Individuality

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ヒトが死ぬと

ヒトが死ぬと



ヒトが死ぬ それはとても悲しいこと

残されたヒト達は とてもとても悲しい

例えば 恋人が死ぬ

もうひとりの恋人は 涙が枯れるまで泣き続ける

悲しい気持ちのまま 一生を過ごす

でも 恋人じゃないヒトは そのときだけ悲しいのかもしれない

そのときは 泣く

時間が過ぎると 泣かなくなる

そして 死んだヒトは 忘れられていく

最初から存在しなかったようにさえ 思われる

名前だけが残って 存在の記憶は 薄れていく

死んだヒトは そんなこと望んでいない

時には 恋人が泣くみたいに 思い出して泣いてほしい

時には 仲良く遊んだ友達のように 一緒に遊んでほしい

そう

死んだヒトは ちゃんといたのだ

あの時 友達と一緒に遊んで

あの時 恋人とキスをしてて

あの時 自分と手を繋いでて

あの時 永遠の愛を誓っていたのだ

存在した そのことは絶対

でも いなくなったヒトは 少しずつ 忘れられていく

なぜなら もう いないから

もう 隣にいないから

もう 声がしないから

もう 見えないから・・・

でも 忘れては ダメ

たとえ他のヒトが忘れてきていても

その人と一番近くにいたヒトは

忘れない

その人は 忘れられない

忘れては いけない

なぜなら その人は

いたのだから・・・・・  


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