読書日和 ~Topo di biblioteca~

読書日和 ~Topo di biblioteca~

2009年1~3月に観た映画


2009年1月~3月に観た映画


 チェ 28歳の革命 1/14
 ザ・ムーン 1/16
 感染列島 1/21
 誰も守ってくれない 1/28
 レボリューショナリー・ロード 1/28
 ヘルボーイ2ゴールデン・アーミー 1/30
 マンマ・ミーア!
 少年メリケンサック
 ハルフウェイ 2/25
 チェンジリング 2/28
 オーストラリア 3/4
 永遠のこどもたち 3/9
 ジェネラル・ルージュの凱旋 3/12
 ワルキューレ 3/25
 ○○○○
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チェ 28歳の革命

エルネスト・“チェ”・ゲバラがどんな人物だったのか。
キューバとはどんな国で、どんな歴史を持った国なのか。
それを世界はどんな目で見ていたのか。
恥ずかしながら、柊は何の前知識もないまま観に行きました。

 *「チェ 28歳の革命/39歳別れの手紙」公式HPは→ こちら


美化することなく、殊更英雄視することなく(恐らくは)彼自身の語った言葉で映像を
作り上げたらこんな映画になるのかな、と感じました。
そもそも革命ってどんな行為をいうのでしょう?
辞典によれば「国家や社会の組織を力によって根本から変えること」とありましたが。
ゲバラという人物のどんなところに皆は惹かれたんだろう…?

正直告白しますとこの映画を観ただけではその凄さを実感するには至りませんでした。
1番の理由は自分が映画の背景にあるもの、政治などに疎いせいですが
どんな崇高な目的を掲げていようと、それを実現するために“武力”を行使したことに
納得できないものを感じたせいもあります。

大国からの経済的圧力(実質植民地扱いだった?)や、人々の生活の貧しさを何とかしなければ。
だけど、革命を成すには本当に武力しか方法がなかったのかどうか…。
そんなことを思ってしまう自分はやはり甘いのか。
今、自分は恵まれた生活を送ることができているからそんな考えでいられるのかな。
今の生活が脅かされるようになってきたら、国や政治に対し今以上の不信感を抱くようになったら…
力による変革を望むようになるんだろうか。

武力を利用したけれど、それは理想とする国を実現するため。
私心のためには動かず、高潔といっていい人格を持ち続けたこと。
人を惹きつけ、大勢の心を動かす、強い流れを生み出すことが出来た人。

今の日本にこんな人物が登場してこないかな…なんてことをふと考えてしまいました。

「39歳別れの手紙」はチェ・ゲバラの最期を描く映画になっていると思うので、
「28歳の革命」より内容的には辛いものになっているのだろうなあと想像します。

でも、期待。

「39歳別れの手紙」が公開になってから、二作連続で観に行こうか…なんてことも
考えたのですが1月は観たい映画があり過ぎるので取りあえず随時観に行くことに。

同時上映が無理ならせめて同時公開にして欲しかったなあ。
これは間を置かず続けて観た方がいい作品じゃないかと思います。



ザ・ムーン

何かを成し遂げた人の言葉には力がある。
宇宙飛行士たちのどの言葉にも真実が込められていて、はっとさせられて。
どの言葉もずっと記憶に留めておきたいものばかり。
だけど字幕を追うのに必死で…

 *「ザ・ムーン」公式HPは→ こちら

1960年代、あの頃、宇宙開発は米ソの競争だったかもしれない。
だけど…もしかしたら地球全体で夢を見たかった、追いかけたかったのかもしれない。
月へ行く夢。月の上を歩く夢を。

月へ行ったことのある人はたったの12人しかいないそうですが、
宇宙飛行士たちの言葉を聞いていたら、すべての人が一度は宇宙へ出かけて
そこから地球を見ることが必要なんじゃないかって気がしてきました。

「どうして不平なんて言うんだろう。エデンの園に住んでいるのに。」

自分たちの存在がどれだけ小さいか、奇跡みたいなものか。
うんと外側から眺めてみなければ人間は実感できないのかもしれない。


…とはいえ柊は船も飛行機も苦手☆
地に足がついてないものは恐ろしい…きっと宇宙空間なんてもってのほかだわ…。

窓の向こうは死の世界だなんて恐ろしくてきっと耐えられない。
宇宙飛行士たちの冒険心、トラブルにも冷静に対処する、生還してみせるという
精神力は、やはり只者じゃありませんー☆

そういう意味でもこういう映画はきっととっても貴重です。



感染列島

「2~3週間分の水と食料を備蓄しておくこと」

ご近所のお医者さんにこう告げられ、てっきり地震対策のことかと思ったら
新型インフルエンザが流行するのに備えて…のお話でした。
一人、感染者が確認されたら流行がおさまるまでとにかく家に閉じこもるしかないそうな。
“感染爆発”という状態にまで陥ったら電気・ガス・水道などのライフラインもストップするでしょう。
治安も悪化する。自分や家族に感染が及ばないようにするにはとにかく閉じこもるしかないのだとか。

しかし、感染しちゃった場合は?
ずっと閉じこもっていても備蓄しておいたものが尽きたときは?
生き残れたとしても、その先にはいったいどんな生活が待っているのか…。

うーん…想像するだけでも暗澹たる思いに駆られます。


 *「感染列島」公式HPは→ こちら


映画はフィクションだけど、いろいろ考えさせられるものがありました。

とにかく冷静に、どんなときも平常心を保てるように努めなければ!

一般人は「閉じこもればいいのか」なんて思うけど医療、政府、治安維持関係者の多くは
対策に追われるのでしょう…。それなのに、不安にかられてパニックを起こしてそんな人たちを
責めるような、困らせるような人間にはなりたくない。

第一感染者を責めることも無意味。故意に感染を引き起こしたわけじゃないのなら
それはもう、どうしようもないことではないですか。

かといって、家族がもし感染したら…そんな冷静でいられるかしら。不安だ。
自分だけは、家族だけは…と思ってしまう、そんな身勝手さは自分にだってあるものだし。

でも…パニックを起こしてしまったらそこでもう負けちゃうような気がする。
信じ続けたい。根拠なんてなにもなくても「きっと大丈夫だ」って。

とりあえず出来ることといえば…地震対策も兼ねて、水と食料の備蓄かしらん?



映画は感傷的になり過ぎない演出が良かったです。
感染爆発から感染源の特定、事態の収束に至るまでの流れが見えたように思います。
つっこみどころもあるけれど、感染の怖さは伝わってきたから。

…にしても、妻夫木くん演じる松岡医師が最初から最後まで感染せずに生き伸びた、
治療に当たり続けられたのはすごい!奇跡のよう。
彼が感染せずに済んだのは何故なのか、その理由を一番知りたい気がする(笑)



誰も守ってくれない

加害者が背負わなければならないのは、直接手を下した被害者に対してだけじゃないんだな、と。
その人の今後の一生を変えてしまったという点では、被害者の家族、友人らに対しても
そして自分の家族、身の回りにいる人に対しても罪を負ってもらわなければならないと思う。
罪を償うと一口にいうけれど、それって相当重いと思う。

 *「誰も守ってくれない」公式HPは→ こちら

どうして罪を犯してしまうんだろう。その時の自分を抑えられなかったんだろうか。
たとえどんな理由があろうと、どんな罪だろうと、その事実は一生消せないのに、
どれだけ年月をかけても償えるものじゃないのに。
塀の中に囲われてしまった加害者は、事件の影響を、事件のためにどれだけ
傷つけられる人がいるかを知ることはあるんでしょうか。

マスコミのしつこさには辟易しますね
「世間が知りたがっているんですよ」…世間て誰のこと?
人には知りたいという欲求があるけれど、それは一体何を満たすものなんだろう。

ああ、最近報道されている事件の数々、犯行理由のなんて利己的なことか。

ドラマ「誰も守れない」を観てから、観に行きました。
観ていなかったら木村佳乃さん演じられた精神科医さんの登場とかきっと
唐突に感じたかもしれない。
勝浦刑事と、三島刑事のやりとりにある“ふくみ”とか。

松田龍平さん演じた三島刑事、いい存在感あって好きだなあ。
佐藤浩市さん演じる勝浦刑事とのやりとりには思わずぷぷ、ときたりして。

加害者の妹を演じた志田未来さんの目力はすごいかも、と感じました。
映画の前半なんてほとんど台詞らしい台詞もないのにね。
理性の上では加害者の家族には罪はない…なんて考えられても、実際のところ
感情面では連帯責任なり、理由なり求めてしまうものだし。
難しい役どころなのに、嫌味を感じさせずよく演じ切ったなあと思います。




レボリューショナリー・ロード~燃え尽きるまで

こんなに痛くて、悲しくて、辛くなる映画を観たのは久し振り…かもしれない。
何がつらいって、妻側の、エイプリルの感じた虚無感を理解してしまう自分が、です。

 *「レボリューショナリー・ロード」公式HPは→ こちら

本当に自分がそう思っているのかわからないのに、相手も自分も傷つくこと言葉を
とにかく吐き出してしまわなければ感情がおさまらない…そんな応酬の数々。
身に覚えがあるだけに!?余計観ていてしんどいものが。

「結婚」「夫婦」に起こりうる問題として宣伝されているけれど、柊は二人のというよりもっと
個人的な問題のように考えます。
上手く言えないのですが…。
人生の、先の展開がわからない不安より、先が見えてしまった(と思い込んだ時の)絶望感の方が人は苛まれてしまうのかもしれません。
特に女の人の場合は結婚した時より、子供を産んで子育てが一番大変な時にこそそんな考えに陥りやすくなると思います。
子供の世話と家事に追われている間に自分の時間が砂粒のようにこぼれ落ちてしまい、
今という時間は取り戻せず、このまま自分の人生を生きられないんじゃないかという不安に負けてしまいやすい。
子供や夫に、自分の人生を奪われた…なんて被害者意識になりやすい。

子育てすることに生きがいそのものを感じられたり、「つらいのは今だけだ」と割り切って頑張れる人ももちろんいます。
でもその狭間で、夢とか“自分自身の”理想とする生き方と生活とを両立させることが出来ず苦しむ人が結構いたりするのではないでしょうか。
そうしたときに最も近くにいる存在が夫や子供だったりするから、板挟みの苦しい気持ちを家族にもろにぶつけてしまう…ように感じます。
そんな時期にも相手ときちんと向き合い、通じ合えたらいいんだけど、お互いに「自分が望む生き方」をぶつけ合うわけだから妥協点なんてあるわけもなくて、納得なんて全然できないけど、でもどちらかが(きっと妻側が養われているという負い目もあって)自分の気持ちを押し込めるしかない。
石みたいに固く重く、沈めた気持ちがその後どうなるかは柊にもまだわからないのだけど。

ラストシーン間近の朝食のシーンが非常に印象的でした。
決定的に二人の気持ちがすれ違っている、リアル過ぎるシーンには怖さすら感じます。

うーんだけど。
世の中にはたくさんの紆余曲折を経ても最後まで添い遂げるご夫婦がたくさんいると思うのです。
「先が見えてしまった」と思ったこと自体が錯覚に過ぎなかったと…ふっと視界が広がるように感じるときがちゃんと来ると思うのです。
だから、この映画を観てどよよーんとはしても、落ち込んではいけないと思います。



ヘルボーイ2 ゴールデン・アーミー

「夫が観たい」というので一緒にくっついて行きました。
「1」観ていないし、物語もよく知らないのですがHPを見たら監督が「パンズ・ラビリンス」の
ギレルモ・デル・トロ監督だったので

美しいけれど残酷、醜いけれど惹きつけられる、そういう映像が見られて満足。
物語がコメディ…?じゃないけどコミカルなので、ダークさはないけれど
不可思議な闇の世界の住人たちを描き方がやっぱり好きだ…。
「二度は観れない」と思った「パンズ・ラビリンス」だけどまた観てみたくなったかも。


 *「ヘルボーイ2 ゴールデン・アーミー」公式HPは→ こちら

1月に入ってから観た映画はシリアスなものが多くて…。
難しいこと考えずに楽しめる映画が観られて、一息ついた気持ち(笑)


マンマミーア!

ABBAの名曲満載ですごく明るいテイストの映画なんだけど、終始うるうるして観てしまいました。



 *「マンマミーア!」公式HPは→ こちら

母親と娘の関係って正面衝突しつつも仲が良かったりして不思議ですね…
お互い良好な距離関係をずっと維持できるといいんですけど☆

柊には二人の娘がいますが、彼女たちが恋をして結婚を控えて…なんて年頃になったら
自分はどんなことを思うんだろう、その頃どんな考え方をして生き方をしているんだろうなんて
ついつい考えてしまいました。
娘の視点じゃなくて、母親側の視点でこの映画を観てしまってるんだわーと思ったら
へんに感慨深かった(笑)

娘たちが結婚を控えるようになったら、もう一度「マンマミーア!」を観たいと思いました。
きっと涙腺ゆるんでぼろぼろもらい泣きしつつ観ちゃうんだろうけど、
映画の力を借りてそうなりたいなあという気持ちもあります。

後半物語は意外な展開をみせてびっくり!
まさかそうまとまるとは。

それにしても音楽の力って素晴らしい!
耳慣れた楽曲が、物語を得てまた違ったメッセージを聴かせてくれて…どきどきしました。

今回は映画観賞だったけど、機会があったら劇団四季のミュージカル版とかも観てみたいなあ。



少年メリケンサック(2・18)

「…あ、ありえない…ていうかこんなやっちゃっていいんですか?」みたいな。
普段聞きなれない音楽と、過激さにカルチャーショックを受けたみたい…☆



 *「少年メリケンサック」公式HPは→ こちら

うーん、なんといっても宮崎あおいさんと、佐藤浩市さんの普段のイメージから
かけ離れたキャラクターに驚きです~。

宮崎あおいさんといえば、つい最近まで大河ドラマ「篤姫」を観ていたので、
つい可愛らしさの中にも凛とした佇まいを思い描いてしまうのですが、
この映画冒頭からの寄り目顔には思わず「ぷ」と笑ってしまいました…♪
ユースケ・サンタマリサさん演じる社長とのいかにも現代的!?なやりとりには
目が点になっちゃいそうだったし。
あんなこと、こんなことも?ああ、そんな台詞までっ!と驚きの連続でした。
恋人役の勝地涼さんとのやりとりにももちろん笑っちゃいました。
(勝地さん…「篤姫」のときはジョン万次郎役で共演していたことを思い出し、
これまたおおお~、と驚いてしまいました☆)

そしてそれ以上に度肝を抜かれたのはやはり佐藤浩市さん演じられた役柄でしょう…。
先日「誰も守ってくれない」での刑事役を観たばかりだったので余計にギャップが際立つ!

登場シーンのあまりのむさくるしさに思わず涙したくなったかと思えば、
髪を逆立たせたり、凶暴だったり、意外に子供好きだったり変幻自在。
すごすぎる~の一語に尽きます。

…で、柊にパンクのなんたるかが理解できたか?といえばそれは相当怪しいかも(笑)



ハルフウェイ 2/25

岩井俊二監督がプロデュースしている…!というので観にいきました。



 *「ハルフウェイ」公式HPは→ こちら

卒業を間近に控えた、不安と期待が入り混じった特別な時間。
初々しいというか、青々しているというか、観ているとどうしても
「羨ましいぜこんちくしょう」みたいな気持ちになっちゃう(笑)

受験だろうが勉強漬けだろうが、進路がどうとか悩んだって
結局楽しそうじゃないか~!とやっかみを込めてつい観てしまう柊…。

だけどこの主演の二人には好感を持ってしまいます。

女の子のわがままさも、それを気弱に受け止めちゃう男の子もどっちも可愛らしい。
「ああ、特別な時間だね」と感じられます。



チェンジリング 2/28

映画の序盤から心が痛くなります。
夕方、いつもなら子供は家にいる筈の時間なのに帰ってこない…。
子供がちゃんと帰ってくるまで、無事な姿を確認するまでの不安な気持ちは
親の立場にある人なら一度ならず経験があるのでは…。
通常なら、「ごめんねー。ちょっと遊んでて遅くなっちゃったー。」なんて能天気な子供の
態度にそれまでの心配も一気に吹き飛んじゃうのですがこの映画の場合は…。

 *「チェンジリング」公式HPは→ こちら


アンジェリーナ・ジョリーが体現してくれた子供を思う母親の気持ちには胸がしめつけられるようでした。
彼女の言葉を信じ、ともに行動を起こしてくれる人がなかなか現れてくれないことにやきもきさせられました。
市民の安全を守ってくれるはずの警察が全くあてにならないどころが更に彼女を追い詰める側にまわるなんて…!
警察、政治、そういった機関の上部に個人の利益と保身しか考えない人が着いたら…こんな恐ろしいことが起こりうるんだ!…と恐怖を覚えます。
こんな簡単に発言を奪ってしまえる。自由も、何もかも。

今なら子供が本物かどうかなんてDNA鑑定すれば即決着がつくのだろうけど、
この事件が起こったのはそういう科学鑑定がなかった時代。
本当に周りがそういうように、子供は本物で自分に見分けがつかないのだろうか…なんて
自分に自信が持てなくなるほど“言葉”に翻弄されてしまう。

中盤から事件は想像もつかない展開を見せるのですが、そんな中で彼女の気丈さは本当に強く、美しく見えました。

普通の監督ならこれ以降は観る側の想像にまかせるだろう、と思うような部分まで
クリント・イーストウッド監督は引っ張って引っ張って描き切ったなあ…!と感じます。
観る側にまかせるんじゃなくて、自分が観せる場面に自信と責任を持つ、という姿勢が
作品に信頼を生んでいるのかもしれないなあと思います。

ラストシーンの、アンジェリーナの表情と最後の台詞がエンドロール後も映画に深い余韻を残してくれます。

昨今、親から子への虐待などが日常茶飯事のごとく報道されるけれど、
子供を思う母親の気持ちって、やっぱりこういう愛情だったり繋がりだったりするんじゃないかって
訴えかけられているようにも思います。



オーストラリア 3/4

映画の大きなスクリーンにも収まりきらない程に、開放感のある土地なんだなあ…オーストラリアって。

バズ・ラーマン監督…といったらダンス・ホール、或いは閉鎖的な街だったり、
とても限定された狭い範囲の場所で描かれる物語がほとんどだったと思うので
こんなにも開放的で(野外で)、躍動感があって、しかもスケールの大きなお話…というのが
実は意外に思ってました。

1500頭もの牛を引き連れて砂漠を移動していくシーンや、野生馬が疾走するシーンなど
昔懐かしい西部劇?カウボーイ映画を彷彿とさせてくれてどきどきしました。


 *「オーストラリア」公式HPは→ こちら


この映画の一番の見どころはサラを演じたニコール・キッドマンの美しさ、
そして時を経るごとの変化だと思います。
貴婦人らしい凛とした佇まい、牛を追いながら砂漠を大移動する過程で身につけていく逞しさ、
少しずつ心のうちに宿していく母性…。
ああ!映画序盤のコミカルな演技、眼鏡姿ときたらもう最高です!

