穏やかな爆弾

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Jul 14, 2004
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カテゴリ: 犬のいる生活
※ 連作です。前日の日記を読んでない方は こちら



第三章・全力疾走

・・・飴が走ってくれません。

あっちの繁み。こっちの繁みを渡り歩きながら
あっちでわふわふ♪
こっちでわふわふ♪

わざわざ、母が遠方まで歩いていって飴を呼んでも
いつも「取って来い遊び」をしているラグビーボールを

やっぱり、芝生の上でわふわふわふわふ♪

なんか手ごろな所で満足している感じです。

折角、思いっきり走ることの出来る公園に連れてきたのに
これでは本末転倒。
しかしながら・・初めて別の世界を見たわけだから
往々にしてこんな感じなのかな?と思い直し
僕は、飴の面倒を両親に任せると
公園のど真ん中に、鎮座ましましてる
どデカイ遊具へ向かうことにしました。

この遊具。
三階建てのビルくらいの、度を越えた規模なのですが

なんだか海賊船を彷彿とします。
見てるだけで、男心の根底を揺さぶる感じ。
さすがにいい年こいてるので、登って鬨の声を上げるって訳には行きませんが
膝元で見上げるくらいは許されるでしょう。
飴が来てからの一ヶ月。

木製遊具まで向かいました。

「行ったぞ~!」

不意に背中にかかる父の声。
振り返ってみると、コーギースマイルを浮かべながら
でべでべと走ってくる飴の姿が・・。
もともと動いてるものを追う習性がある牧羊犬の
血が騒いだのでしょうか?
それとも、この環境に慣れてしまったのか?
理由は、定かではありませんが
一生懸命に走りながら、飴は僕の元へと駆けて来てくれています。

イギリスには

『コーギーは背中に妖精を乗せて、野山を駆け巡る』と言う
なんともロマンチックな伝説があるそうです。

さすがに、飴の背中に妖精を見つけるほど
僕は気が狂ってはいませんでしたが
やはり、力の限り駆け回る動物の姿は、何処をとっても美しい。

ああ・・この姿が僕は見たかったんだ。

よしこうなったら!飴!競争だ!!

くるっと踵を返して、僕も走り出しました。
さすがに、犬の脚力に適うとは思ってませんでしたけど
相手は子犬で、走るのには慣れていないはず。
結構いい勝負するのではないかと、全力疾走を決め込みました。

「これでも、高校の頃は50m走6秒台だったんだ!
 産まれたばかりの、犬畜生などに負けてたまるか~!!」

いくら三十路で、体力が著しく減少傾向にある僕でも
子犬の脚力は上回っているのか
背後から、飴が近づく気配はありません。

絶対的勝利です。

ここは、飼い主の威厳を見せ付けるために
少しばかり余裕をかまして見ましょう。

「うふふふ・・私が欲しいなら捕まえてごら~ん♪」

・・と振り返ると



飴は、既に僕に興味を失っていたのか

遥か彼方で、楽しそうに両親と遊んでました。

ぜーぜーと息を切らせながら、がっくりうなだれる

三十路の夏。



 第四章・おねむの時間



泣きそうになりながら、飴の元に戻り
遊んでやると言うよりは、遊ばれてる感ありありの
追いかけっこを暫く続けていましたが
不意に飴は、ごろりと寝転がると・・

ウトウト・・。

ウトウト・・。

そうでした・・。

彼は、遊び疲れると、即時に眠る性癖の持ち主なのでした。

「うぉい!飴!こんな所で寝るな~!」

何度も言いますが・・東京ドーム二個分の敷地面積を誇る公園。
体重が一月で7キロにも成長して
ちょっとしたダンベルくらいの重さになった飴の体を抱えて
トボトボ歩くのは、非常にめんどくさい状況です。

ふらふらとした足取りの飴に、決起を促し
大急ぎで車に戻ることにしました。

再び、移動用のケージに飴を押し込もうとすると
飴は帰りたくないのか、そこらの匂いをフンフン嗅いでは
お茶を濁し始めます。
しかし、散々走り回って体力を使い果たした飴の
逆戻りには精彩を欠き
暫く歩くと、ごろんと横たわりウトウト・・。

じゃあ帰ろうと、リードを引っ張ると
「まだ・・来たばかりだよ」と言わんばかりに
踵を返し再び公園の方へ・・。

遊びたいのか。寝たいのか。

・・はっきりしろ・・飴よ。



 エピローグ



結局、もう限界だろうと判断した僕らは
必死に睡魔と戦いながら、ケージに入るのを拒む飴を
抱っこして帰路に着きました。
こうして、記念すべき飴の初散歩は幕を閉じたのです。

外でトイレをしてくれない。
開放された飴が捕まらない。
など・・結構、問題点も露見した初散歩ではありましたが
それでも、新たな飴の表情を沢山見れて、僕的には満足でした。

まだまだ。子供。

さて・・飴よ。これからも一緒に社会勉強していこうな。




追伸

日暮れを待って、飴の散歩・ご近所編を実行すべく
リード片手に飴のいるリビングに行くと・・
身支度をして、散歩に行く気満々の母の姿が。

「・・・散歩、連れて行きたいの?」

「・・・うん。」

最近、何かにつけて「腰が痛い~腰が痛い~」とのたまってる母。
なぜ、飴の散歩になると元気になるのだ?
あなたは?





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Last updated  Jul 14, 2004 06:36:23 PM コメント(16) | コメントを書く


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