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Beauty Source キレイの魔法
PS 1000pieces 101-
踏みしだかれて
なにごともなく
散るにまかせ
折れるにまかせ
隔靴に触れて
落花の優をみる
「花のみな 散りてののちぞ 山里の はらはぬ庭は 見るべかりける」2011.04.08
☆102
花の季節を待ちわびた
こぞの狂騒を思いやる
散りぬればこその 色なれど
とわねばならぬ この春の時 まずは身にせよ
「ふるさとは 花こそいとど しのばるれ 散りぬるのちは とふ人もなし」2011.04.15
☆103
吹く風を 誰が憂うというの
薄紅に 道を染めても もはや
踏むもののいないこの場所を
吹く風を 憂いたこぞの
のどけさを
みるひともなき あの場所に立ちて
吹く風を 憂えるほどの
のどけさよ
こぞの心地が いま
いとおしき
「吹く風を なこその関と 思へども 道もせに散る 山ざくらかな」2011.04.18
☆104
いまだのこるのは 花の色
雪の白
野に刷かれた花の色
雪の白のごとく
山野に刷かれし花のいろ
雪かと見える儚さなれど
冷たき頬に紅さすごとく
そは小さな灯りとなりて
「したさゆる 氷室の山の おそざくら 消えのこりける 雪かとぞ見る」2011.04.25
☆105
神聖 栄 美しさ
さかえきたりて おわりあり
ひかりみたりて さびしかり
はなはさけども ちりつみて
のにたつものが ひとりあり
さかえきたりて おわりあり
ひかりみつれど さびしかり
はなひらきても ちりつみて
たちすくむもの ひとりあり
「鏡山 ひかりは花の みせければ ちりつみてこそ さびしかりけれ」2011.04.27
☆106
こころ漂い 幾たびも
寄せられ 還されて
ゆきつきし 春のみさき
そのかぐわしさ
いぶせき身をも はや
わすれさせ なぜ立ち上がらぬと 我に問う
「心なき 我が身なれども 津の国の 難波の春に たへずもあるかな」2011.04.28
☆107
そのおとを 聴いたか聴かぬか
われもわれもと競い 耳すませ
かしましきほどに こえ届けば
こころは はや つぎに応じて
「思ふこと 千枝にやしげき よぶこ鳥 信太の杜の かたに鳴くなり」2011.05.06
☆108
草のしとねに 身をおく我に
青き香を 聞き分けて君
まず触れし花を 持てかえり
白き手にのせて
「こよひ寝て 摘みて帰らん すみれ咲く 小野の芝生は 露しげくとも」2011.05.10
☆109
花の主を
誰にせん 誰にせん
今宵ばかりの
標つけたとて
花の主は
誰にせん 誰にせん
「きぎすなく 岩田の小野の つぼすみれ しめさすばかり なりにけるかな」2012.04.24
☆110
春のかたみは
花もて帰らむ
恋のかたみに
君みて忘れむ
「道とをみ 入野の原の つぼすみれ 春のかたみに 摘みてかへらむ」2012.04.24
☆111
つぎはつぎ
さく花々に
春をわすれ
つぎはつぎ
さく色々に
今をわすれ
「春ふかみ 井手の河水 かげそはば いくへか見へむ やまぶきのはな」2020.04.20
☆112
花はさけども
いまはまだ
春になれども
いまはまだ
「山吹の 花さきにけり 川づなく 井手の里人 いまやとはまし」2020.04.20
☆113
閉ざされてても
花はさく咲く
陽をめざしつつ
花はさく咲く
「九重に 八重山吹を うつしては 井手のかはづの 心をぞくむ」2020.04.20
☆114
けざやかな
はなのいろ
そこにすむ
はなのいろ
「吉野川 岸のやまぶき 咲きぬれば そこにぞふかき いろはみえける」2020.04.20
☆115
たゆたうみずは
なにもいわずに
はなうつすまま
なにもいわずに
「くちなしの 色にぞすめる 山ぶきの 花のしたゆく 井手の河水」2020.05.02
☆116
はるめぐりても
はなはかわらず
としめぐりても
ぼくはかわらず
「いかなれば 春をかさねて 見つれども 八重にのみさく 山ぶきのはな」2020.05.02
☆117
かわずなくなく
はなのうつりに
ぼくもなくなく
ときのうつりを
