GOlaW(裏口)

2008/02/03
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 左手から、ひび割れていく。
 『花屋』という仮面が、壊れていく。
 その下から覗く本性に怯え、彼は娘を抱くのをためらう。


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●『フードファイト』からの宿題

 第三話を観た時の、馬鹿猪の第一感想は、
「み、満ぅぅーーーっ(泣)」
でありました。

 いい加減、『フードファイト』(以下、『FF』)('00 日本テレビ系列ドラマ)から目の前のものを切り離せ、自分(汗)。

 とはいえ、英治と省吾の描写は、やはり『FF』における『満と祐太』の関係に重なるものがあります。
 そして英治が他人を許そうとする姿は、『満』が園児たちに向ける姿勢とまったく同じなのです。

 『FF』では、
“なぜ他人を拒絶し、強烈な飢餓感だけで生きる少年が、子供の全てを許せる大人となったのか”

 『未完の謎』という形の宿題を受け取り、それを補完すべく私も当時はいっぱい悩みました。そしてその私の答えを非公式小説『フードファイト 前哨戦-Boy, Be Lionhearted-』という形にしたりしました。


 『FF』の原作者も、その主題歌『らいおんハート』の作詞も、同じ野島伸司さん。
 ひょっとしたら、野島先生は『FF』で明かされなかった部分の答えを持っているのかもしれません。
 その答えを、このドラマの中に隠しているのかもしれません。

 あっているのでしょうか?
“愛情への飢餓を満たすのは、命がけの、相手への全肯定”
という、私が出した答えは。

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●子供の頃の英治

 『FF』で、満が祐太に過去の自分を重ねたように。
 英治もまた、省吾に過去の自分を重ねます。


 目の前の飢餓を満たすこと、それだけが全て。味なんて、まったく感じることさえない。
>『名もなき戦士』
 生きるために戦うしかない、戦士なのだと。

 『FF』の第一話で満が語る言葉が、蘇りました。
>「そうしてもらった(他人に助けてもらった)ことがない。

 彼はあの小さな体で、常に上や孤独といった恐怖と闘っていた。
 満腹になったとしても、次に食べる保証がないから、常に食べ続ける。
 (中略)
 それが他人のものだったとしても」

 そんな少年の担任である小野先生が持ち出す理論は、『FF』における真奈美のものと同じなんですよね。
 『悪いことは悪い』と教えなくてはいけない…と。

 でも、『FF』でも思ったのです。
 そんな少年たちに先に教えなくてはいけないのは、『物事の善悪』ではなく、『自分の居場所』なのだと。

 英治も『FF』第一話の満とまったく同じように、万引きをした少年を庇い、その物を与えました。

 彼もいつか動き出すのでしょうか。かつて満がしたように。
>『どんなに悪いことをしたとしても、自分には許してくれる人間がいる』 (『FF』第一話より)
と分からせるために。

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●満と英治、最大の違い

 二人の最大の違いは『己の飢餓』を完全に封じているかどうか、という点でしょう。
 満は『優しい自分』が嘘だと割り切り、時にファイトで飢餓を満たしています。
 しかし、英治は『優しい自分』を本当の自分にしたいと願い、過去の自分を恐れています。

 英治はきっと、満同様、誰かを守るだけの力を秘めているのです。

 いつか、彼がその『薔薇の棘』のような力を開放するときが来るかもしれませんね。
 …野島先生だけに、有り得そうで怖い。

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●素直になれない大人たち

>「傷つくから」
 無邪気なだけでは、きっと人は生きていけない。
 自由奔放であることは、時に人を傷つけてしまうこともあるのですから。

 けれど、周りに合わせて自分を飲み込んでばかりでは、いつか自分を出す方法を忘れてしまうのでしょう。

 自分を飲み込み、時に吐き出して。
 そのバランスを取るのは、現代人にとっては実は難しいのかもしれません。

 そんな、自分を吐き出すことを忘れていた女性と。
 自分を吐き出すことを恐れる英治と。

 美桜と英治は、ある意味で似たもの同士なのかもしれませんね。

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●薔薇の、もう一つの意味

 『美女と野獣』、私も観たことがあります。
 この話で重要となるのは、次の三点です。

1)エゴを抱えた野獣が、愛を知ることで人間に戻ること。
2)主人公は、野獣の中の優しさを知り、彼に優しさを思い出させること。
3)野獣が人間に戻れるリミットは、『魔法の薔薇』が散るまで。

 つまり、『薔薇が散る』というイメージは、英治にとって『人間の心を取り戻せなくなる』というイメージにつながるのです。
 ドラマの中で、この物語は他にも重要なポイントになるはずです。

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●雫を強く抱く。

 このシーンはとても大切なシーンだと思います。
 彼は、過去の自分を強く恐れているのです。
 だからこそ、『過去の自分を彷彿とさせる薔薇』を扱うことすらできないのでしょう。

 彼は雫を抱きしめました。それは正確には、雫そのものだけでなく、雫に宿る面影―『彼女』―にすがったのでしょう。
 自分が、再び『薔薇』に戻らないように。

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●院長の、本当の望み

>「ミイラ取りがミイラ」
 それでも構わないと言い切る院長。
 彼は決して愚かではない。そのことを、この瞬間に理解しました。

 多分、『復讐が何も生み出さない』ということも、心のどこかで分かっているんですね。
 それでも復讐に乗り出してしまうのは、きっと『それでも自分の気持ちを整理できない』から。

 彼はたとえ復讐という形でなくとも、『自分の悲しみを昇華する』方法ならば何でもいいのです。

 だから彼は、美桜を英治に近づけたのでしょう。
 美桜がどのように英治に惹かれていくのかを知り、そこから『娘の感情』を知るために。

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● 小野の頬笑み。

 小野先生が美桜を挑発するシーンは、怖かったです。
 美桜が逆上して帰っていくときに、彼女が笑みを浮かべたとき、本気で戦慄しましたからね。

 …小野先生、教師の仮面をかぶっていても、本当は悪い人(汗)?


 心理学でいうところの心の仮面『ペルソナ』は誰もが被っているものです。
 オーナーも小野先生も、皆が『ペルソナ』をかぶっているとしても。

 彼らのペルソナの下の素顔に触れる時も、来るのかもしれませんね。

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『助けてくれ!』
 声にならぬ悲鳴とともに、彼は抱きしめる。

 ――『彼女』の、面影を。





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Last updated  2008/02/03 02:30:00 PM
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