神経内科医の徒然診療日記・コロナの時代

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takamatsu0224

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Jan 27, 2015
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有酸素運動は多くの側面で本疾患を改善する。

有酸素運動は罹患率・死亡率の改善と関連づけられている。

本論文の著者 Uc らは今回、パーキンソン病( PD )患者 60 例(平均年齢 65 歳;男性 68 %)において 2 種類の 6 ヵ月間有酸素運動プログラムの有用性の検討を試みた。

運動プログラムは週 3 回のウォーキングで構成され、運動セッションの時間は開始後 6 週間に 15 分間から 45 分間へと増加された。

本試験のもともとの目的はインターバルトレーニング法と持続的トレーニング法の比較であったが、データからインターバルトレーニング法に安全性の問題が見つかったため、インターバルトレーニング群は中止され、その後の参加者はすべて持続的トレーニングに割り付けられた(目標値:最大心拍数の 70 80 %)。

試験開始時および介入後の結果に群間差がなかったため、データは統合された。 49 例( 82 %)の患者がプログラムを終了した。プログラム開始後 6 ヵ月目の評価において、試験開始時に比べ、心肺機能( aerobic fitness )、運動機能(筋硬直、歩行)、フランカー課題における認知機能(抑制の試験)、そして生活の質( QOL )が有意に改善した。

コメント

本試験は盲検化されておらず、無作為化も中止されたが、患者の治療に利用しうる実践的な知見を示している。

運動に関してわかりやすいパラダイムを与えるとともに、有用性を明らかにしている。

PD 患者(そしておそらくわれわれが診ている他の患者)に対して、運動は治療の重要な要素であると伝えてもよいであろう。

Jonathan Silver, MD

引用文献:

Uc EY et al. Phase I/II randomized trial of aerobic exercise in Parkinson disease in a community setting.

Neurology 2014 Jul 29; 83:413.

コメント:

パーキンソン病は、神経難病の中では最も治療薬が開発されていますが、根本的な治療はありません。

期待されている i-PS 細胞移植術による治療法もまだ何年かかるか不明です。またこの疾患の全ての患者さんが、享受できる治療法かは難しい問題かと思われます。実際、患者さんの重症度や、年齢など厳格な規制があるようです。

運動療法は、パーキンソン病だけでなく、神経難病のほとんどに勧められます。

自発的に運動することは、脳神経筋肉の全てを活性化するでしょう。

ブログの更新は、診療の合間に時間がある時だけにしているので、更新しないのは多忙であることを理解して下さい。

遅れましたが、今年も宜しくお願いします。






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Last updated  Jan 27, 2015 11:21:51 AMコメント(0) | コメントを書く


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takamatsu0224 @ Re[1]:ギラン・バレーとジカ、やはり関連(03/08) 大黒町さん >色々新しい病気が出てきて不…
大黒町 @ Re:ギラン・バレーとジカ、やはり関連(03/08) 色々新しい病気が出てきて不安になります…
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