発達障害児が伸び伸びと育つために~保健師の目で見た子育て~

愛情をどんどん言葉で表現しよう。



アスペルガー症候群の子の特徴として、「相手の心を察するのが苦手」というのがあります。

だから、親も「愛してる」っていう気持ちを心の中にしまっているとダメなんです。伝わらないんです。「怒鳴っても怒っても、心の中では愛しているからこそ・・・」そんな親心をアスペっ子たちはあまり察しません。
表現されたことそのものが、その人なんです。

また、「言葉通りに受け止めてしまう」という特徴もあります。これらが原因で、たくさんトラブルも起こりますよね。
でも、こんないい面もあるんだなぁと思うことがあります。

愛情表現や褒め言葉が、そのまま本人の心に入るんです。


私は、TAKUYAがアスペと診断されるずーっと前・・・0歳の時から、子どもたちには「大好きよ」「愛してるよ」「いい子だね」「かわいい」と、まるで潜在意識に刷り込むかのように、言葉で伝え続けてきました。

それは、私の親が愛情を表現するのがとても下手で、どちらかというと子どもをけなして育てたので、(「わが子を褒めるなんてとんでもない!」と言っていました)私は「大人になったら、わが子に“大好きよ”と言葉で伝え、毎日スキンシップをし、褒めて育てよう」と決めていたのです。

朝起きたら、「TAKUYA、おはよう、愛してるよ」
学校から帰ってきたら「お帰り、大好きなTAKUYA」「会いたかったよ」
お手伝いをしてくれたら、「○○やってくれてありがとう」「TAKUYAのおかげで助かるわ」
「TAKUYAはいい子だねー」「TAKUYA大好きだよ」

・・・そんなこんなで、「大好き」「いい子・・・・」と言い続けて、10年経ちました。

そう言うと、言っている私自身も「言葉の力」で、自然と笑顔になり、笑いかけ、本当にかわいいなぁ、いい子だなぁ、愛しいなぁ、という思いが強まるから不思議です。
言葉って不思議ですよね。言った本人自身も、自分の言葉に影響されるんですから・・・。言葉には魂が宿るんですね。これを「言魂」というそうです。


言葉通りに受け止めるTAKUYAです。猜疑心のあまりないアスペっ子です。
私が「TAKUYA、大好きよ」と言うと、
TAKUYAは「知ってるよ」「お母さんは僕のことを愛しているんでしょう」

「親が子どもを大好きなのはあたりまえ」
「僕はいい子だよ。お母さんがいつもそう言ってるじゃん」

疑うことなく、そう思い込んでくれているので(年齢もあると思いますが)
これはありがたいなぁと思っています。
どんなに叱られても、学校でトラブルがあっても、「僕はいい子」と思い込んでいます。いいことですよね。

お手伝いを褒めれば、空をも飛ぶ勢いでもっとお手伝いをしたがります。
「自分のおかげでお母さんは助かっている」と、疑うことなく思ってくれます。僕はお母さんの役に立っているという気持ちが、TAKUYAの自尊心を支えているようです。

ポジティブな言葉を「魔法をかけるように」どんどん聞かせてあげたいですね。アスペっ子の心には、どんどんしみこんでいって、どんどん魔法がかかります。
この魔法はかけなきゃソンですよ!(笑)

Akiko


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: