犬の娘

■犬の娘



2005-11-17 02:35:35


■犬の娘

その娘は、哀しみをくわえてやってきた。
無造作に跳ねる髪は、無造作に生きる僕そのものであった。
僕は、彼女に狩りの仕方を教えることはできない。
自然とのやりとりを教えることもできない。
ただ僕の姿を見せることだけが、僕に残された唯一の権利であり、義務である。
首輪を噛み切って、外の世界でしか生きることができなくなった僕は、
それでも彼女のことを想い、かすれた喉で遠吠えを叫ぶ。
僕は、世界一哀れな老犬で、そして彼女を愛する世界一倖せな老犬である。


「犬とピストル」より抜粋 2005年執筆
モデル/juju 2001年撮影 





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