ヘンリーの国際関係学

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March 17, 2004
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アイスランドとグリーンランド。暖かいのはどっちだ?

・・・アイスランドです。

アイスランドはメキシコ暖流のお陰で意外に暖かく、首都レイキャヴォークの真冬の平均気温は摂氏4℃。マイナスになる日はそれ程多くなく、NYより暖かいんです。
とはいえ、名前の由来は初めてアイスランドにきたヴァイキングのフロキが寒さに負けて去るときに「アイスランド」とつけた、と伝えられております。
一方、グリーンランドはアイスランドと言った方が良さそうな氷の大地で1年中雪が降ってます。8世紀にノルウェーから新天地に向かって海を渡ったヴァイキングが、あまりの寒さ希望を込めて、また新たな入植者を募るために、あえて「グリーンランド」と名付けられたとのこと。
世界で最も大きな島(日本の6倍)だが、その85%は氷原で、人間が住めるのは北緯70度以南の海岸部だけで、住民はデンマーク人(デンマーク領なのね)と先住のイヌイットで1万人強。10世紀にヴァイキングが到来し、1261年にノルウェー領になるも寒冷化により、1485年頃に最後の入植者が死滅、イヌイット族だけが生き延びるという過酷な場所であります。1814年にアイスランド・フェロー諸島とともにデンマーク領になり、1971年には自治政府ができ、議会もあります!(外交・軍事は本国の政府の権限。)

・・・だからグリーンランドとアイスランドの名前と実態は実際は逆なんです。

さてと、アイスランドに話を戻します。
真冬にはオーロラをどこでも見ることができ、真夏には白夜が体験できる場所ですが、日本と共通点もあります。島国で火山・温泉・地震があり、漁業がさかんで魚をよく食べ、捕鯨問題でノルウェーとともに日本を理解してくれてました(実はグリーンランドもノルウェーと「北大西洋哺乳類管理委員会(NAMMCO)」を創設し国際捕鯨委員会に反発してます)。

治安にいたっては日本より安全とまで言われています。

さてここで、ちょっと面白いアイスランド情報を3つ紹介しましょう。

「姓がない!」
そう、アイスランド人の名前には「姓」がありません。アラブやアフリカではあるらしいんですが、ヨーロッパのキリスト教国だとアイルランド位かもしれません(北欧では元々姓はなかったらしいですが)。
建国以来のルールで、憲法でも姓を付けることは禁止でしたが、外国人が帰化する時に姓を捨てることになり、帰化が難しいということで憲法を改正し、姓をつける事は可能になりました。ですが、昔通り姓がないアイスランド人が依然として多いらしく、それがアイスランド流のようです。へぇ~。

「言語の化石」
9世紀のノルド語が今でも使われていますし、この国でしか使われない文字もあります。
古い言語が生き延びたのは島国という地理条件だけでなく、自国語が変質しないアイスランド人の努力の賜物であります。
アイスランド 語には外来語、すなわち日本語でいうカタカナ語が存在せず、例えばテレビは「ソーンヴァルプ(未来を写す機械)」、コンピューターは「トルヴァ(数字の魔法)」というちょっと素敵なアイルランド語にしてしまいます。
かといって外国語を話さないかといえばそうでもなく、それどころか多くの人が3カ国語話せるとのこと。
貿易国ゆえに外国語の習得は国民の義務という耳の痛い言葉の元、高校までに3カ国語を学びます。


「エネルギー事情」
火力発電が事実上ゼロ(水力81.9%、地熱18.1%)で、豊かな水資源を利用して低価格で発電。
この安い電力で「電力の塊」と言われるアルミニウムの精練産業を育てました。
そんなアイスランドだからこそできる挑戦、それは40年後の「水素エネルギー社会」の実現を目指すこと。
乗用車や漁船の動力源として燃料電池の導入を進め、化石燃料に頼らない社会の実現を目標とします。


遠くて寒くて無関係だと思ってた国アイスランド。実は日本と似ていて、見習う所もいっぱいあります。
世界は、まだまだ僕らの知らない国でいっぱいです。
僕は、この理由がマスコミの影響だと思うんですね。
アメリカは政治・経済・文化など幅広く報道され、ニュース以外の番組に占める割合も高くバランスが取れてますが、中国・韓国については社会関連のニュース、西欧諸国については風物・スポーツ・科学など、これら以外の国々については政治・外交・経済など、偏りがあります。
色んなアンテナを張って自分から知ろうとしないと、一方的にテレビや新聞で受け取る偏った情報やニュースだけが「事実」になっちゃいませんか?

【参考】「旅名人」編集部・編『アイスランド・フェロー諸島・グリーンランド』(日経BP社、2003年)
朝日新聞社『朝日ニュースワード2004』(朝日新聞社、2004年)
   御堂岡潔ほか『異文化コミュニケーションハンドブック』(有斐閣、1997年)
時事通信社『時事ニュースワード国際編2000』(時事通信社、2000年)





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Last updated  April 2, 2004 11:20:24 AM
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