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第二五巻　癩王のテラス/LONG AFTER LOVE

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傷が苦手なのも、痛みという想像力があるから。
江「自分が痛いという思いになる（想像する）から嫌になるのであって。
眞鍋さんがどうして分析するかというと、自分自身の悲しみを理論で分析することによって
悲しみを見たくないということがあるんです。だから常に冷静なんですよ。
舞い上がってあやまった判断をして後悔したり、傷ついたりするのが嫌という思いが
あるから、分析することが、自分を守る防御になっている」
眞「なるほど、そうなんですね。そういうところがすごくあります」
美「だから、 想像力がないというのとは、違うのよ 、勘違いなの」

頭の中で美味しいカレーを食べて満足してしまい、
実際に食べるのは別のものでもいいくらいなのだそう。
美「安上がりでいいわね☆」
眞「美味しいんですか？」
国「美味しいですよ、これを越えるものは多分ないですよ☆」
眞「特技ですね☆」

美「だからね、想像力がない人が犯罪を犯すの。
『 我が身をつねって人の痛さを知れ 』って言うじゃない？
自分をつねって、人がどれだけ痛い思いをしているか知りなさい、
昔からそう言われているんだけれども、今は我が身をつねらないのよ。

今は詩や俳句を読まないでしょう？俳句は五、七、五で短い言葉だけれども、
例えば『 古池や　蛙飛び込む　水の音（松尾芭蕉 ）』

想像力がないままだと『古池や･･･』文字だけで終わって過ぎてしまうの。

でも、『古池や･･･どんなふるい池なんだろう？』

古い風情のあるお寺があってね、その本堂の裏にある藻や苔の綺麗な庭で、
苔むした岩に柳が垂れている･･･『古池や･･･』と言ったら、
ふとその絵面を思い浮かべればいいの。

『蛙飛び込む　水の音』ガマ蛙だったらボシャン！じゃない？
だからポチョン･･･という音がすれば、こんなに小さな蛙。
池に水の輪が広がって、柳が垂れて･･･。
こんなに小さな蛙が、生きようとして水の中に入るのよ。水は命の元でしょう。

そういったことを、五、七、五の中にぱあっと想像するわけよ。だから
『子供たちに小さい頃から詩を読ませなさい』
『童謡が大事ですよ、子守唄は大事ですよ』
難しい詩でなくてもいいから。そうすると、想像力がどんどん広がっていって。

例えば宮沢賢治の『 風の又三郎 』を読むとね、
『 どっどど　どどうど　どどうど　どどう 』という風の音、水の匂い、緑･･･
いろんなもの、風が鼻に当たっている感じまで想像できるの。

そうすると、想像癖ができているから、今度は人のことを見た時に、
いろんなことを想像するわけ。
犯罪を犯した場合、自分は刑務所に行く、死刑になるかもしれない･･･
先の先までイメージが広がれば、悪いことはしないのよ 」

「どっどど　どどうど　どどうど　どどう
　青いくるみも吹きとばせ
　すっぱいかりんも吹きとばせ
　どっどど　どどうど　どどうど　どどう　『宮沢賢治　風の又三郎』より」　

江「最近の問題である飲酒運転、あれだけ言われていて、何故あれだけ繰り返されるのか。
想像力がないからですよ。自分がそういったことを起こすという想像力がないから、
他人事と思って『明日からね』『気をつけようかな』くらいのもので、
我が事と思えていない。想像力の欠如がああいうこと。
ああいう事件が起きても、いまだにお酒を飲んで車に乗っている人は、
必ず、自分自身で思い知る日が来てしまう。想像力がないことが一番問題で。

『 いま、もう大人になっちゃった 』とＴＶを観てドキッとした人は、
いまからでも遅くはないから、芸術、お芝居でも映画でも、文学でも読んで、
しっかりと想像力を得ないと。 想像力のない人は、絶対に幸せになれない 」
美「そう」

江「 想像力のない人は、問題が起きるとすぐ、『もうだめ』と言うんです。
想像力がないから『こうしたら、ああしたらいいんじゃないか』ということが、
全く浮かばない。