「山吹の 花のつまとは 聞かねども うつろふなべに なくかはづかな」2020.05.02
☆118
しるとしらぬの
さかいめのごと
べにがふじへと
そめかわるごと
「いづかたに にほひますらん 藤の花 春と夏との 岸をへだてて」2013.04.27
☆119
ひかるきみにも
架かるむらさき
いくえにいのる
咲けるうすべに
「九重に 咲けるを見れば 藤の花 こきむらさきの 雲ぞ立ちける」2013.04.27
☆120
いろはこくとも
かわらぬものかは
としはふれども
たのめるものかは
「年ふれど かはらぬ松を たのみてや かかりそめけむ 池の藤波」2013.04.27
☆121
ひとはあやまたず
不自己のかなしみ
ひとはまぎれなく
非自己のよろこび
「我もまた 春とともにや かへらまし あすばかりをば こゝにくらして」
2013.04.27
☆122
いまのさかりは
どこへゆくのか
いまのはかいは
どこへゆくのか
「花は根に 鳥はふるすに 返なり 春のとまりを 知る人ぞなき」20231019
☆123
またあえるなんて
おもいもしないで
またみれるなんて
しることもなくて
「命あらば またもあひなむ 春なれど しのびがたくて くらすけふかな」20231019
☆124
ここをすぎれば
まためぐるとき
ここにすぎれば
つぎめぐるとき
「ながむれば 思ひやるべき かたぞなき 春のかぎりの ゆふぐれの空」20231019
☆125
すでにそこには
いられぬものを
おわりゆくとは
わからぬものを
「暮れてゆく 春はのこりも なき物を をしむ心の つきせざるらむ」20231026
☆126
うつりゆくから
うつくしいのは
かくれゆくから
ひかりさすのは
「入り日さす 山のはさえぞ うらめしき 暮れずば春の かへらましやは」20231026
☆127
はるのつきるひ
ぼくのそばには
あきのつきるひ
わがみをだいて
「いくかへり けふにはわが身 あひぬらむ をしきは春の すぐるのみかは」20231026
☆128
みないでるから
いきてられるの
はなをみてれば
いきてられるの
「身のうさも 花見しほどは わすられき 春のわかれを なげくのみかは」20231026
☆129
はなはいつでも
さいているのに
おしめばそこに
みちはあるのに
「いづかたと 春のゆくえは しらねども をしむ心の さきにたつかな」20231111
☆130
はなをおいつつ
きたへむかえば
きみをおいつつ
にしへむかえば
「もろともに おなじ都は いでしかど ついにも春は わかれぬるかな」20231111
☆131
はなのゆくえを
ひとりたずねて
そこにあるのに
ひとりたずねて
「花はみな よその嵐に さそはれて ひとりや春の けふはゆくらむ」20231111
☆132
はなさくはなは
なにもてしれる
はなちるはなの
なにもてしれる
「花の春 かさなるかひぞ なかりける 散らぬ日数の そはばこそあらめ」20231111
☆133
なみにいつでも
あらえるものなら
なみにこの恋
あらえるものなら
「をしめども かひもなぎさに 春暮れて 波とともにぞ たちわかれぬる」20231125
☆134
はるのつくるひ
おしみてまどう
はるはつくれど
いまだつきぬみ
「つねよりも けふの暮るるを をしむ哉 いまいくたびの 春と知らねば」20231125
☆135
はなつきるひに
はるをおもひて
はるつきるひは
はなをおしみて
「けふ暮れぬ 花のちりしも かくぞありし ふたたび春は ものを思ふよ」20231125
☆136
花の名残も 夜雨にさらわれ
水含む枝は はや優をわすれ
夏の勢を眺めやるのは
たしか春にいたわたし
「なつごろも 花のたもとに ぬぎかへて 春のかたみも とまらざりけり」2011.05.31
☆137
あつかろう さむかろう も
これよりときめて いまは夏
言葉ひとつで かわるなら
きせつさえも 呼べるなら
「けさかふる 蝉の羽ごろも きてみれば たもとに夏は たつにぞありける」2011.06.03
☆138
すべては気分
伝染る気分
あきも別れも
うゐも恋も
