アスタ・ルエゴ~さよなら月の猫~

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鬱の土壌その3



高校生の頃のある春休み。仕事が非番の父とTVドラマの再放送を観ていた。
ドラマは『金八先生』。15歳の妊娠だった。大ヒットドラマだったが、本放送の頃は学習塾があったので、観た事がなかった。
杉田かおるさんが演じるヒロインが、家族に妊娠した事を責められるシーン。

父は私に、笑いかけるように言った。
「もし、お前が同じ事したら、どうするだろうな?お母さんだったら、お前を殺して自分も死ぬだろうな。」
「ふぅ~ん・・・。」
返事のしようがなかった。ただその時、ぼんやりとした恐怖を我が親に感じた。

それは
「お父さんお母さん、貴方は、私が不良品だったら、殺してもいいと思っているんですね。」
というものだった。
当時の私は、むしろダサイ娘で、彼氏も無く、性経験もなかったのだが・・・。

親から見て、よい子じゃないと殺される・・・・・・。

親に心配をかけたくないという気持ちはある。しかし、度を過ぎた心配は「疑い」に見えてきてしまう。信用されてないんだという思いに変わる。

私は、いつまで親の所有物で居なくてはいけないのだろうか?



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