僕らと一緒に花を咲かそう

僕らと一緒に花を咲かそう

 黒猫 ~それだけでいい~



僕よりも

もっと

もっと

永遠に

黒猫  ~それだけでいい~

「なんですって?!漣さまが?!」
「はい、沙里菜様。漣さまは未知の病気にございます。
 昨日漣さまが倒れたのは、その病気のせいだと・・・。」
「・・・なんてこと・・・。」

漣さまが昨日倒れた。
発見したのは私のクラスメート。

至急病院に連れて行った。


診断結果は















不明















未知なる病
















「アリガトウ。知らせてくれて。」
「・・・いえ。お構いなく。では私はこれで・・・。




 沙里菜様、どうかお気になさらずに。」

「・・・・・・。」


凛は知っているのだろうか?

漣さまは言ったのだろうか?

私がこんなに他人のことを思うなんて
漣さま以外にはありえないのに
なぜか今は
凛のことを思う


未知なる病

治す薬も

手術も

全てが分からない

まさに未知

これからどういう症状を起こすかも

まったく分からない






「なぜ漣さまがっ――――・・・。」





神様

漣さまが死ぬのなら

私も殺してください

愛する人が亡くなったら

生きる希望が亡くなったら

私は死ぬまで




















「連兄?顔色悪いよ?どおしたの?」
「え!・・・あ、そうか?大丈夫。げんきだぞ☆」
「それならいいんだ!」
「そうだ!シンパイしなくても大丈夫だよ。」

漣兄はああやって微笑んでくれるから

私に向かって微笑んでくれるから


一生のお別れなんて絶対無いと思ってた















思ってた















       ・・
「凛ちゃん!!あの話聞いた?!」
「ふえ?なんの?」

「・・・もしかして、知らないの?」

「・・・・・・?りゅーいちくん・・・?何?!なんなの?!
 教えてよ?!」

「・・・漣先輩のことなんだけど。」

胸騒ぎがする

「漣先輩、未知の病気なんだって。」


「?みちのびょうきって?」
「うんとね・・・
 誰にも治せない
 誰も知らない
 死ぬかもしれない病気・・・。」















ダレニモナオセナイ















ダレモシラナイ















シヌカモシレナイビョウキ















「いやだ・・・いやだよぅ・・・。」
「凛ちゃん・・・なかないで。」

「はうぅ・・・れんにい・・・いつも一緒じゃ・・・ないのぅ・・・?」

「でも・・・死ぬ病気じゃないかもしれないよ。
 泣くのは早い。」















しぬっていうのは
わたしがせかいいちよくしってる
だってわたしのまわりで
たくさんのひとがしんだ
しろくなって
つめたくなって
うごかなくって
それが「し」















「漣兄・・・。」















「まだ・・・わかりませんか?」
「ええ。すみませんねえ・・・。こんなの初めてで・・・。」
「いえ、いいんです。それより、俺、死にますか?」

「それも分かりません・・・。」

「そうですか。」

治せない病気なんてないと思ってた俺が馬鹿だったぜ。
しかもそれが俺にかかるなんて。

俺が死んだら、キャットは一人でやってけるのだろうか。
龍一は、泣くだろうか。
FCの子は自殺とかしちゃわないだろうか。(しないか。)

俺ってジュウヨウジンブツなのだろうか。

いろいろ考えてもしかたねえか。
かかっちまったモンはかかっちまったから。

「ありがとうございました。せんせー。」
「・・・いえ、本当にすみません・・・。
 治すのが医者なのになあ。」
「・・・今死んでないだけいいですよ!」

満面の笑み

俺の心のなかではありえない表情

そんなに俺に言葉をかけないでくれ

そんなに俺を突付かないでくれ

壊れるから





























レンニイガシヌノ?
デモマダワカラナインデショウ?
オシエテヨ
ダレカオシエテ!
レンニイニハイキテホシイノ。
ワタシノイノチノオンジン。
カアサマカラヤットスクワレタノ。
レンニイノオカゲデワラッテルノ。
レンニイノオカゲデタノシイノ。
モシカミサマガイタラ
レンニイノカワリニワタシヲアゲルカラ
レンニイハツレテカナイデ!
カミサマニモワカルハズダヨ。
アイスルヒトヲウシナウキモチガ・・・。




























「・・・・・・。」

毎日毎日キャットの夢。
俺が死んで欲しくないって言ってる・・・。

まだ死ぬって分かってないのに。

「漣兄!OHA~~~~!」
「うを?!キャット?!・・・おおおはよう!」
「知ってる?漣兄、OHA~ってw」
「・・・・・・どこで覚えてくんだよ。(ぼそり)」
「し○ごママだよ~ん☆」
「知ってるけど古いよ、ソレ。」
「(ガ~~~ン!!)」
「キャットのじっだいおーくれっ★」
「うぅ・・・そんなあ。。。りゅーいちくんが教えてくれたのにぃ。」
「龍一が?なんで?」
「なんで?って・・・そんなんしらないよ。フツーに。」
「(龍一のやつ・・・キャットに気があるな。ぜったい。)」
「漣兄って、好きな人いるの?」
「・・・は?なじょして?」
「(なじょして??)それもりゅーいちくんに聞かれたの。おかしい?」
「(龍一・・・俺のキャットに手ぇだしたら・・・(黒))」



こんななんでもない会話でも、すごく楽しくて。
漣兄がそばにいるだけで楽しくて。

こんな日常がずっとずっと続いてほしいと願っていた。



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