ヒナコの伝言板。

ヒナコの伝言板。

vol.4


一息つく暇もなく携帯がなる。めんどくさそうに起き上がりながらバックの中から携帯を取り出した。
ディスプレイには「時田麻美子」とでている。

「もしもーし、遼です。」
「遼ー?あたし麻美子よん。慶ちゃんとのデートはどうだった?」
「あー・・・うん。もうおなかいっぱいでねむ~い・・・。」
「ふ~ん。よかったね~。話は変わるんだけどね、今度オーディション行くじゃん?で、2次審査が歌なのね?」
「うん。」
「で、遼にもカラオケ付き合ってもらいたくて。」
「・・・なんで??」
「第三者の目から見てほしいのよね~。ハモリの練習にもなるし!!だから今度のLラックスの新曲、あのバラードのやつ、完璧にしてきてね!!まかせた!」
「もう2次の練習するの?まだ1次も通ってないのに?」
「だって間に合わなかったらイヤじゃん。」
「まぁ、麻美子と菜々ならうかるよね!わかった。力になれるかわかんないけど練習ぐらい付き合うよ。」
「マジ!?サンキュー!!じゃあ、頼んだよ。お休みー!」

はぁ・・・。カラオケか・・・。ほんとは行きたくないけど協力するっていっちゃったし、バンドも忙しくなるのに大丈夫かな・・・。まぁ今回のラックスの曲、低めのバラードだから、練習すればなんとかなるし・・・。

再びベットに倒れこみ少しうとうとしかけたとき、また突然携帯がなる。

ったく!だれよ?人が気持ちよく寝ようとしてるときに・・・。

「もしもし?」
「あっオレ。和泉。」

いずみ・・・?あっそうだ。淳君だ。

「うん、淳君?」
「あのさ、視覚とか聴覚とか使って恋するっていったよね?」
「うん、視覚は桜の花びら、嗅覚は彼のコロン、・・・そういえば聴覚ないねぇ。」
「ピアノ・・・って変?
「ピアノ?」
「そう。ピアノ。毎日ピアノの音がきこえてたんだよ。」
「へぇー・・・。いいじゃん!ピアノ!きっとレンガのおうちで女の子が練習してるんだね~。」
「本当は合唱部の朝練なんだけどね・・・。」
「・・・。」
「用事はそれだけ。歌詞できたら、彰さん達のとこもってくから。そのうちまた呼び出されると思うぜ。」
「うん、わかった。なんか歌詞、任せちゃってごめんね。」
「うん、平気。じゃあな。」

そういうと淳はさっさと携帯を切ってしまった。
遼は携帯を机におくとまたベットへと倒れこんだ。


  ・・・・・


次の日の午後、彰の携帯がなった。そのとき彰は同じ大学に通っている光一郎と近くの公園へ作曲のイメージを考えに来ていた。さっきコンビニで買ったポップコーンをハトに与えていたのである。
彰は手に握っていたポップコーンをほおばり、ポップコーンの袋を光一郎にあずけ電話にでた。

「ほーい・・・ははやまれす。」
(はーい   笹山です。)
「どうも和泉です。」

その声を聞いて彰は口の中で残っていたポップコーンを飲み込んだ。

「うん?淳君、どうかした?」
「一応、歌詞できたんで、早くお見せした方がいいかなと。」
「え?ほんとにもうできたの?昨日の今日じゃん。」
「ヴォーカルにイメージだしてもらったので。」
「それにしても助かるよ。俺たち授業空きでヒマだからとりいくわ。」
「じゃあ、昨日のファミレスで。」
「おっけー!」

そういうと彰は電話を切ってハトと戯れる光一郎の方に向き直った。

「おい!光!歌詞が完成した!こっちも早く作曲にとりかかるぞー!!」
「えー!?マジでもうできたのかよ!!うわぁ!」

光一郎が思わず大声を出したもんだからその声に驚いたハト達が一斉に飛び立ち、光一郎がまたそのハト達に驚いた。

「ちっくしょー・・・あのハトのやつ、フン引っ掛けていきやがった・・・。」



           vol.5へつづく・・・

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