そして彼女を終始支えていくヒュー・ジャックマンのカウボーイ然とした格好良さときたら…。
内心「きゃー♪」なんてミーハーな悲鳴をあげてました。

だけど、映画を観る前はこの二人のラブストーリーに終始するのかと思ってましたが
戦争やそれに伴う利益争い、先住民族アボリジニや黒人、混血児に対する差別問題など
オーストラリアという国にあった出来事を教えてくれるものでもありました。

この映画を観ていて悲しくなったのは、オーストラリアという国に日本軍が攻撃したことがあったこと、
デイヴィッド・ウェンハムが悪役敵役で登場していたこと、です。

彼らの物語の中に、日本という国が影を落としたのだと思ったら…何だか胸が痛みます。



永遠のこどもたち 3/9


幽霊の存在が、本物か否かなんて大きな問題じゃない。
どちらであろうと、母親が子供の無事を願う気持ちは真実なのだから。

 *「永遠のこどもたち」公式HPは→ こちら

ホラーとの噂を聞いてどきどきしながら観たのですが、観終わってみれば
終盤の展開、余韻は何とも切ない願いに満ちていて思わず涙腺がうるうると…。

行方の分からなくなった子供の安否と所在を気遣う母親というシチュエーションは
先日観た「チェンジリング」にも重なるけれど…そこからの展開はまったく異なります。

目に見えない存在を感じさせるシーンには終始どきどき心拍数が上がってしまうのですが
台詞や場面にちりばめられた付箋が繋がって見えてくる流れがとてもきれいです。

いろんな解釈を許してくれそうなラストも好きです。

なんとなく、ギレルモ監督の「パンズ・ラビリンス」を思い出す気もしますね…。

いい映画でした♪ 柊の好きな雰囲気を持った映画でした。




ジェネラル・ルージュの凱旋 3/12

チーム・バチスタ事件から一年。
救急医療にまつわる数々の問題を指摘しつつ緊張感のある物語が展開…!?
とはいえ田口医師&白鳥コンビののほほんとしたやりとりは健在でした~☆

 *「ジェネラル・ルージュの凱旋」公式HPは→ こちら

シリーズ中とっても人気の高いキャラクターであろう速水医師を
堺雅人さんが演じられるなんてー!
それだけでも「観に行かなきゃ」という気にさせられちゃいます。
ああ、相変わらず何か含みを持たせた役柄がとっても似合う♪

救急車で搬送されてくる患者の受け入れ拒否であるとか、医者不足であるとか
ちくりちくりと病院が抱えている問題点を指摘する部分も考えさせられます。
だから映画はフィクションとわかっていても速水医師の「患者はすべて受け入れる。」との
言葉がすごく頼もしく感じられちゃうんですよね。

緊急時に備えるというのは大切なことだとわかっていても、予算だとか
目先の問題に惑わされて先延ばしにされてしまう…。

医療問題って難しそうだからといって、医療に直接関わっている人たちだけに
丸投げしていい問題ではないのでしょう。
何と言っても、いつか自分の、そして家族や大切な人の命が関わってくるかもしれないんだから。



ワルキューレ 3/25

実は観に行く前はそれほど期待をかけていませんでした。
予告編で観るトム・クルーズはどうしたってドイツ人には見えないし、
ドイツを舞台にした映画なのに英語を話しているし…??

でも実際観始めたら場面の一つ一つ、緊迫した空気に惹きつけられて気にならなくなりました。
ヒトラーが暗殺されたという歴史は存在しないから、彼らの計画が失敗に終わったことは
観る前から周知の事実ではあるのだけれど、「もしこの計画が成功していたらどうなっていたか。」とかずっとずっと考えてしまいました…。
そうすれば日本の敗戦の仕方も違っていただろうか、とか。ううーん。

計画が失敗に終わってしまった原因は後から思えば多々あげられるけれど、
どれもがタイミングだったり、ひとりの人間の保身の考えだったり、どこで流れが
入れ替わるかわからない微妙な橋わたりだったのですよね。
その後の“ヒトラー自殺”“敗戦”の事実を知っているから、余計に切ないものが
こみ上げてくるのかなあ…。

ワルキューレ…とは戦いの女神の名前。
女神は彼らの計画に成功をもたらしてはくれなかったわけだ。
その一方でナチスドイツ、ヒトラーにも幸運を与えはしなかったけれど…。

  *「ワルキューレ」公式HPは→ こちら








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