財産の分別管理


平成16年5月2日再製

財産の分別管理


1.背景  
事件と判決

適正化法施行後(2003年9月26日)に管理会社(東洋ビル管理(株))が倒産してます。 *16年8月29日追記

榮 光 事 件



2.指針(抄)

マンションの管理の適正化に関する指針

ニ マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項
 4 管理組合の経理
  管理組合がその機能を発揮するためには、その経済的基盤が確立されていることが重要である。このため、管理費及び特別修繕費等について必要な費用を徴収するとともに、これらの費目を明確に区分して経理を行い、適正に管理する必要がある。
 また、管理組合の管理者等は、必要な帳票類を作成してこれを保管するとともに、マンションの区分所有者等の請求があった時は、これを速やかに開示することにより、経理の透明性を確保する必要がある。


3.通達   

 平成14年4月24日付け国総動第88号
マンションの管理の適正化の推進に関する法律に基づく財産の分別管理等について



4.適性化法の条文と規則並びに私なりの解説

(財産の分別管理) 法第七十六条  マンション管理業者は、管理組合から委託を受けて管理する修繕積立金その他国土交通省令で定める財産については、整然と管理する方法として国土交通省令で定める方法により、自己の固有財産及び他の管理組合の財産と分別して管理しなければならない。

(財産の分別管理) 規則第八十七条  法第七十六条 の国土交通省令で定める財産は、 管理組合又はマンションの区分所有者等から受領した管理費用に充当するもの とする。

2  法第七十六条 に規定する国土交通省令で定める方法は、修繕積立金等が 金銭の場合にあっては、修繕積立金等金銭を、マンション管理業者が受託契約を締結した管理組合又はその管理者等(以下この条において「管理組合等」という。)を 名義人とする口座 において預貯金として管理する方法 とし、修繕積立金等が有価証券の場合にあっては、金融機関又は証券会社に、当該有価証券(以下この条において「受託有価証券」という。)の保管場所を自己の固有財産及び他の管理組合の財産である有価証券の保管場所と明確に区分させ、かつ、当該受託有価証券が受託契約を締結した管理組合の有価証券であることを判別できる状態で管理させる方法とする。

3  マンション管理業者が保証契約を締結した場合において、当該マンション管理業者が、 収納代行方式(マンション管理業者が、管理組合から委託を受けてマンションの区分所有者等から徴収した修繕積立金等金銭を当該マンション管理業者を名義人とする口座に預入し、当該口座から払出した金銭により管理事務を行うこととする当該修繕積立金等金銭の管理方法をいう。) により修繕積立金等金銭を管理するときは、マンション管理業者がマンションの区分所有者等から当該修繕積立金等を徴収してから一月以内に、当該一月以内の期間に管理事務に要した費用を当該修繕積立金等金銭から控除した残額を、管理組合等を名義人とする口座に移し換えるときに限り、前項の規定は適用しない。

4  マンション管理業者は、修繕積立金等金銭を管理する場合において、当該修繕積立金等金銭を管理するための管理組合等を名義人とする 預貯金通帳と当該預貯金通帳に係る管理組合等の印鑑を 同時に管理してはならない。 ただし、管理組合に管理者等が置かれていない場合において、管理者等が選任されるまでの比較的短い期間に限り、当該管理組合の預貯金通帳と当該預貯金通帳に係る印鑑を同時に保管する場合は、この限りでない。

5  マンション管理業者が保証契約を締結した場合において、当該マンション管理業者が、 支払一任代行方式(管理組合等がマンションの区分所有者等から徴収した修繕積立金等金銭を管理組合等を名義人とする口座に預入し、マンション管理業者が管理組合から委託を受けて当該口座から払出した金銭により管理事務を行うこととする当該修繕積立金等金銭の管理方式をいう。) により当該修繕積立金等金銭を管理するときは、管理組合等がマンションの区分所有者等から当該修繕積立金等を徴収してから一月以内に、このうち修繕積立金を、当該管理組合等を名義人とする修繕積立金を管理するための別の口座に移し換えるときに限り、前項の規定は適用しない。

6  マンション管理業者は、受託有価証券を管理する場合にあっては、受託有価証券の預り証を保管してはならない。ただし、管理組合に管理者等が置かれていない場合において、管理者等が選任されるまでの比較的短い期間に限り保管する場合は、この限りでない。


