Happy child happy life

ものから人、人からものにかわるとき

ものから人、人からものに変わるとき 2004 05/30


 伯母の亡骸は300キロ離れた実家に戻った。


 1月に入院して以来、


 命あるときに


 帰ることが出来なかった。


 最後に会ったとき、


 家を建てたいと言っていた。


 不自由になった足をかばう


 車椅子用に、


 家を建てたいといった。



 伯母が亡くなって、
霊安室に連れて行かれ、
伯母が眠るところと、
私たちがいる椅子の間に、
お線香とロウソクがのった台が置かれた。

 ほんの2時間前までは、私たちと同じ
椅子の世界にいたのにね。
いつのまにか、世界を区切られて、
ここでも現実を突きつけられた。
人から「もの」になってしまったと
感じた瞬間。

 「人」においても、輪廻といわれている
けれど、ホントにそうなのだろう。
私には一歳になる甥がいる。
彼は、感情のままに生きて、
大人の予定なんてお構いなしな生活をする。
それは、当たり前のこと。
ちょっと、おもちゃっぽい。
ものっぽい。

 人が亡くなると、人ではなくなるのだろうか。
忙しく取り決められる葬儀に、
伯母は何もいえない。
もっと家族に傍にいてほしいかもしれない。
もっと話しかけてほしいかもしれない。
亡くなってしまったら、
そういうことはお構いなしになってしまう。
仕方ないのかもしれないけれど、
「もの」なんだろうね。

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