「あかでゆく 春のわかれに いにしへの 人やう月と いひはじめけむ」2013.05.17
☆139
近づいてみれば
花としれるから
遠きよりみれば
恋にできるから
「むらむらに 咲けるかきねの 卯花は 木のまの月の 心ちこそすれ」2013.05.27
☆140
白きはなもて
明く照らすよ
きよき君もて
こころ騒ぐよ
「夕月夜 ほのめくかげも 卯花の 咲けるわたりは さやけかりかり」2013.05.27
☆141
露をつないで
川になるなら
君をむかえて
光りそえれば
「玉川と をとにきゝしは 卯の花を 露のかざれる 名にこそありけれ」2013.05.27
☆142
しろきみなもに
そのゆびそえて
しろきみなもに
そのてしずめて
「見ですぐる 人しなければ 卯花の 咲けるかきねや しらかはのせき」2015.05.14
☆143
だれもしらない
あなたしだいに
どこにふるのか
だれもしらない
わたししだいで
どこにふるのか
「卯花の よそめなりけり 山ざとの かきねばかりに ふれる白雪」2015.05.14
☆144
ちかづいてみれば
はなさくそのかも
とおくにおければ
はなさくそのかも
「卯の花の かきねとのみや 思はまし しづのふせやに けぶりたたずは」2015.05.14
☆145
わすれてるまに
おいしげるもの
わずかなときに
うばわれるもの
「やきすてし ふる野の小野の まくず原 たままくばかり なりにける哉」2018.06.22
☆146
ちいさなぼくの
かげをうつして
ちいさなぼくは
かみをうつして
「あふひ草 てる日は神の 心かは かげさすかたに まづなびくらん」2018.06.22
☆147
つかえし日々の
しずけさをまた
よなれし日々を
かさねてもまた
「神山の ふもとになれし あふひ草 ひきわかれても 年ぞへにける」2018.06.22
☆148
ながながしき
このよるもおわり
まざまざしき
なつのひのはしる
「郭公 まつはひさしき 夏の夜を 寝ぬに明けぬと たれかいひけむ」2015.05.29
☆149
つぎつぎと
わすれさるとは
しりながら
つぎつぎと
あくたになると
しりながら
「ふた声と 聞かでややまむ ほとゝぎす 待つに寝ぬ夜の 数はつもりて」2015.05.29
☆150
こころごころに
きこえるおとの
こころごころに
のこるいろめの
「ほとゝぎす しのぶるころは 山びこの こたふる声も ほのかにぞする」2015.05.29
☆151
いまはそこには
いないのに
いずれとまてど
いないのに
「あやしきは 待つ人からか ほととぎす なかぬにさへも ぬるる袖かな」2019.05.25
☆152
まつのをやめて
はいるものとは
えるのをやめて
はいるものとは
「ねざめする たもとに聞けば ほととぎす つらき人をも 待つべかりけり」2019.05.25
☆153
そうはこないと
わかっていても
にどとはないと
かんじていても
「郭公 またもやなくと 待たれつつ 聞く夜しもこそ 寝られざりけれ」2019.05.25
☆154
まってきこえる
はつねのときと
おのずときける
はつねのときと
「待たで聞く 人にとはばや ほととぎす さても初音や うれしかるらむ」2019.05.25
☆155
あてにして
待ちこがれる身の
あてにせず
待たれもせぬ身の
「たづねても 聞くべきものを ほととぎす 人だのめなる 夜半の一声」2019.06.04
☆156
初音きかせよと
待ってはみても
初音のむすびに
触れてはみても
「思ひやる 心もつきぬ ほととぎす 雲のいくへの ほかになくらむ」2019.06.04
☆157
ここに此処にと
なき続けるのは
いまもここにと
舞い続けるのは
「ほととぎす なほはつ声を しのぶ山 夕ゐる雲の そこになくなり」2019.06.04
☆158
ぼくはいつでも
みあげていたけど
ぼくはいつでも
しらずにいたけど
「風越を 夕こゑくれば ほととぎす ふもとの雲の そこになくなり」2019.06.04
☆159
おとはいつでも
あなたのそばに
こえはなんども
わたしのみみに
「一声は さやかになきて ほととぎす 雲路はるかに とをざかるなり」2019.07.13
☆160
こまくふるわす
おととしてきき
こころふるわす
こえとしてきき
「思ふ事 なき身なりせば 郭公 夢に聞く夜も あらましものを」2019.07.13
☆161
まつ音をきき
みたものは月
まつ音をきき
凪いだものは
「郭公 なきつるかたを ながむれば ただ有明の 月ぞのこれる」2019.07.13
☆162
いまもかつての
こえといるのに
いまいなくとも
きみといるのに
「なごりなく すぎぬなるかな 郭公 去年かたらひし 宿と知らずや」2019.07.13
☆163
しずかにくれゆく
いろをみつめて
ほのかにきえゆく
おとをみつめて
「夕月夜 いるさの山の 木がくれに ほのかになのる ほととぎすかな」2019.08.01
☆164
どっちみたって
なんにもないの
どっちみたって
きみはいないよ
「ほととぎす 聞きもわかれぬ 一声に よもの空をも ながめつるかな」2019.08.01
☆165
たしかにみたよな
かたちはなけれど
たしかにいたよな
ゆめみはなけれど
「すぎぬるか 夜半のねざめの 郭公 声はまくらに ある心地して」2019.08.01
☆166
まためぐると
おもえるのは
にどはないと
てばなすのは
「夜をかさね ねぬよりほかに ほととぎす いかに待ちてか ふた声はなく」2019.08.01
☆167
待つなど 造作もないことと
きやすく 始めてみてみれば
何とまあ 心ならず時は過ぎ
夜になき 空に散り地に降る
声などきかず また時は過ぎ
「心をぞ つくしはてつる ほととぎす ほのめく宵の むら雨の空」2011.06.07
☆168
町を追われて 身横たえる地に
なつかしき香 なじみの色みて
ひと時の宿り 一夢むすぶ腕に
あてなき草の あとをうつして
「宮こ人 引きなつくしそ あやめ草 かりねのとこの 枕ばかりは」2011.06.11
☆169
ほそき雨にも
つたう根のごと
まよい恋にも
こえる波あれと
「さみだれに ぬれぬれ引かむ あやめ草 沼の岩垣 波もこそ越せ」2013.05.30
☆170
とりはことしも
ぼくをたずねて
とりはかわらず
こえをきかせて
「軒ちかく けふしもきなく 郭公 ねをやあやめに そえてふくらむ」2020.06.01
☆171
とわに匂う 果実のなかに
はかなき薫 閉じ込めて君
そはいつか
あの芳しき 花の色かたち
憶えぬなら
「ただならぬ 花たちばなの にほひかな よそふる袖は たれとなけれど」2011.06.14
☆172
いまはなくとも
かおるおもいを
いまはさるとも
のこるおもいを
「風にちる はなたちばなに 袖しめて 我思ふ妹が 手枕にせむ」2015.06.16
☆173
はなたちばなの
きみにやどりて
恋いわすれても
さらぬ香をめで
「浮雲の いさよふ宵の むら雨に をひ風しるく にほふたち花」2013.05.30
☆174
きみここにいても
かおるのはかの里
きみいまにいても
みえるのはその風
「我宿の 花たちばなに ふく風を たが里よりと なれながむらむ」2013.05.30
☆175
かおりをもって
君にあえるなら
てにはなくとも
君つくれるなら
「をりしもあれ はなたち花の かをる哉 むかしを見つる ゆめの枕に」2015.06.16
☆176
かすかにしみる
あめの香とおと
つきよもかすむ
あめの香とおと
「五月雨に はなたちばなの かをる夜は 月すむ秋も さもあらばあれ」2015.06.16
☆177
寂しい?などと 誰が訊ねるというの
一人いてなにも 咎められぬ雨の日に
喜びこそあれど 誰が侘しいというの
一人いて彼方の 万友と語らえる世に
「さみだれに 思ひこそやれ いにしへの 草の庵の 夜半のさびしさ」
☆178
あめがわたしを
とじこめるのか
わたしがあめに
とじこめるのか
「いとどしく しづの庵の いぶせきに 卯花くたし さみだれぞする」2020.06.01
☆179
こころかるれば
あかるべきそら
ひとみとじれば
ひらくべきそら
「おぼつかな いつか晴るべき わび人の をもふ心や さみだれの空」2015.06.27
☆180
おぼえていれば
みえはなくとも
おぼえていれば
そこにはいつも
