GOlaW(裏口)

2007/09/27
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 喪失。
 その対価に人は、代償の存在を求める。


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 まず最初に、繰り返しの予告にも関わらず、何度も感想のUPが遅れて申し訳ありません(陳謝)。
 お待たせしたことをお詫び申し上げます。

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 このドラマを見るのは初めてだったのですが、“ここまで徹底したお馬鹿ドラマも珍しい”というのが第一印象でした。。

『高校生で森のくまさんかよっ!?』
『一般人で写真集作んなっ!?』
『なぜ、エヴァのコスプレ!?』
『このエロホモ保険医がっ!』
…etc.etc.


 そんな『トンでも世界』だからこそ、『主人公が女』という主軸も納まってしまうんですよね。


 何より、
“さんざん笑わせて、最後に落とす(泣き所を持ってくる)”
というのは、松竹新喜劇からの伝統ですよね。

 普段、生徒達がお馬鹿なことばかりして反目ばかりしているからこそ、彼らが一致団結する姿がかっこよかったです。

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 そんな学生たちに対し、狂気を垣間見せる悪役、北浜先生がやってきます。

 稲垣君の北浜役は、ファンにとっても、役者としても、おいしい役柄だったに違いありません。
 狂気と平穏、冷酷と微笑み、その両方を魅せる役どころには、どんどんと惹きこまれました。
 『貞操の危機』という、普通のドラマでは珍しいシーンもありましたし(笑)。怯えながらも、表面上は冷静に断る姿は良かったなぁ(惚)。

 …脇役好き・記憶ネタ好きの本能を刺激するような、とんでもない魅力を秘めていました。
 こんな稲垣君を見れただけでも、幸せかもしれません。

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 時に常軌を逸した行動を取る北浜には、恐れと魅力の両方を掻き立てられました。
 それは、『弟を失った苦しみ』からくる行動です。

 彼は弟を失った苦しみや後悔から抜け出し切れず、弟への思いを生徒に向けます。
 それは心理学でいうところの『防衛機構』といいます。つまり、耐えきれないほどの心の重圧から、自分を守るための自己防衛機能です。
 北浜の場合は『防衛機構』の『代償(求めていたものとは違うものを、代わりとする)』に当たります。


 彼の狂気は、その根本的な理由を指摘されるまで、自分では自覚することができなかったのです。

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 『弟を導かなければ』
 自分の価値観を絶対視してしまうことは、人間にはままあることです。
 そしてその『自分の価値観』を他人に押し付けてしまうことも、ままあります。それは、家族などの自分に近い立場の人間ならなおさらです。

 北浜の悲劇は、『弟の価値観』を認める前に、弟が亡くなってしまったことです。
 その悲しみは最初に、『合理化(満たされなかった欲求に対して、適当な理由を付けて正当化しようとすること)』という防衛機構により、
「弟は、自分の言うことを聞かなかったから死んだのだ」
とすり替えられました。
 そしてそれだけで抑えきれない苦しみは『代償』として、本来ならあり得ない範囲――つまり生徒達――に、『自分の価値観の押しつけ』として向けられることになったのです。

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『間違っている』
 上記二つの理由から、北浜は『自分の価値観を押し付けなければならない』という衝動に駆られています。
 その『自分の価値観』を否定されることは、二つの『防衛機構』を揺さぶることになります。
 つまり「間違っている」という言葉は、彼の苦しみをよみがえらせるのです。

 故にその言葉を聞くことで、彼は苦しみ、その大きな反動から狂気に走ります。
 このときの防衛機構は『投影』、つまり望ましくない自分の感情や考えを他人のものであるとすることです。
 つまり、『間違っている』のは瑞樹であると思い込み、高圧的にでました。


 けれども北浜は、物語後半で『自分の価値観だけが孤立している』という状況に置かれ、逃げ場が無くなります。
 次いで「あなたの弟ではない」という一言で、ようやく自分の心の動きに気付きます。
 そして『正常ではない感情から、暴走していたのでは』と思うようになります。

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『弟の価値観』
 おそらく北浜は、弟の死ぬ前から少しずつ、呆れながらも無意識に『弟の価値観』を認めていたのでしょう。
 その認めようとした想いは、事件の反動により、北浜の心の中に封印されていたのだと思います。

 今回の話で、彼自身の『防衛機構』が崩れ、結果として『自分の価値観への絶対視』が崩れました。
 そのため、『弟の価値観への認識』も、少しずつ復活したのだと思います。

 その認識が、打ち上げライブの演説で完全によみがえり、彼の『合理化』もまた、崩れました。
「弟は、自分なりに考え、生きて、死んだのだ」
 そんな、新しい『合理化』が彼の中で生まれたのだと思います。

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 『人間の心理的な再生』っていうのは、ほんとに好きな話です。
 『悪役の稲垣君が見たい』という願いと、『人が救われる話が好きだ』という思いと、その両方が満たされて、ほんとにうれしかったです。

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 話は変わって。

 脇役好きとしては難波先輩が気になりました。
 …難波先輩が主役のスピンオフ・ドラマが作れるんじゃないかと思うほど、今回の活躍は目を見張りましたから。

「天道(『仮面ライダーカブト』の主人公。同じ役者さん)と、偽天道だ」

 …『カブト』を見ていた人間にとっては、それを思い出さずにいれない演技。懐かしさに、思わずワクワクしちゃいましたから。
 ラストの北浜VS難波に、『稲垣君とカブトの対決』などというものも重ねて見てしまいました。

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 SMAPの悪役を、ファンはきっと待ち望んでいます。
 『主役じゃ絶対できないような黒い魅力』を引き出してくれるゲスト出演なら、いつでも大歓迎です。

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 誰も、自分一人では救われぬ。
 痛みを持って、他人と交わり、傷つくとき――本当の再生が始まる。





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Last updated  2007/09/27 10:35:27 PM
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