8(完)


「私もうちょっと話をしていたかったな」
「どうしてだ・・・」
「だって南雲さんの弱味を聞けたら何でもおごってもらえる
じゃない」
「な、成程っ」
「そういうこと」
「俺は嫌だっ」
「ああ・・・残念残念」
「・・・・」
僕達はそのまま歩きだし次の駅まで歩いていた
「なあ・・ちょっと疲れたな、一休みでもしないか」
「そうですね、体も冷えきってきたし」
「うん・・私も」
「じゃあ、近くの店でも入るか」と言い
オカリブの木という店に入り席に座る。
彼女が「私、ホットチョコ頼んでおいて、ちょっと・・」と
化粧室へ向う。
「南雲・・・」
「何ですか、反町さん」
「俺さここまで歩いててさ、誰かにつけられている感じが
するんだけど」と小声で話す。
僕も小声で「いつからですか」と聞くと
「お前の高校の時の同級生と知り合ってまもなくだよ」
「まもなく・・・でも僕は全々気がつかなかったですけど」
「そうか・・・じゃあ俺の気のせいなのか」
「・・・なんともいえないですけど」
「どうしたの二人でコソコソ話しちゃって」
「えっ」とゆっくりと自分の彼女を見る
「別に美和の事を話をしてたわけじゃないよ」
「ホントかな」
「本当だよ」
「じゃあ、何の話をしていたか、教えてよ」
「安達・・・顔をもっとこっちに近づけろよっ」と
僕の頬にあたるような所までちかづけてくる。
自分で言ったとはいえ、別に好きでもないのに
ドキドキしていた。
「南雲、何、顔を赤くしているんだよ」
「えっ、い、いいえ、別にっ」
「まさか人の女に恋なんかしているわけないよな」
「あ・・・・あるわけないでしょ、僕には」と思わず
口からでそうになり両手でおさえる。
「今、なんて言った」
「べ・・・別に、そんな事より、安達に言わないと」
「・・・・知っていたよ、あそこからずうっとつけられていたのは」
「やっぱり・・・」と間違っていなかったことに確信した。
「でも違うかもしれないと思っていたけど、やっぱり
違うみたい」と席から立ち上がり、後ろにある座席に向い新聞を
見ている人にむかって、「あなたはどうして私達を・・・」
急に言葉が止まる。
「どうしたんだ、美和」と席から離れ美和の元に行く。
「何で・・・・」
「お客様・・どうしましたか」と店員が寄ってくる。
突然「キャーーーーーッ」と叫びだす。
カウンターにいた店員がかけつけてきて「どうしたの」と
見ると新聞を持ったまま男性は死んでいた。
後から来た店員が警察に電話をかける
「もしもし警察ですかっ、・・・のオカリブの木ですけど
人が死んでいるので大至急来てくださいっ」と言い電話を切る。
お客様には悪いと思ったが店員が「すいませんけどこのままで
お待ちになっていただけませんか、これから警察が来ますから」と
言い、立ち止めた。
数十分後警察が来た。
「・・・あなた達は」
「どうしてここに・・・」
店員が来てこの方が第一発見者ですと話をしてくる。
「まさか、ここであなた達が第一発見者だったとは」
「朝宮警部、この人達は・・・」
「君は、死体の方に」
「わ、わかりましたっ」と万田刑事が
死体の所で調査をしている。
「どうしてあなた達が・・・」
「僕達はただ観光客として・・」
「すいませんが第一発見者として警察署まで・・」
「それは絶対に行かなければならないんですか」と
僕が言うと
「・・・強制はできませんが」
「では僕だけを連れていってはどうでしょうか」
「えっ」と警部が驚く
「だから、僕だけを」
「南雲・・・」
「反町さん達は二人で楽しく買い物したりしててくださいよ」
「でも・・」
「それじゃあ、警部さん行きましょうか」
「いや・・・あ・・・・」
警部と僕は二人で警察へ・・・・・。
残された二人は・・
「美和、どうする」
「どうするって言われても」
「・・・・・・」
「やっぱり私達も警察に行った方がいいような気がする。」
「・・・そうだよな」
「そこにいる警察の人にどこの警察署に行ったらいいか
聞いて見ましょうよ」
「あ・ああ・・・」
美和が積極的に、警察の人に聞く。
聞いた後、私達は二人で南雲がいる警察署に向かう。
着いてから捜査課に行き
「すいません」と声をかけると
「はい、どうしましたか」
「朝宮警部と一緒に来た男の人がいますよね」
「あっ、はい」
「私達、その男の人と友達なんですけど
朝宮警部を呼ぶか、私達を取り調べ室に連れて行って
ほしいんですけど」
少し間があり、その人は後ろにいる警察官と相談する。
「わかりました、今から案内します」と言い
一緒について行く。

