ぎぶみ~でりしゃすちょこれ~と

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第二話~ようこそ!教団(キリスト)へ~


窓から差し込む朝日がイヴの顔に当たり、イヴが目を覚ます。
「ん・・・・んんっ・・」
寝ぼけ眼の目をこすりながらも上半身だけを起こし、部屋を見回す。
「そっか・・・私・・・カドっていう人の家に泊めてもらったんだっけ」
と思いながら自分がパジャマを着ていることに気がつく。
家の前まで来た記憶はあるが、パジャマを自分で着た記憶はない。
「私・・・この家についてすぐ寝ちゃったんだ・・・・。」
ちょうどベッドの反対側にあるドアをあけるイヴ。
ドアの先にはとても広い部屋が広がっていた。
広い部屋なのにもかかわらず、目に付くのはガラスのテーブルと黒いロングソファーと液晶テレビと部屋の隅に集められているゴミの山だけだった。
イヴは「うあッ」とした表情でとりあえず朝日を遮っていたカーテンを開ける。
カーテンを開けると同時にソファーの近くからうめき声に近い声が聞こえた。
「う~・・・ん・・・朝かぁ~?」
うめき声がのんきな声に変わり、カドが頭を掻きながら目を覚ます。
「あ・・・おはようございます。」
「あぁ、おはよ~・・・・よく眠れたかい?」
イヴが頷く。
「そうか、そりゃよかった。」






二人の間に沈黙が漂う。






「え~と、腹減ってないかい?」
「えっ・・・・すこし・・・」
「ソファーにでも座って待っててな。今作るから」
そういうとカドはキッチンへ入っていった。





30分後


「ほい、かんせ~い」
カドが出したものは白いご飯と味噌汁、目玉焼きというとても純和風な料理だった。
「ではでは!手を合わせて!」
カドがそういうとイヴも見様見真似で手を合わせる
「いただきます!」
「いただきます」
二人が食事を取り始める。




ふとカドが気づく。
「イヴ、箸使うのうまいなぁ。 もしかするとジャパニーズなのかもよ!」
イヴがキョトンとした顔でカドにたずねる。
「ジャパニーズって・・・なんですか?」
「ジャパニーズってのは、和の国・日本出身のやつのことを言って、俺の仕事の魔狩りに関して様々な力を発揮するんだ。」
イヴが「へぇ~」とした顔で頷く。
「って言ってもジャパニーズは身体的な能力が少し劣っててあんまり魔狩りに向いてないんだ。」
イヴが同じように頷く。
そんな話をしていると、玄関のドアから「ドンッドンッドンッ」とドアをたたく音がする。
「カドさん!カドさん!鍵を開けてください!例のアイツがここに入っていくのを見たって人がいるんです!。」
イヴがその声を聞くとおびえた表情でその場にうずくまる。
その表情をカドが見ていると、
「カドさん!カドさん!寝てるんですか!このドア蹴破りますよ!」
「分かった分かった。今開ける。」
カドがドアの鍵を開けると同時に勢いよくドアが開く。
「やっと見つけたぞ!おとなしく捕まれ!」
部屋に入ってきた男が手に持っている剣をイヴに向ける。
「おいおい、何やってんだお前?」
「何って捕まえるんです。」
「誰の命令で来たんだ?」
「ハウル副隊長です。」
「ハァ~」とカドがため息を付く。
「お前、ハウルに騙されたんだよ。」
男は意味が分からない様子で「はい?」と言う。
「お前、ハウルの性格を言ってみろ」
「はい! 喧嘩好きで短気、女好きで好みのタイプはいもう・・・・」
男は顎が外れたようにあんぐりと口を開ける。
「アイツは、こういうことを普通にやらせるから気を付けとけよ」
「すっ・・・すいませんでした!」
男はそういうと部屋から出て行った。
「もう大丈夫だ、もう追っかけこねぇよ。」
カドはそういうと、また食事を取り始めた。
気持ちが落ち着いたのか、イヴもまた食事を取り始めた。









食事を終えたカドが部屋に入り、スーツに身を包みながら部屋から出てくる。
「イヴ、一緒に仕事場に来るか? ハウルにも文句の一つや二つ言っておきたいだろ?」
「いいの?一緒に行って。」
「仕事って言っても、そんな対したものじゃないし、そもそも活動があるかどうかすら分からないしな。」
カドが笑いながら言う
「行きたい!」
イヴが笑顔で言う。
「よし!決まりだな。 ちょっと待ってろ着替え持ってくるから。」
カドが部屋から半そでのYシャツと黒いスーツパンツを持ってくる。
イヴが着替え終わると溜まりに溜まったゴミの山をもって外へと出た。






しばらく歩くととても大きな教会に着いた。
「ここだ。」
カドが中に入っていく。
イヴもそれを追っていく。
教会の中には、オフィスのような部屋がいくつもあった。
「ようこそ!教団(キリスト)へ!」
カドが使用人のように胸に手をやり頭を下げる。


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