Heikの狂暴温泉芸者

Heikの狂暴温泉芸者

絶対失恋音




告白した。

いつもは 勇気の無い、このぼくが。

見事にフラレタ。

ほとんど ノー・リアクションで・・・




女って、冷たい生き物だよな。




これだけ 君を想っているのに・・・

これだけ 君を慕っているのに・・・




「私のことは、ほっといて」・・・か

ハーケンのような言葉が、

ぼくの胸を貫いたよ。




その黒々とした 胸の穴から、

様々な ぼくの雑念が、

溢れ出てきたよ。




一生 怨んでやる。

殺してやる。

首を切り落として

キャンパスの門柱に

さらし首にしてやる。

血まみれの 君のトルソーを

愛撫して

舐めまわして血液をすすり飲む。

そして おもむろに死姦してやる・・・





異様な雑念に 我ながら ひるむ。

ぼくは、潜在的殺人犯なのか?

時が経てば 警察に十指指紋を採られて、

監禁されるのだろうか?




だが 怪人二十面相のように

あるいは ルパンのように

決して警察には つかまらない

そんな犯罪者になってみるのも

悪くはないな。




それこそが ぼくの 不道徳の正体。

表皮を切り剥いだ、

ぼくに相似の 人体模型像。





なあに、これは、ぼくの勝手な妄想さ。

君は 気にしなくてもいいよ。

無視しちゃって構わないよ。

忘れちゃっていいよ。



君が ぼくのことを

眼中に置いていないのと、

同じことだよ。







二OO三年六月二十四日

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: