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第二五巻　癩王のテラス/LONG AFTER LOVE

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まさに成人式の当日、福岡に帰られたときに見つかったペンダント。
川「地元で通っていた音楽教室の先生も親代わりとして来てくれて、母のペンダントを
渡してくれたんですね。先生が言うには、今朝夢をみて、私のお母さんが出てきて
『 あいが二十歳になったらペンダントをあげるって約束してたから、先生これあげて 』って。」

先生はご自宅を懸命に探し、預かっていたペンダントを見つけてくださった。
川嶋さんはお揃いの指輪を持っていたそうですが、二十歳でペンダントをもらえることは
忘れていたようで、本当に驚かれたようです。

江「そのペンダントとは別にして、ペンダントが欲しいっていう話をされたんだと思いますよ。」
川
子供の頃から、お母さんの大切にしていたペンダントと指輪があったので。」
美「大人になったら、それが似合うようになったらあげるってことだったんでしょうね。」

お母さまは人とのかかわりで苦労されていて、豪放というよりも、
好い人と悪い人を見抜ける慎重な方と江原さん。
江「若いあなたに『 あの人はこうだから 』と言わないだけで。やっぱり川嶋さんは
恵まれてますよね。後でお父さんやお母さんとの出会いのことも全部わかると思いますが、
話を聞くと本当にご苦労されているけれども、でも、 恵まれた方 だなあと思うんですよ。」

美「恵まれてますよ。だって施設の人でそのまま誰も迎えに来ないで成人式を迎えて、
里親も何にも迎えに来ない人がどれだけいると思います？ご存知でしょう？」
川

【愛の話幸福の話】

お母さまがペンダントを預けていたのは、自分の死期を知っていたというよりも
苦労されているゆえに「 備えを常に怠らない 」方だったから。
江「ＴＶをご覧になっている方でも、女性で子供を一人で抱えて生きている人っていますよね。
自分の身に何か起きたら 』っていうことを考えて生きてると思いますよ。

それと、人間は本当に辛いときは泣かないんですよ。『 どうしよう 』って考えて、
非常に冷静になるのであって、その場で泣きわめく人は意外に本当に苦しんでいないんです。」
美「余裕があるのよ。」
江「泣く余裕があるんですよね。私も同じく、１５歳で親を失っていますから、
泣き叫ぶどころじゃないんです。『 さあ、どうやって生きていこう 』」

美「明日どうやって食べていこうって、生きることが最初なの。
泣いてる暇なんかありゃしない。」
江「だから、究極、人間ていうのは強いものですよ。泣くのはね、余裕なんです。」

川「私も泣かなかったですね、泣けなかったというか。電話で母の死を聞いた瞬間に、
すごく冷静に 『これからどうしよう』って。」
美「まずそれよね。」
川「はい。」
江「いっぱい実務があるしね。やらなきゃいけないこと、
『 えー知らなかった、役所に届けなきゃいけなかった、あれもこれもしなきゃいけない 。』」
江原さん、ご自分のときのことを思い出されたようにお話になります。

【江原啓之のスピリチュアル子育て】

国「そんなに冷静なんですか？」
江「そりゃそうですよ。だって次々、死亡の届けも、手続きから何から・・・
泣いてる暇なんかありゃしない。」
美「だって焼き場に持っていかなきゃいけないのよ。喪主にならなきゃいけないし。
でもスタッフがいらしたからそのときはよかったんですよね。」
川「はい。」
江「そういった意味では、ありがたい、幸せですよ。」
川「ありがたいですよね。」

江「お母さんは豪快な人だったけれど、 お父さんへの愛で生きてたって 知ってる？
要するにだんなさんに対する、すごく深い愛情あったんです。」
川「そうなんですか。」
江「こう言われるんです。「 私は、自分も助けてもらった身なんだ 、』って。お父さんから。」
川「お父さんから。」
江「だからね、いかにもお父さんの世話を焼いて生きていたように見えるでしょう？
豪快にサポートして。違うの、 お父さんへの恩返しなんですって 。」

家族関係で苦労されたお母さまはお身内がいらっしゃらないため、
お父さまが「 唯一の身内になってくれた人 」
美「人間を初めて信じられる人に会ったのよ。人間なんて誰も信じられないという心でいたのが、
『 え、信じてもいい人間がいるの ？』っていうのがお父さんだったのね。」

【スピリチュアルメッセージ】

江「お父さんは慈悲深い人で、お母さんは唯一の身内を持った。だからあいさんのことも、
本当に無条件に愛する。それは自分とあいさんを常にオーバーラップさせていたから。
お母さんは身内がいない。他の方のことでも面倒見がよかったのは、
血のことなんてまったく考えない人 だからなんです。思い返すとそうでしょう？
魂の清い人かどうかで判断するんです 。みんな家族、 困った人はみんな家族 のような。」

美「お母さんのことを思い返していただくと、全部思い当たるでしょう？」
川「はい、本当にそうですね。お父さんが亡くなったあと、本当に変ってしまったというか、
元気がなくなってしまったので。江原さんの話を聞いて、本当にそう思いましたね。」

江「 お母さんにはお母さんの歴史があり、お父さんにはお父さんの歴史がある 。
そういった中で 家族という形態 ができて、それを伝えて欲しかったがっていたんです、
お母さんは。」

美「蛇の道は蛇（じゃのみちはへび）でね、自分が通ってきた道だから、人の痛みが分るんです。
あのとき私は辛かった、こういう思いをした、悲しかった、悔しかった。だから
『 ああ、この子もきっとそうだろう。あのときの私と同じ気持ちなんだろう 』ということが
分るのね。あなたの幼少の頃を見ていると、自分自身なのよ。」
江「そうそう。」
川「そうなんですね。」

明日に続きます。

***
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