Heikの狂暴温泉芸者

Heikの狂暴温泉芸者

救いの手




いったい何の手違いでか

わたしは この世に産まれ落ちてきた




それも こんな澱んだ自分に

それも 汚濁まみれのこの世界に




神は存在すると信じる

だがあまりにも 不条理な神だ




人間を 試してばかり
人間を 罰してばかり




いつになったら 救いの手が
さしのべられるのだろう





そして 救いの手が現われる時には
不可逆な世界へと
世界は変貌し
とりかえしが
つかなくなるかもしれない




神の意向が わからない
神の真意が わからない




充足した一日を
いつになったら
掴めるのだろう



満足な一日を
いつになったら
享受できるのだろう



神よ わたしはもう
待ちきれないのだ



神よ わたしはもう
辛抱できないのだ




救いの手を
さしのべるつもりが
「無い」というのなら
「ゼロだ」というのなら
いっそ この世界を
めちゃめちゃに破産して欲しい




混沌の氷河期へと逆戻りして
叩き込んで欲しい




そうでなければ 神よ
わたしはあなたを
信じられなくなる




そうでなければ 神よ
わたしはあなたを
裏切りかねない




どうだい 地球くん ごきげんは?

いっそ コアから爆裂しないか?



どうだい 地球くん 元気かな?

いっそ 公転軌道を逸脱してみないか?







二OO三年十月五日

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