「トントン」
「はい、」と朝宮警部が返事をする。
「取り調べ中、申し訳ないのですが、南雲さんの
知人と言い会いにきて、今ここにいるんですけど」
「中に入ってもらってくれ」
とドアが開く。
「南雲」
「なんでここに来たんですか」
「お前だけに負担をかけるわけには」
「反町さん・・・・」
「・・・君達も中へ入ってきて」
「はい・・・」
と中へ入り、椅子に座る。
「それでは、続きをしましょうか、南雲君」
「はい・・・」
話は続き、一時間ぐらいしてから解放された。
「とにかく、何かあったらすぐに連絡してもらえないかな」
「わかりました」
「あのー」と美和が警部に声をかける。
「どうしたのかい」
「私達、明日には帰らなければならないんですけど」
「あっ、そうか、そう言えばそんな事言ってたな」
「どうすれば・・・」
「君達はそのまま、帰っていただいていいですよ」
「でも事件は・・・」
「もし君達が関与してても、帰っていいですよ」
「本当に大丈夫なんですか」
「ええ、大丈夫ですよ、とりあえず何かあったら
電話はください。」
「・・・・わかりました」
とドアを開け警察署をでる。
「・・・・とりあえずこれからどうする」と
先輩が言い出す。
「そう・・・ですね、ご飯でも食べに行きましょうか」
と南雲が言い出す。
「そう言えば、お腹が減ってきたね」
「そうだな、何か食べに行くか」
と難波の方に向かい、食事を済ませホテルに帰った。
僕は先輩達と別れ部屋に入る。
すると一人の女性がベッドに腰かけている。
唖然と見ていた。なぜここにいるんだ
ここは僕の部屋で、部屋に入るのには、今右手に持っている
カードがないと入れないはずなのにどうしてこの女性は
ベッドに腰かけているんだろう
「南雲さん、お元気ですか」
「えっ・・・・」
何で僕の名前を知っているんだろう
「私、今までの事件を起こした犯人です」
「えっ・・君は何を言っているんだっ」
「だから、二日前にメールを入れたのは私なの
そしてあなたの先輩の隣の部屋で事件を起こしたり
今日の事件も私が起こした事」
「・・・なぜ僕にメールを」
「あなたに入れたのはただ選ばれただけ」
「選ばれた?どういう事」
「この世の中には表があれば裏があるのよ
そしてその中で選ばれたのが南雲くんなの
でもただ選ばれたわけではないの」
「・・・・・」
「あなた前に何かの事件を解決したことないかしら」
「事件?」
「確か・・・痴漢の事件だったかしら」
「痴漢?・・・・ああっ」
「思いだしたようね、その事件裏の世界で流れてきて
人によっては笑う人もいれば、このまま生かす訳には
いかないという人もでてきたの、そして選択され
試す事に」
「試す・・・」
「あなたは何気なく痴漢の人を捕まえたかもしれないけど
その人は裏の人だったのよ、それも位が高い人
だから私達は、もう一度事件を起こし解決ができるか
試したんだけど、全々駄目ねっ」
「駄目ね・・・と言われても、あの時はたまたまで」
「あなたにとってはたまたまだったのかもしれないだろうけど
私達にはそういうわけにはいかないのよ」
「だったらどうする」
「あなたを殺すしか・・・」
「今殺したら君が犯人だとわかってしまうんではないか」
「それには問題はないわ」
「えっ」
「あなたは勘違いをしているんじゃないの」
「・・・・」
「私がここにどうやってはいったと思っているの
わざわざフロントで借りられると」
「違うのか」
「やはり・・・生きている価値もないようね」
「・・・・」
「死ぬ前に教えてあげましょう
ここに入ったのはこれよ」とポケットから何か取り出す。
「それは・・・」
「そう、同じ鍵」
「・・・・んっ、でも違う」
「さすがね、これは特別の紙よ」
「まさか紙で部屋が開くなんて」
「驚いた」
「ただそれだけではないの・・・
それでは・・・」と拳銃をだし僕に向ける
そして・・・・銃声の音が鳴り響く。
それに気が着いたのか反町さん達が部屋からでて
僕のドアの前まで走ってくる。
「おいっ、どうしたんだ」と言いながらドアを叩く。
「駄目か・・・美和っ、フロントに言って一緒に来て
もらってくれ」
「あ、うん」と美和はエレベーターで下へ降りていく。
「誰かにいるのか」と大声をだす。
少し経つと、フロントの人と一緒にくる。
「どうなされましたか」
「いや・・・はっきりとはわからないんだけど
今銃声が聴こえたので、ここにというか後輩の所に
きたのですがでてくれないので」
「・・・わかりました」とスペアキーを出し
ドアを開ける。
すると飛び出してくる女性がいて非常口がある方向へ逃げようと
する。
思わず手をひっぱると・・・・
逃げていく・・・・
美和はその時何かを感じていた。
フロントの人が部屋に入ると南雲が横になっていた。
「お客様っ」という声に反応して反町は中へ入ってくる。
南雲の体に近づき揺さぶりながら「おい、おい・・・・」
フロントの人に向かって「すいませんけど、救急車を」
「は、はい・・・」と部屋から出ていく。
「南雲・・・・」
「そ・反町さん・・・」と目を少しずつ開ける。
「大丈夫か」
「ただのかすり傷ですよ」と自分の力で起き出す。
腕から血がでているが・・・
「本当に大丈夫なのか」
「心配しなくても・・・・」
「ねぇ・・・・」と美和が下を向きながら言う。
「ん・・・・」
「哲哉・・・・」
「どうしたんだよ」
「今出て行った女性知っているんでしょ」
「えっ」
「隠さないで・・・」
「ああ・・・知っているよ、名前は水上あさみ」
「水上・・あさみ」
「そう・・・」
警察が来て警部に何もかも報告した。
「そうか・・これで事件は解決の方へ」
「そうですね・・・」と反町は寂しい感じでいう。
「警部さん」
「なんだい」
「そのー・・・、水上あさみの事なんですけど」
「あ・・・・ああ、心配しなくても大丈夫だよ
だから今日はゆっくりと眠ってくれ」と警察の人達は帰っていく。