施行規則
第87条第1項
 法76条の国土交通省令で定める財産は、管理組合又はマンションの区分所有者等から受領した管理費用に充当するもの とする。

第87条第2項(預貯金の名義)

原則方式  預貯金の口座名義は○○マンション管理組合 理事長○○○○

    第3項 第2項の例外
        マンション管理業者が保証契約を締結した場合で収納代行
      方式で管理組合の財産を管理し、徴収してから1月以内に残金
      を管理組合等を名義人とする管理費残金保管口座・修繕積立
      金保管口座に移し換える時に限り、収納口座名義は、管理組
      合名義でなく、マンション管理業者名義又はファイナンス会
      社名義とできる。

収納代行方式とは
  マンション管理業者を名義人とする口座に預入し、当該口座から払
  出した金銭により管理事務を行う金銭の管理方法です。


第87条第4項(通帳と印鑑の同時保管禁止)

原則方式  マンション管理業者は、管理組合等を名義人とする預貯金
      通帳と、その通帳に係る管理組合等の印鑑を同時に保管し
      てはならない。

     第5項 第4項の例外
         マンション管理業者が保証契約を締結した場合で支払
         一任代行方式で管理組合の財産を管理し、徴収してから
         1月以内にこの内の修繕積立金を収納口座とは別の管理
         組合等を名義人とする修繕積立金口座に移し換える時
         に限り、マンション管理業者は、管理組合名義の収納
         口座の預貯金通帳と印鑑を同時保管できる。

支払一任代行方式とは
  管理組合等を名義人とする口座に預入し、当該口座から払出した
  金銭により管理事務を行う金銭の管理方法です。

指定の保証契約締結先  社団法人高層住宅管理業協会

       (参考)マンション管理センター通信第199号

5.まとめ

施行規則
第87条第1項、第2項、第4項適用(第3項、第5項適用なし)の場合

原則方式 収納口座・修繕積立金口座とも管理組合名義であり、
     通帳・印鑑のいずれか(両方でもよい)を管理組合が
     保管する。

施行規則
第87条第1項、第2項、第3項、第4項適用(第5項適用なし)の場合

収納代行方式
   (1)管理会社又ファイナンス会社名義の口座へ入金
   (2)1月内に管理組合名義の管理費残金保管口座・修繕積立金
      口座に移し換える。

  収納口座         保管口座

 管理会社名義      管理費残金保管口座の通帳と印鑑
 の通帳と印鑑   ⇒    (名義は管理組合)
                積立金口座の通帳と印鑑
                (名義は管組組合)
                通帳・印鑑のいずれか(両方でもよい)を
                 管理組合が保管する。


施行規則
第87条第1項、第2項、第4項、第5項適用(第3項適用なし)の場合

支払一任代行方式
   (1)管理組合名義の収納口座へ入金
   (2)1月内に管理組合名義の修繕積立金口座に
    移し管える。

  収納口座          保管口座

管理組合名義        修繕積立金口座の通帳と印鑑
の通帳と印鑑      ⇒   (名義は管理組合)

両方を管理会社保管    通帳・印鑑のいずれか(両方でもよい)を
                 管理組合が保管する。

6.適性化へ向けて

唯一の通帳の名義が管理会社の場合
 収納代行方式ならば、管理費残金保管口座及び修繕積立金口座を
 管理組合名義で開設し、それらの通帳と印鑑のどちらか又は両方
 を管理組合で保管する。


唯一の管理組合名義の通帳・印鑑を管理会社が持ってる場合
 支払一任代行方式ならば、修繕積立金口座を開設し、その通帳と
 印鑑のどちらか又は両方を管理組合で保管する。


7.管理組合役員様へ
 たとえ、管理組合が認めたとしても管理組合名義の通帳と印鑑の
 両方を管理会社で預かることはできません。
(支払一任代行方式の管理組合名義の収納口座の通帳・印鑑を除きます。)

    以下の罰則規定があります。

第82条(業務停止命令)
 国土交通大臣は、マンション管理業者が次の各号のいずれかに
該当するときは、当該マンション管理業者に対し、1年以内の期
間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができ
る。

   第76条違反は第82条に該当します。


       まだまだ、勉強。


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