教育~力について教える



昨年、アメリカ本土へ引っ越していった
友人から久しぶりに電話があった。

しょんぼりした声だった。

引越し先で仲良くしていた、同じ年頃
(小学校低学年)の子どもを持つママ友達と
お付き合いをやめてしまったという。

公園で一緒に子どもを遊ばせたり、
おしゃべりするのは、楽しかったのだが、
子どもの教育方法にズレがあったのだという。

友人のママ友の子どもさんは特に体が大きい子で、
力が強い為、公園などで他の子どもを
泣かせてしまう事がよくあったらしい。

例えば、小さい子を滑り台の上から
体当たりで落としてしまった時、

そのママ友はいつもおしゃべりに夢中で、
「だめでしょ~、押しちゃ」と言うだけ。

他の子どものお母さんが、“お宅の子どもに
叩かれた”とクレームをつけようものなら、
「あなたの子どもが先に意地悪を言ったからよ!」
と逆切れ。

ママ友の言い分としては、
「わざとやったわけじゃないわよ。
ちょっと、ひじが当たっただけよ」

子どもに謝らせるどころか、親が子どもの
変わりに弁解をして怒っている。

そんな事が続いていたある日、
公園で一緒に子ども達を遊ばせていた
友人は、勇気を振り絞ってママ友に話してみた。

「わざとじゃなくても、やっぱり
謝る事も、教えてあげるべきじゃないの?」

すると、かえってきた言葉は

「あなたの子どもだって、家の子を
泣かせる事があるわよ」

ママ友はすっくと立ち上がって
自分の子どもの手を引いて、スタスタと
帰っていったそうです。

“そういう、問題じゃなくて…”

せっかく出来た、お友達だったのに、
言わなきゃ、よかったかな…と後悔して
帰ってきたそうです。

友人の方は、どんな理由であれ、
叩いた方が謝るべきという考え方で
普段からよその子より、自分の子どもを
厳しく叱るほう。

ママ友の方は、
家の子が叩いたのはワザとじゃないし、
相手が意地悪を言ったかもしれないと、
自分の子どもを全面的にかばうほう。

どちらがいいとか悪いの問題以前に、
この二人の子育て感は全く違う。

他にも子育てに関しての考え方の違い
が沢山あったそうです。

話を一通り聞いて感じたことは、
私は友達と同じ考え方だということ。

私はもともと、子ども好きじゃなかったのも
原因かもしれないが、子どもの教育については
冷たく考えているところがある。

子どもの教育は、将来大人になって、
社会に出る準備期間でもあるから
この国の法律に基づいていることが基本。

例えば、将来結婚して夫婦喧嘩をする。
奥さんがFワードを吐いてムカついたからって、
突き飛ばしていいのか?

道端で、意味もなく唾を吐きかけられた
としても、相手を殴って怪我をさせてしまったら、
ジェイルに入るのは暴力を振るった自分である。

運転中、ちょっとした不注意から人を
怪我させてしまったら、
「わざとじゃないよ」でまかり通るのか?

相手から、命を守るための手段としての
正当防衛でもない限り暴力は正当化されない。

少し、考えすぎかもしれないが、
子どもに甘い旦那を相手に、
自分の教育論を熱弁することもある。

子どもを抱きしめて優しくしてあげるのは、
普段、いつでも出来るのだ。
悪い事をしたときは、厳しくするべき。

特に男の子には、自分は女の子よりも
小さな子よりも力が強いことを認識させたい。

相手にどんなに意地悪な事を言われたと
しても、手を出さない事をしっかりと教える。

私としては、友人の言う事が当たり前の事だと
思うのだが、このママ友のように
全く違う、考え方の人も沢山いるのかもしれない。

私が以前、別の人から聞いて、
妙に納得してしまった言葉があったので
友達にも伝授をしてあげた。

「子育てが合わない人とは、友達としても合わない」

“また、新しいママ友を作るわ!”と
彼女は元気よく、電話を切りました。

アメリカは暴力にとても厳しい。
特に家庭内暴力は、身近に起こりえるが、
取り締まりは日本よりも厳しいと思う。

夫婦喧嘩の最中に、相手の体に触れただけでも
ポリスが呼べる。

特に喧嘩してる時は相手の体に触れてはいけないと
いうのは基本中の基本。

どんなに、口が達者な妻に叱咤されようと、
絶対に妻に手をあげない男に育てる義務が私にはある。

たとえ、茶碗を投げられても、
グッと歯を食いしばって我慢するか、
逃げる勇気を持って欲しい。

以前、旦那の知り合いが、夫婦喧嘩の最中に
奥様に背中を包丁で刺された事がある。

奥様はもちろん刑務所行きで、
旦那様は2000ドルの保釈金を支払った。

背中は痛いし、ふところも痛い経験だが、
命が助かっただけでも、良かったねと
旦那と話していました。

“暴力を甘く見てはいけない。
母親の小さな勘違いが、子どもの将来を大きく
左右する事がある。”

昔、雑誌でそんな記事を読んだ事を
思い出した。

子どもの教育についてはいろいろな考え方が
あると思うので、とりあえず私の考え方は
無視してください。

子どもがいない人も将来は親になる可能性も
あると思いますが、

あなたは、私の友人?それともママ友?
どちらに考えが近いのでしょうか?

子どもを全力で守る親の気持ちも解からない
でもないので、難しい問題だと思います。

その友人の子どもさんは
格闘技を習っているそうです。

不当な暴力から身を守れる強さも
持ちあわせて欲しいと言っていました。

なるほど…と思いました。

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