事件は終わったかに見え、僕達は次の日東京へ帰る事に。
着いて二、三日が経ったある日・・・・

電話が鳴った。
「もしもし・・南雲ですけど」
「大阪県警の者ですけど・・・
「・・はい、僕ですけど」
「私だよ」
「あっ・・・朝宮警部さん」
「事件の事なんだけど・・」
「はい・・・・」
「水上あさみは・・・亡くなっていたよ」
「・・・・」
「知っていたのか・・・」
「別に知っていたわけではないのですが
もしかしてと」
「・・・・そうか」
「じゃあ事件は・・・」
「ああ・・事件はこれで終わりだ
だけど・・・・」
「でも・・・」
「ああ・・・・」
「それじゃあ、一緒にいた反町さんにも言っておきますよ」
「ああ・・・それじゃあ」
「こちらこそ・・・」と言いその後電話を切った。
僕は反町さんの所に電話をかけ、警部に言われた事を全部
話をした。
「そうか・・・亡くなっていたか」
「はい・・・」
「・・・・」
「反町さん・・・」
「ん・・・」
「今回の事件は・・・」
「終わったことだから、これ以上言わなくていいよ
それじゃあ・・・」と暗いまま切った。

事件は終わり今まで通り仕事をした、あれから何も起こりは
しなかった。ただ自分の中ではこのまま本当に終わったのか
疑問を持ちながら・・・。


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: