GOlaW(裏口)

2008/04/10
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 変わることの痛みを、二人は互いに共有し合う。

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 最初にレビューがひたすら遅れまくったことをお詫びします。
 4月クールのドラマが始まり始めた頃になってしまいましたが(汗)、『薔薇の無い花屋』の最終回までの感想をお送りします。

 今、自分の予想が外れたことがとても恥ずかしいです(赤面)。
 自信があっただけに、『英治は昔からああだった』という台詞で衝撃を受けています。
 ……だめだ、私ごときでは野島先生の考えていることなど分からないということでしょう(自爆)。

 ただ、この残り二回の主軸は『愛を信じられるようになる』という変化でした。

 シュウと英治、まったく真逆の反応を示す二人の変化が、丁寧に描かれていました。

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★ 二人が抱える『変化の痛み』

 人が――特に大人が――変わることは、非常に難しいことです。 


 これら二つの事に耐えるのは、並大抵ではなく、時には精神のバランスを崩すことさえあるのです。

 シュウが戦慄きながら否定したのも、英治が誕生日の席で逃げ出そうとしたのも、それらに耐えられなかったからです。

 二人が抱える闇――『愛されることを放棄する』――を祓うことは、とても素晴らしいことのように見えます。
 しかし、それさえも、二人には苦痛なのです。

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★ 『変化の痛み』――シュウの場合(娘の存在)

 シュウは最初、変化することを拒みます。
 自分の周りの変化を、“衝撃を怒りに、恐れを軽蔑に置き換える”ことで、凌ごうとするのです。

>「気持ち悪い」
 親子の情をそう切り捨てるシュウ。
 それはむしろ、“彼の中に入り込んだそれを『異物』と認識し、排除しようとする”、心の自衛行為だったと思われます。

 そんな自衛が働く程に、『命がけで子供を産んだ』という事実は、彼の心の中で変化を生み出しているのです。

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 さらに、その『違和感』が入り込む場所から、さらに英治が『英治自身の変化』を通して、変化を促すのです。
 情を信じ、情で動くことを。


 カウンセリングは、その人間が心を開いた相手にこそ、効果があるというけれども。
 シュウは、『変化の苦しみ』を、カウンセラーの役目となった英治に、遠まわしに共有させることを願うのです。
 英治と苦しみを共有することで、彼は『変化の痛み・恐怖』を、一時的に乗り越えるのです。

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 さらに彼は、半ば自棄になって『美桜に父親の意識を呼び戻させる』ことを決意します。
 そして、『一度捨てられてもなお、それでも信じること。一度別れても、それでも逢いに来ること』という想いを、絆を、手術中に聞くことになるのです。
 英治の変化で動揺した心には、美桜の叫びは強烈に響いたことでしょう。

 それらの思いを通じて、シュウは少しずつ変化へと踏み出し始めるのです。

 そして、その変化は、雫の存在とるりのDVDが支えていくでしょう。

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★ 『変化の痛み』――英治の場合(変化の強要)

 英治もまた、変化を強要されます。
『自分を必要とする人間のそばにいるのが、怖い』
 それは、“自分の存在の許容を最初からあきらめ、見返りを求めないことで、自分を保つ”という、彼の生き方。

 でも、それでも『雫の傍』にいたのは、間違いなく『るりへの罪悪感』からでしょう。
 その罪悪感を忘れないために『薔薇(忘れるという意味の花)』を、扱わないようにしていたのかもしれませんね。

 ですが、英治の『自らを削るような許容』を受けることで、多くの人が癒されていたのも事実。

 許容こそ、相手への肯定。
 それによって、相手もまた英治の存在を許容していくのです。

 それは、英治にとっては矛盾した状況であり、その矛盾の中で、自らもまた少しずつ変わっていくのです。

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★ 『変化の痛み』――英治の場合(雫への告白)

 その変化はシュウとの問答の中で、英治の心に具現化していきます。
 そして明確にさらされるのです。
 シュウによる『娘を信じてみろ。試せ』 という言葉に。

 シュウの言葉は、表面的には最低の言葉。しかし『お前も相手の愛情を信じるように変わってみろ』という、今の英治にとって重要なきっかけなのです。
 英治はその時初めて、『本当に残酷なもの全てをぶつけて、全てをむき出して、それでも傍にいられると信じよう』と思えるのですから。
 本当の意味で、自分の思い全てで向き合おうと思ったのですから。

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★ 『変化の痛み』――英治の場合(薔薇を置き始める)

 さらに院長から英治へと更なる赦しが与えられます。
「るりは、本当のことを言っても生んでいただろう」
…と。
 これは私も強くそう思います。

 これらのことから、『るりへの罪悪感を忘れる』=『薔薇を受け入れる』というスタイルへと変わります。
 そして“美桜の存在も自分の傍へ積極的に受け入れる”覚悟ができるのです。
 だからこそ、彼は美桜を迎えに行ったのです。

 そしてさらに、英治は自分の気持ちすべてをぶつけてもなお『娘』から許され。
 直哉という『家族』を手に入れて。

 さらに居場所を確保します。

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★ 『変化の痛み』――英治の場合(誕生日の意味)

 そして誕生日。
 『誕生日を祝う』は、つまり『英治がこの世に存在することを、皆で認め、必要とすること』です。
 気が付くと、彼は多くの人から必要とされていました。

 誕生日の段階で、彼はまだ『自分の存在を許容される』という恐怖に完全には打ち勝っていませんでした。
 その時になって『変わることの痛みと恐れ』が吹き返したのです。

 ですが、その『痛み』を美桜は理解します。
 そのうえで、『あなたはここにいるべきだ』、つまり『あなたは、これを受け入れるように変化する必要がある』と促すのです。


 この誕生日を持って、彼は『変化』を乗り越え、本当の意味で救われたのだと……私はそう思っています。

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★ 美桜の逃走・求められる事の意味

 彼女がなぜ彼のもとから離れたのか、それはなんとなく理解できます。
 彼女は『英治が本当の意味で、自分の居場所を求めていない』ということを悟ります。
 たとえ『自分が居場所を与えても、そこから逃げていくだろう』とも。

 かつて英治は『自分が親を捨てる決意をしなければ、他人が連れ去っても戻っていく』と語りました。
 ならば逆もありえるのではないでしょうか。『自分から求めなければ、自分から去っていく』とも。

 だからこそ、彼女は彼から離れました。
 いつか彼が、『自分から美桜を求める』ように変化することを。

 そして、その瞬間が来たからこそ、戻って行ったのだと

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 見ごたえのあるドラマでした。
 本当に、最後まで行間を読むように見れる、小説のようなドラマだったと思います。

 賛否両論あるでしょうが、自分はこのドラマが好きです。
 出演者の皆さま、スタッフの皆さま、お疲れ様でした。素敵なドラマをありがとうございました。

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 そして、薔薇とともに人々は巡り合っていく。





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Last updated  2008/04/10 11:09:30 PM
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