白浜幸市の事件簿3


「ど、どうしたの…」
「俺達で探しに行かないか?」
「え!?」
「このまま亜美を待っていても来るかわからないし」
「そぅだけど…」
「俺達は明日から仕事があるんだから
今日の内に探し出さないと…」
「そ、そだね…今日帰る日だったね…忘れてた」
「だからさ」
「うん、わかった……」

僕達は支度をし、荷物を車に乗せ…スキー場へ向かった。

開始時間早々に…滑り出し…辺りを見渡すもやはり亜美の姿は見当たらなかった。


「やっぱりいないね」
「ああ…もう一回探してみよ」
「うん」
「じゃあ今度はあっちを探してくれないか」
「わかった。じゃあ…今9時だから…どうする?」
「とりあえず、見つかり次第電話をしよう。もし繋がらなかったら
12時にいつものロッジで待ち合おう」
「わかった。じゃあ…」と麻美と別々の行動をとった。

しかし…探しても一向に見つからず困っていた時双海に出会った。

「あら…幸市さん」
「双海さん…」
「いつまであそこにいるんですか?」
「え?」
「ちょっと気になって…」
「!?…実は今日帰るんだ」
「そうなんですか…それは残念。そう言えばお友達は?」
「うん…ちょっと」
「そういえば…一昨日刑事さんが来てましたよね」
「え?うん…」
「何かあったんですか?」
「…(!?待てよ。双海さんは亜美の顔を知っている。もしかしたら
何かわかるかもしれない)」
「どうしたんですか?急に考え込んで…」
「あのさ!僕の友達の中に少しプックラとした女性がいたの
憶えているかな?」
「?……ええ思い出したわ・その人がどうしたんですか?」
「実は…」
「行方不明なんですか!?」
「え?…何も言ってないけど」
「(汗)すいません」
「いやそれがその行方不明なんだ」
「え!?ぇぇぇぇえええ…」
「(汗)それでさ。一昨日見なかったかな?」
「見ましたよ」
「え、え?ほ、本当に……どこで!!」
「ここですよ」
「え?まさか…」
「あ!なんか疑ってません…」
「いやそういうわけじゃないんだけど…」
「そうですかぁ…」ジーッと見る双海
「それよりここで何を見たか教えてくれないか?」とかわす幸市。
「確か…11時ぐらいだったかな…男の人にナンパされてたみたいで」
「え?」
「それから…下まで滑っていきましたけど」
「そっか…その後なんか…わからないよな」
「知ってますよ!」
「え??」

「あの後、私も滑っていて会う事はないと思ったんですけど
ナイターの20時ぐらいに切り上げたんですよ。そしたら…
見た事ある人が…知らない男性と貸しロッジに入ってくのを見ましたよ」
「え!?ホント!!そこに案内してくれないかな」
「いいですよ」と下まで滑っていく。
滑っている間考えていた…
まさかそこに監禁されていて…
それ以上の事を考えないよう努力していたが…。。。

その場所に着き。双海さんには帰るよういった。
だが何かあれば困るしということでいることに…。

僕は呼び鈴を鳴らす。
すると…男性が出てきた。
「はい…なんですか?」と横柄な言い方で言ってくる。
「すいませんが…一昨日ここに女性が来ませんでしたか?」
「!?何言ってんの!!バカじゃねぇの」
「いや必ず来てると思うんですよ。名前は八坂亜美と言うんですけど」と
言うと彼は少しずつ表情に変化がでてきた。
「そ、そんなやついるわけねぇだろ…ささっと帰れよ!!」と強引にドアを
閉めようとするところ足で止め強引に中へ入り…辺りを見渡し大声で
亜美ー亜美ーと何度も連呼しながら…奥の部屋へ入っていく。

中に入ると…亜美のスキーウエアは脱がされててTシャツも少し破けて
まるでレイブされたかのような状態でおり。ゆっくり近づき…亜美と
声をかけると亜美はゆっくりと顔をあげ…僕の姿を見た途端
泣きながら来ないでーーーーーーっっと全身を隠すかのように行動をとった。

後ろから…男は「本気でする気はなかったんだよ。
ただ抵抗してきたからさ、つい…よくある話だろ」
「……貴様がやっていることは、ついという言葉で
片づけられる事じゃないだろうが!」
「だから…謝っているだろ」
「謝ってすむもんか…今から警察に電話してやる」
「そ、そんなこと絶対にさせない…」
「!?」
「も。もし貴様が警察に電話しようとしたら…このナイフで」
「お、おぃ正気か!?」
「こんなことで捕まるか…」
「て、てめぇ…」

その時である…玄関先のドアが開く音が聞こえる
一瞬にやばいっと思った・
「ふ、双海さん!!こっちにこないで!!」と一生懸命大声を出すも
徐々に近づきドアが開いた瞬間。
男は躊躇いもなく刺した。

僕は思わず目を瞑ってしまい…ゆっくりと目を開けると
刺されたと思っていた双海はそこにはおらず警官が横に倒れ
そして刺した男は他の警官に取り押さえられていた。

警官に男は連れられ…その後刑事さんが来て…亜美に今までの事を
聞くため…警察へ連れていかれた。

僕は…どうすることもできず。亜美が連れて行かれた後。その場に
しゃがみ込んでしまった。
少し経つと双海さんが中に入ってくる・。
「大丈夫?」
「え?ああ…なんとか…」
「そう…」
「君が警察を?」
「ええ…何か嫌な予感がしたから」
「そぅかぁ。ありがとう、君が電話してくれなかったら
大変な事になっていたかもしれない」
「私は…たいしたことはしてないわ。それより…」
「ああ…亜美の心はボロボロだよ。これからどう接していいか」
「そぅだね…私がもっと早く言えば」
「そ、そんなことないよ。もし双海さんが亜美を見つけていなかったら
どうなっていたかわからないんだから…」
「そう…言ってもらえるとうれしいわ」
「あ!」
「どうしたの?麻美に知らせないと…」と携帯を取り出し電話をする・
見つかった事と…すぐに下へ降りてもらう事を告げた。
合流して…事件の事を話した。。。

