Heikの狂暴温泉芸者

Heikの狂暴温泉芸者

わからず寺の鐘が鳴る






わからず寺の鐘が鳴る

一匹の野良猫が 落日を仰ぎ見る

波音が 遠く 響いている

帰りたい家も ない

片手に握った りんごが

やけに すっぱい味がする




空が 急に かきくらむ

好きだった映画の

ストーリーが思い出せない

好きだった音楽の

旋律が思い出せない




淋しい人へ 真心を伝えたい

暗く湿った 鍾乳洞のありかを・・・




ブラックアウトが ふいに襲う

上下左右がバラバラになるような・・・




しかし 確かに

自分は 立っている

立っている自分が ここにいる・・・







二OO三年四月二十二日

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