屋に引っ越すことになった。

新しいマンションの近くにはビッグなペットショップがあった。

貧乏OLはふらふらとショップに入った。
そこには高額で売られている耳のひっくり返ったトラネコがおった。

「なぜにこのトラネコはこんなに高いのじゃろう?」

貧乏OLはチラ見をして店をあとにした。

7月、
貧乏OLはまたふらふらとペットショップに立ち寄った。
耳のひっくり返ったトラネコはちょっぴりお安く、
そしてちょっぴり大きくなっておった。

「どっからどう見てもトラネコじゃが相変わらず高いのぅ。」

8月半ば、
貧乏OLはまたまたペットショップに立ち寄った。

耳のひっくり返ったトラネコはかなりお安く、
そしてかなりでっかくなっておった。
「大バーゲン」になってしまったのじゃ。

貧乏OLは急に心配になった。

「ワシが飼わずに誰が飼う!!」

それから貧乏OLははたしてワンルームでネコは飼えるものか、
そして反り耳ネコがどんなネコなのか必死で調べた。

友人たちの反応は半々じゃった。
貧乏OLはスーパーおおざっぱなので
とてもネコのめんどうはみれまい、という意見じゃった。
(確かにそうなのじゃ)

しかし会社のおじさんに「家族が増えるなんて良かったね!」と言ってもらえた。

これでココロが決まった。

「GOじゃ~~~~~~!!」

貧乏OLはカードを握りしめペットショップへ走ったのじゃった。


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