GOlaW(裏口)

2005/06/16
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「冗談じゃない」
 島男は高柳を見つめる。
 睨み付けるように――あるいは、焦がれるように。
「――助けて欲しいのは――」


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 人の予測を軽々超えていく『恋おち』展開。
 …まさか龍太が(魚でぶん殴るならともかく)「徹ちゃん」呼びする日が来ると、誰が想像していたでしょうか(爆笑)。
 でもこれもまた、”人をフルネーム呼びで挑発していた高柳が、今度は自分が挑発的な呼び方をされる”という螺旋の一つなのかと思います。

 …龍太役の山本さんが「ヒルズの人々にも絡みたい」と言っていましたが、こんな形でその願いが叶うとは思ってなかったでしょうね(笑)。

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 今回は島男、高柳、七海、神谷…と皆に見せ場がありました。
 でも私としては前述の「徹ちゃん」含め、龍太が最大のポイントであったりします。
 この三ヶ月近く、私が島男にずーーーーっと言いたかったことを代弁してくれたからです。
「おまえさ…ほんとにまり子が望んでいること、分かんねぇのか?」
「そんな簡単なこと、なんで分かんないかな」

(そしてこれは、「分かんねぇよ、お前のこと!」という言葉の逆転でもあります)

 第三話あたりで誤魔化されがちですが、実は島男は”他人の本心にとことん鈍い”人間です。第三話でも、まり子と龍太の知恵を借りてようやく気づいたんですもんね。
 自分の本心も自分に都合がいいように誤魔化してしまう、悪癖の持ち主ですから。
 …ごめんなさい、このあたり”島男の責任転嫁能力は『野比のび太』と似ているのでは”と思ってしまいました(…親戚と『ドラえもん』DVD見ていて、凹んだ)。

 でもようやく、まり子の本心を知ることができたようです。
 …本当に妹不幸な兄さんでしたね、これまで(苦笑)。

 でもこれだけでは、まだ方向を定められないんですけどね。

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「僕のこと、皆で笑いものにしようとしているのですか」
 一見、第一話での”無条件に甘えてみせる”島男と真逆の、人を拒絶しまくる島男。
 でも盲目に、”敵意を持っている”と思い込みを貫こうとするところが、島男らしいともいえます。


(分かるまでは、かなり悩み続けましたっけ)

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 虚無状態でありながらも、その思考回路は黒に侵されている島男。
 立ち直り、父親と島男のやり方を認めた高柳。

 一度目の対談。
 まるで捻子が180度回転したように、対極の会話を続けます。

 澄んだ高柳の表情が、迷わずに突き進んでむ島男の様でありました。

 …島男の表情には
『同じように破滅しておいて、何でそんなに一人だけ、穏やかなんだよ!
 俺をこんなにしておいて、俺に苦しみと絶望を押し付けたのはお前だろ!』
 という理不尽な怒りと憎しみが強烈に浮かびあがっていました。

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「あなたの事、『面白い』って言ったの」
 この時、島男は神谷の同じ言葉(第八話)を思い出したのでしょうか。その中に込められた誠意を、思い出したのでしょうか。
『決して、道具として島男を見ていたわけじゃない』
『決して、悪意があって島男をこうしたわけじゃない』
 それは島男が持つ高柳観にひびを入れるのに充分でした。

 そして『龍太が語るまり子の願い』を目の前で再現されます。それは自分がどれだけ大切なものを持ち、どれだけ大切な使命を持っているかを実感させるには十分でした。

 そして「高柳」と「自分」がどれだけ似ているのかを知ります。
 『鬼』だと罵ったはずの高柳が、これだけ愛されるべき人ならば。
 『鬼』になった自分の過去ごと、まり子も愛してくれるのならば。
 自分達は、”幸せになっていい”はずだと、そう悟るのです。

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 高柳と島男の二度目の対話。
「諦める」
 それは、かつて島男が清河堂に言った言葉。あの時の島男のように、潔い表情で。
 そして島男もまた、清河堂と同じく、それを待てといいます。
「冗談じゃない」
『諦めんなよ。俺を引きずり出してくれよ。
 方向を失って、もがいている自分に、あんたの方向性を分けてくれ!』
 そんな叫びが伝わってきます。

 かつて神谷が『高柳に恋におちたようだ』と言ったように。
 島男もまた、焦がれるように、叫ぶのです。

 そしてそんな『助け』を素直に求める島男は、第五話で『許し』を求める島男の姿に戻っていました。
 ”甘え”ることもできずに、絶望に浸っていた青年は、ようやく”螺旋”を一回転させたのです。

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 神谷と宮沢は、かっての『高柳と島男』を連想させます。
 『やりたいことをやれ』『後悔したくないから、やれるだけのことをやる』
 それは、去って行った二人の思いが遺された者に残っていたのと同時に、一つの螺旋の出来事なのでしょうね。

 神谷は社長を目指していました。それはむしろ『敬愛する父親』を超えたいと望む息子のような思いだったと思うのです。

 でも橘社長は『傀儡』でしかなく、政治家に頭を下げ、社員を摘み取ることしかできません。
 そしてここに神谷が残っても取引先を守ることすらできないと悟ります。
 …残された道は、二人を追いかけていくことだったのだと思います。

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 高柳が饅頭を食べたり、フロンティアのメンツが島男の家で働いてみたり、龍太が仕事を手伝いに来たり。
 前半では全く考えられない出来事が起こり続けます。
 …でもこれは”螺旋”の先に近づいてきたのかも知れないなんて、思ってしまいます。
 回り続けてきたことが一点に収束し始め、一同に会したのかもしれません。

 ちなみに、私は既存概念をぶっ壊すような展開は嫌いじゃない(笑)。それこそ島男みたいに”型に嵌めたがる”自分を、ガツンって殴って目を覚まさせてくれるような、そんな爽快かもあります。


 第一話で『ネジ工場という仕事』を否定し、第十話冒頭で『フロンティアとの関わり』を否定した島男。
 でもラストには、この二つを融合させた形に落ち着きます。それは『ネジ工場』と『フロンティア』、二つの島男の”思い込みの型を壊した”姿でもあります。
 でもそれは、”型に嵌めたがる”島男そのものを少しずつ壊してきた象徴でもあると、信じたいです。

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 再び回転が始まる。
 そしてspire(ネジ巻くもの)の先端のように、
Spiral(螺旋)は一点へ収束していく。





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Last updated  2005/06/19 10:42:26 AM
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