「そ、そんなぁ…亜美が…」
「はっきりしたことはわからないんだけどね…」
「………」
「じゃあ俺達も警察の方へ行くか」
「うん…」
「じゃあ。双海さん、僕達は帰るね」
「うん…帰り気をつけてね」
「ありがとう…」

僕達は双海さんと別れ、警察へ向かった・・・が。

亜美は精神的にボロボロで…事情を聴ける状態ではなく
しまいに錯乱状態となり…僕達の目の前で…自殺行為をしようとした。
すぐに取り押さえられ…近くの病院に搬送となり入院となった。

無理もない…あんな事になれば人間おかしくなるのわかる…

「幸市くん…」
「お前…明日なんだ?」
「仕事だよ」
「そっかぁ…」
「仕事じゃないの?」
「実は余分に休みはとっていたんだ」
「そうなんだ」
「とりあえず、刑事さんに言って俺達は帰ろう。。。そして看護部長には
事件の事は話をしてなんとかしてもらおう」
「そ、そうだね。噂がでちゃったら大変だもんね」

僕達は刑事さんに説明して東京へ戻った。

翌日…早朝に旅行での出来事を看護部長に話をした。
看護部長は…とりあえず、家の事情で実家に帰っているということに
してもらった。

僕は…話をした後、再び一人で新潟へ向かった。

病院に着き、看護師に聞くと昨夜はかなり興奮していたが
今は落ち着いてて眠っているとの事だった。
「じゃあ…今は逢えますかね」
「そうですね…目が覚めて思い出すと困りますが、少しの間だけなら」と
許可をもらい病室へ向かった。
病室に入り…顔を見ると…抵抗した時についた傷跡なのか
ガーゼを塗布していて…すぐに脳裏に浮かんでしまい
そこにじっといることができず病室を出た。
出たら…刑事さんが壁に寄りかかり立っていた。

「刑事さん…」
「君だったかい…」
「刑事さん、あの男は…」
「ああ…すべて自供したよ」
「そうなんですか…」
「だから…彼女からは何も聞かないよ」
「ほ、ホントですか!!」
「ああ…」
「よかったぁ。もぅ亜美にはつらい思いはしてほしくないです」
「そうだな…白浜くん」
「はい…」
「また何かあったら…教えてくれ助けたいから」
「はい…」

刑事は名刺を置いていき…帰っていった。。。

僕も夕方には東京へ戻った。

22時ぐらいに着いて、一息ついていたら携帯が鳴った。
麻美からだった。


「今日行ったの?」
「ああ…行ってきたよ」
「そぅ…それでどう?」
「俺が居た時はずぅっと寝ていたよ」
「そう…」
「元気になるかな?」
「…今はなんとも言えない。
もちろん立ち直って欲しいけどさ」
「そうだね…」
「幸市くん…今度一緒の休みの時見舞いに行こうよ」
「ああ…麻美もゆっくり休みなよ」
「うん。じゃあおやすみ…」
「おやすみ」

電話を切り…僕も疲れがたまっていたらしくすぐ眠りに…

……何か聞こえる?
え?…でんわ?
ちこく?……遅刻!?

僕はとっさに目が冷め携帯を見る。
着信履歴は…八坂亜美と書いてあり…すぐに出る・

「もしもし!!」
「幸市…」
「どぅした?」
「寂しいよ…」
「え?」
「さみしくて…今にも死にそうだよ」
「……」
「お願い…今きて…」
「え?でも……今度見舞いに行くからさ」
「嫌っ!!幸市が今来てくれないなら死んでやるぅ」
「え?わ、わかったわかった…今から行くよ…時間は…」と時計を見ると
1時を回っていた。。。

亜美にはとりあえず、これから向かうからと説明し車を出し新潟へ。。

さすが夜中って感じ。高速は空いており2時間ちょっとで着いた。
夜間救急の呼び鈴を押し…説明し病棟へ入れてもらった。
すると看護師が…さっきまで八坂さんが錯乱状態に陥って
今鎮静させたところだという。

「よほど…あなたにいてもらいたかたみたいね…」
「そうですかぁ」
「目を開けた時に…いるとホッとするだろうから」
「はい…」と病室へ向かった。

亜美は寝ており…僕は傍でいたら…再び眠りに……

僕は何かを感じ…目を開けると亜美が僕の顔に触れようとする。
「亜美おはよぅ」と亜美の手を触った瞬間
「キャーーーーー」っと叫び出し、端により
「こっちにこないで…」と泣きまくり…情緒不安定と。。

僕はどうすることもできず、ナースコールし看護師を呼び
再び鎮静剤で落ち着いてもらい……横にさせた。

あきらかに後遺症がでていた。

主治医から…東京の専門に見てもらって治療したほうがいいと言われ。。
僕は看護部長に電話をし、今日の事、これからの事を話をした。

看護部長は病院だけでは対処できないと判断し、親に連絡をとり
来てもらう事にした。。。。

親はこのまま東京にはいさせる事はできないと言い、田舎へ
連れて帰ってしまった。

病院では…いろんな噂が飛び立ったが、親の都合ということで
辞めたという事で解決となった。

「亜美は…あれからどうしているんだろうか…」


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