「さみだれに 浅沢沼の 花かつみ かつみるままに かくれゆくかな」2015.06.27
☆181
あめであえぬは
いいわけにさえ
ならないけれど
ゆめであおうは
いいのがれには
ならないけれど
「さみだれの 日かずへぬれば 刈りつみし しづ屋の小菅 くちやしぬらん」2015.07.09
☆182
まったきしずかさは
さみしいけれど
ひとひとりないのは
さみしいけれど
「さみだれに 水の水かさ まさるらし 澪のしるしも 見えずなりゆく」2015.07.09
☆183
ひとかれるごと
いきらくとなり
ひとつめるごと
いきはくとなり
「さみだれは たく藻のけぶり うちしめり しほたれまさる 須磨の浦人」2015.07.09
☆184
むだとみえることが
あなたをつくるなら
ただはたらくことが
あなたをつくるなら
「ときしもあれ 水のみこもを 刈りあげて 干さでくたしつ さみだれの空」2015.07.09
☆185
ぼくはここにも
なれてきたのに
かわらぬことに
なれてきたのに
「さみだれは 海人の藻塩木 くちにけり 浦べにけぶり たえてほどへぬ」2020.06.01
☆186
やしまにみちる
なみのうむもの
やしまをみたす
こえのうむもの
「五月雨に 室の八島を 見わたせば けぶりは波の うゑよりぞたつ」2020.06.01
☆187
ゆれるこのみに
したたるあめの
たゆたうふねに
かかるなみだの
「さみだれは 苫のしずくに 袖ぬれて あな潮どけの 波のうきねや」2020.06.01
☆188
空をながめて
月とたわむる
雨のたえまに
月とたわむる
「さみだれの 雲のたえまに 月さえて 山ほととぎす 空になくなり」2020.06.18
☆189
いついつまでも
ながめくらせと
はれまみえても
ながめくらせと
「をちかへり 濡るとも来なけ ほととぎす いまいくかかは さみだれの空」2020.06.18
☆190
どこにいったの
ぼくのおもひは
とこまでゆくの
ぼくのこころは
「逢坂の 山ほととぎす なのるなり 関守る神や 空にとふらん」2020.06.18
☆191
おとをきければ
よみがえるとき
いろをきければ
よみがえるこえ
「いにしへを 恋ひつつひとり 越えくれば なきあふ山の ほととぎすかな」2020.06.18
☆192
ぼくがほんとに
ききたいこえは
ぼくをすてても
ききたいおとは
「などてかく 思ひそめけむ ほととぎす 雪のみ山の のりのすゑかは」2020.07.04
☆193
あまおとにくろの
いろをます夜
あまおとにこころ
とじめとく夜
「五月やみ 二村やまの ほととぎす 峰つづきなく こゑを聞くかな」
☆194
あめふるなつ夜に
わけいるからは
かわいた身をすて
わけいるからは
「ともしする 宮城が原の した露に 信夫もぢずり かはく夜ぞなき」2020.07.04
☆195
とおきほし
てにとどき
ちかきほし
すぐはなち
「五月やみ 狭山の峰に ともす火は 雲のたえまの 星かとぞ見る」2020.07.04
☆196
ほらほらぼくを
みつけてごらん
まぎれるぼくを
みつけてごらん
「五月やみ しげき端山に たつ鹿は ともしにのみぞ 人に知らるる」2020.07.04
☆197
まだ始まってもいないのに
しらじらと沈みゆくこころ
まだ開けてさえいないのに
あかあかと残るかのほのお
「ともしする 火串の松も きえなくに 外山の雲の あけわたるらむ」2013.06.13
☆198
あとさき見ずに
わけいった先に
てがかり無しに
ふみこんだ闇に
「ともしする 火串の松も もえつきて かへるにまよふ 下つ闇かな」2013.06.13
☆199
なるまで帰らぬと
ちかったからには
なおこそ生きよと
しめしたからには
「山ふかみ 火串の松は つきぬれど 鹿に思ひを 猶かくるかな」2013.06.13
☆200
あやまたず
きみにだけ
あえたなら
まよいなく
ひとめみて
わかるなら
「ともしする 火串を妻と 思へばや あひみて鹿の 身をば代ふらん」2013.06.13
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