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焼酎アドバイザーですが、ワインもウイスキーも売ってます。先日、お客様から「これブショネだと思うんだけど」とのお問い合わせがありました。モノはブルゴーニュのAC(アペラシオン=原産地統制名称)ポマール1996年で……とのことで、ふと思い出したのが『肉体の悪魔』という古い映画。レイモン・ラディゲ原作の小説をジェラール・フィリップ主演で製作された作品。ものすごく掻い摘んで言えば、人妻が旦那の留守中にジェラール扮するハンサムな学生と不倫して別れるというストーリー。その中で、ヒロインの人妻が学生とレストランで食事をします。そこで彼女はポマール1906年ヴィンテージを飲んで、「これはブショネだわ」といい、ソムリエやディレクト―ルを巻き込んでの騒動に。ソムリエ達は「これは健全なワインだ」と主張するも、彼女は頑として譲らず、結局はワインを取り替えておさまります。が、映画の後半で、人妻は学生と別れたあとレストランで「あの時のワインは実はブショネではなかったの」と告白。ソムリエにしてみたら「オラァ(怒)」と怒鳴りたくもなる話なのですが、ポマールといえば、この話を思い浮かべる方もおられるハズ。余談はさておき。さっそく商品をお持ち下さって、確認したところ、色はうすくちしょうゆみたいで香りもかなりひねた感じ。「うーん。これは……」と、『肉体の悪魔』の話を持ち出すまでもなく、別の銘柄のワインに交換させて頂くことに。ところで。「ブショネ」はワインの欠陥をさす言葉としてよく聞くと思いますが、語源はフランス語Bouchon=コルクなど瓶口を塞ぐ栓から来ています。そもそもは「バクテリアに汚染された状態のワイン」のことを指し、通常コルクの汚染が原因とされています。専門家の言葉で「TCA(トリクロロアニソール)臭がする」などとも言いますが。中には、稀にワインの熟成段階で使用する木樽が原因となる場合もあるようですが、コルクというのは自然の植物ですので、そこには目に見えない菌が存在しており、その中に悪性の菌が存在していた場合、ボトル内である種の化学変化が起こりワインの質を変えてしまうのです。ブショネのワインと一口に言っても、汚染の度合いには差があるようで、「ほんの少しコルクっぽい臭い」の程度から「もうこれはワインと思えない」の段階まで様々です。特徴的な臭いの表現としては、「雑巾を陰干しした感じ」がぴったりするような気がします。あまり嗅いでいたい香りじゃありませんけども。ただ、そこまではっきりわかるのは重症の場合で、「そこまでひどくはないけど、ワインにコルクの臭いが付いている気がする、これってブショネ?」と、はっきり断言できないような場合は、まずグラスに注がれたワインをしばらくそのままにしておいて下さい。そして何度かグラスを回しワインに空気を含ませます。その後更に数分待ってから再びワインの香りを確認して下さい。ブショネのワインであれば、最初のときよりも更に臭いが悪化しているはずです。ワインの汚染にはもう一つあります。「酸化」です。「酸化(オキシタイズ)」とは、酸素または高温に長時間さらされたことなどにより、ワインから「果実味などの新鮮な風味が失われた状態」のことを言います。保管または輸送段階における問題が原因となることが多く、例えばコルクやキャップシールの緩みなどにより、隙間からボトル内に酸素が入り込むなどした場合、または何らかの理由でワインが高温にさらされてしまった場合などが酸化の主な原因となります。香りは酸っぱかったり、ひねた感じだったりしますので、ブショネとは違うことはわかりやすいと思います。敢えて古風な造りをするドメーヌのワインには、この「酸化臭」をつけたものさえあります。マディラワインを飲まれる方は、マディラの香りが「酸化臭」そのものなのです。人工的に熱を通して酸化させているのがシェリーやマディラなのです。さて……感の鋭い皆様には、もうおわかり頂けたかと思われますが。お客様がお持ちになったポマールは「ブショネ」ではなく「酸化」だったのです。敢えてその時、私は言い換えることはしませんでした。やはり「ワインの劣化=ブショネ」と使っておられる方も多く、その誤解を解くのは困難です。だからといって、説明しないでいいというわけにもいきませんが。そうなると、バーやレストランを一軒一軒全国行脚して「ちょっと待ったあ!それはブショネではありませんよ」と、さすらいのヒーローのごとく押し売り的な正義をかざし続けねばならないような気がします……。ポマールは非常にフルーティかつ力強いブルゴーニュワインです。コート・ド・ニュイ地区では最も男性的であるといわれ、根強い人気を持つワインですので、いちどお試し下さいませ。リーズナブルな価格のものも多いですし、和食にも適しています。最後に。焼酎だって「酸化」します。とくに光に弱く、香りがすぐにダメになってしまいますので、直射日光は避けて下さいませ。それでは、今日も良きお酒に出会えますように。
2012年04月04日
今年は桜が遅れてますね。お花見の段取りもちょっと狂ってしまったなあ……という周囲のぼやきも聞こえるこのごろです。でも、まだ今からでも準備に間に合うぞ!と、前向きに考えましょう。そこで手っ取り早く、お花見向きのお酒をラインナップしてみました。麦焼酎「てぃあら」ほんのり桜色をしてます。きれいでしょ。桜の木桶で熟成させた麦焼酎は本格派というだけではなく、桜の香りが楽しめます。ロックで楽しむのもいいですが、シンプルにソーダで割って酎ハイにして楽しむもよし、です。シレーニ・ロゼ ニュージーランド・ホークスベイロゼワインは数あれど、最近の注目株はNZ。なかでも赤ワインの原材料となるシラーズ(シラー)を使ったコクのあるスパイシーなロゼは、ロゼの甘ったるさが苦手で、と仰る方にもおススメです。和食にも合いますよ。ヴィタ・カベルネフラン アイスワイン辛口が苦手な方には、ぜひ「飲む宝石」アイスワインを。こちらはとっても豊かなベリー系の香りと濃厚でいて後味さわやか。デザートにもぴったりです。厳しい寒さの下で摘まれるブドウから生まれたロゼ色の液体は、まるで春の女神のように穏やかな風味です。子宝「山形もも・さくらんぼリキュール」山形・楯の川酒造さんの子宝シリーズ。ももの甘さとさくらんぼの甘酸っぱさがうまくとけあってます。こちらもデザート代わりに如何でしょうか。さまざまなピンク色のお酒は、見ているだけで楽しそうで、どんな味かな?と期待が膨らみますね。今年の桜の満開にも期待しましょうか。
2012年04月03日
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