GOlaW(裏口)

2005/05/26
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 倫理観が、自分自身への認識が、壊れ、軋みんで音を立てる。
 感情が奔流し、律することもできず。
 その中で事実のみを拾い上げていく主人公。
 ただ見開いた瞳だけが、助けを求める。


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「高柳の言いなりになりたくない」
 言い方を変えれば、『言いなりにならずに済む、そんな微温湯に浸っていたい』。
 そんな自分の甘さが、ずっと他人に苦労を押し付けてきた。
 その事実に、やっと島男は気づくのです。

 そしてようやく、”家族を守るために、力を手に入れる”決意をするのです。
 本当なら、これがスタートのはずだったのに。
 これまでの遅れを取り戻すために、島男は一足飛びに大きな力を手に入れます。

 …身に余る力を。

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 彼は自分の家族を守るために力を得ました。


 上司がいない。誰にも甘えられない立場。裏切りが当たり前の場所。
 そう思い込むことで、彼は自分に”甘え”を禁じるのです。
 …封印した”甘え”の中に、人の弱さを知ることも封印して。

 彼は”甘え”を封じて足掻き続けた挙句、方向性さえ見失います。
 そして唯一つ、高柳から”与えられた方法”を受け入れます。

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 島男は自分を『善人』という型にはめていました。
 それはこれまで、『悪人』と言われる行為をしたことがなく、その行動理由も理解できなかったからです。

 それを高柳は見抜き、第二話で「お前は善人ではない」と言い切っています。

 そして、ようやく高柳が与えた毒が潜伏期間を終えて、島男の心を蝕み始めます。
 彼が信念と信じていたもの―甘え、あるいは自己満足―を、あっという間に呑み込んでいくのです。

「なら、十倍出しましょう」

 そこに、彼のそれまで持っていた感情も、考えも、何も込められていない。

 後に残ったのは人の意志を失った――
――”マネーゲーム”に飲み込まれた、完全なる”傀儡子”。

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 元々、島男の中にあるのは信念に昇華される前の”願望と甘え”だと思っていました。
 そして自分や他人を型にはめて理解するタイプ(今回も『絶対』と言い切る辺り)であり、許容用量も意外と小さいのでは、と推測していました。


 そう思っていたら、本当にあっという間に呑まれてしまいました(汗)。
 予想をいい意味で裏切られたと感じています。

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”チェス盤の上で、『ポーン』が『クイーン』に育った”
 そう思った高柳は、その『クイーン』を自分と同じチェス盤に引き上げます。

 ですが彼はまだ気づいていないのです。
 その『クイーン』は、自分と同じ白ではなく、黒として立ったのだと。

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「麻薬から逃れられるものはいない」
 彼はそう言い切ります。

”…もしそうでなかったら。
 その”中毒性”から逃れて、恩人を救い、親父を越える道があったのだとしたら。”

 それは、自分の選んできた道が間違いだと証明すること。今の自分を否定する事。

 高柳には、それを認めることはできなかったのです。

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 私はずっと”悪役・剛”が見たいと思っていました。
 ですが、今回一つ自覚したことがあります。
 私はそれよりも、”人格が壊れる瞬間”の演技がすきなんだということです。

 これまで草なぎ君の演技で好きなのは『フードファイト』の満だったり、『TEAM』SP2の風見だったり、『僕と彼女と彼女の生きる道』の一話ラストだったり。
 …全部、”どこかが壊れた”瞬間だったんですよね。
 サイトの小説でも、三本(『フードファイト』含む)が、”壊れた”役どころだったりしますし。
 私、ひょっとしてサドなのかな…(滝汗)。

 でも『”過ぎたる力への快感”に怯える』シーンなんて、まさか現代劇で見れるなんて思って無かったです(嬉)。
 むしろSF(例えば映画『スターウォーズ』や、感想を連載している『トリニティ・ブラッド』の主人公)に多いシーンなんですよね。それを現代劇でやっちゃう脚本家とスタッフに感謝です。
 草なぎ君ファンとしてある意味”本望を達した”と感じております(←おいおい)。

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 傍らの彼女に差し出した、助けを求める呟き。
 あるいは――甘え。

 次の瞬間、白い光の奔流に曝され、それはかき消されていく。
 その中に、”善人”島男は呑まれ。

 そして、”消えた”――――。





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Last updated  2005/05/28 04:32:02 PM
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