お芝居でいろんな人物の人生を見て『 なるほど。自分だったらこうだ 』本を読んでもそう。
そういった経験が、いざ自分に何かが起こったときに、ひとつの想像力として
『こうやって生き抜けばいいんだ』ということが、出てくるはずだと思うんですよね。

想像力の欠如は今の時代の一番の問題であり、みんながしっかりと
見つめなくてはいけないから、どんどん芸術の世界へ目を向けなくてはいけないんです。
お芝居に行ったり、音楽を聴いたり･･･」

眞「あせってきちゃいましたね。ちゃんと読んだり聴いたりしないと･･･」
美「でも、あなたはずいぶんと本を読んだりなさったんでしょう？」
眞「いえ、でも･･･全然です･･･」

国「想像力がないわけじゃなくてよかったですね」
江「若い人たちにブログの女王と言われて、いろいろなメッセージを送れる立場なんだから、
お願いしますね。そういう役目を、預かっているんですよ。
ただの仕事ではなくて、それもお役目なんですよ 。
若い人たちに少しでも、若い人の視線から。お願いしますね。」
眞「はい」
国「俺もかな･･･？☆」
はい、もちろん、太一くん☆皆さん、拍手されました。

不思議な出来事は、いくつか巡る予定だった心霊スポットのひとつ。
二十年来何も起きていなかったのが、眞鍋さんたちを乗せたロケバスが着いたときに
焼失したところだったそう。
眞「『来るな！』っていうメッセージで燃えたのか、
『入らない方がいいよ』って誰かが･･･とても不思議でしたね」
江「やはりそういうことはあって、『拒む』となるんですよ。
要するに、自分たちのテリトリーに入られるのが嫌だということ」
ご自覚はないながら、眞鍋さんは「普通ではない」方なので、
来て欲しくないということでもあるようです。

何年かに一度、強い直感が湧くこともあり、芸能界に入られたのも直感に従ってのこと。
眞「普段は自分に自信を持たない方なんですけれど、
『 絶対こうした方がいい』と思ってしまう時があって、そういうときは必ず上手くいく･･･ 。
仕事を始めるときもスカウトされて頭では『こんな世界、絶対に成功する人の方が少ないし、
大変なことの方がいっぱいあるんだから』とわかっているんですけれど、
何故か感覚的に『絶対、やった方がいい』」

入学試験なども、努力は充分された上で、直感が働いたということも。
江「もともと実力があるから、それ以外のことは出てこないけれども、
あるものを全部引き出せる」
美「あなたはすごく、神経が複雑なのよね。神経の線が一本ではなくて、
いっぱい並んでいるのよね。こちら側でこういうことを考えてしゃべっていても、
別の神経で違う人の動きを観察したり。いろんなことが多面的に、
同時に頭の中で働いているでしょ？」

眞「自分では意識したことはなかったんですけれど。
でも、自分で自分が何を考えているかわからない時が、結構、多いですね」
美「それはアンテナが一杯あって、同時に震えて動いているの。
それが整理されて、きちんとしている時はいいけれど、混線状態になる場合もあるのよ」
眞「なるほど･･･」

☆　「学校の先生方、マスコミ、評論家も『思いやりを持ちましょう』と言うけれども、
ではどうしたらいいのか。 思いやりというのは、想像力でしょう ？
『こうすれば、痛いだろう、どんなに辛い思いをするだろう。』
『この人はこういう容姿容貌で、こういう家に育ってこういう風に生活してきた。
どんなに辛かっただろう。』これが思いやり、想像力なの。」
堀ちえみさんの回でも、想像力の大切さを伝えていただきました。
「思いやりの育て方１　堀ちえみさん」

「風の又三郎」のお話をしてくださいましたので、大好きな宮沢賢治さんの本を取り出して
冒頭の詩の部分を声に出して読んでみました。
勢いがあってとても面白く、子供にも聞かせて。リズムにのって元気が出てきます。
小学校で年に三回、ボランティアをさせていただいている読み聞かせの会で
彼の本を使いたいなあ、次はいつかなあと思いながらお話を選んでいましたら、
ちょうど、次回ボランティアの連絡メールが入ったのでした☆

皆様もぜひ、芭蕉の俳句や「どっどど　どどうど　どどうど　どどう」のあたり
どうぞお声に出して読んでみてくださいね。

明日に続きます。

***
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