Heikの狂暴温泉芸者

Heikの狂暴温泉芸者

歪んだ光景




うつつと幻覚の 狭間の闇

その奥の奥の 底なしの精神

そこに 歪んだ光景が

画然と 見える




首を切り落とした猫を

逆さ吊りして

軒下に並べている 殺戮の家




日光のあまりの強さに

身もだえして ひねり踊り狂う

みみずの群たち




平気で 我が子の頬を

思い切り 引っ叩いて

高笑いする

口紅の 強烈に赤い母親




みかん箱から 腐ったみかんを

つかみ出しては 貪り食う幼児




阿片でラリッた兵士が

殺害した捕虜の両耳を

記念にナイフで

えぐり切り取る狂気




みんな どこかが ゆがんでいる

みんな どこかが ひずんでいる




「愛をくれ」「癒してくれ」と

恥ずかしげも無く

往来で 叫んでみる




しかし どこからも

どこからも

当たり前だが

応答などは 返ってきやしないんだ






二OO三年六月十六日

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