流れ



確かに少年は夕陽を指差し

流れる詩に古の言葉を見た

祖国と呼ぶことも出来ない現実は

目の前に溢れている人々の話しに現れ

悲しくも失った言葉でたどたどしく呟いて見る

少年が母語とする言葉を訳して



焦る心とはきっと

少年の中にある古への

憧憬なのだ

     という深心の層と

現在は相容れないのだ

          ・・・・・・と、さえずるのは

                もう、少年ではなく

                   少年の心のようになりたいと望む

戻せない時間だけが             大人でもないからであろう

歪みを大きくして

心が生じさせたのは

古から流れてくるものの

わだかまり



かすかに聞こえる音が

遠く 遠く

色を彩る匂いの中へ

吸い込まれていく



でも

地に付いた足は

心に確かに伝えるのだ

流れの織り成すもう一つの国があるのだと



耳に詠う言葉がそう囁く


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