ふくすまの空の下から・・・

今日は７月３日。 いまから１７年前の西暦１９９０年７月３日、我が家のゲンが声もあげず、紫色の手足で、母犬のお なかから出てきかかってました。

たった一匹、ママのエリのおなかに入っているのを、その半月ほど前に、獣医さんにレントゲンを撮って頂いて、分かっておりました。

夫と共に、おなかに手を当てると、グ～ッっと動くのが分かります。世のご夫婦はこうして、妊娠を楽しんでいらっしゃるのかな？っと、私たちも楽しませてもらいました。

さて、その日、母犬がゆっくり入れる大きな箱にシーツを敷き詰め、したくを整えてある中で、ふと気が付くと、もう産み始めてます。

あらら、始まっちゃってる、主人を呼びに行かなきゃ！この瞬間を一緒に見たいのに・・・でももうどんどん出てきちゃう・・・しかも、しかもである！！

紫色した小さな足に、あれ？と思いつついたのに、胴体が抜け、さて頭・・と思ったところで、エリがもう終ったと思ったのか、フ～ッと息を抜いて休んでしまったのです。

ダメッ、ダメダメ、エリッ、まだよ！！まだ！！

わわわわ、大変だ、こりゃ！！このままじゃ死んじゃうじゃない！！

必死に声を掛けながら、エリのおなかを押してみる。でも彼女はもう極楽気分・・・だめだこりゃ～～・・・このままじゃ・・・でもこれを引っ張ったら、首だから何か支障が起きるかもしれないし・・・

数秒間の究極の選択・・・えいっ！！このままじゃ畢竟死んじゃうんだから、引っ張ろう！！

そ～っと、気をつけて・・・でも震える手に力を込めて・・・そ～っとそ～～っと・・・ああ～～、やっと出た！！

でも動かないし、身体全体にチアノーゼが出てる・・・あらかじめ読んでおいた犬の出産の知識をフル回転！！！

きれいな布でまず鼻を覆っている粘膜を取り除き、濡れている身体を拭く・・・一匹しか入ってなかった為か、産まれたばかりなのに、両手にいっぱいになる位大きい。だからエリも難産になっちゃってたのかしら？彼女はもう何もなかったかのようにリラックスしてて、私のやってることにもしら～～ん顔！！

あとでムツゴローさんの番組の犬の出産風景を見て、それでよかったのだと分かったのだけど、布で紫の身体をごしごししてた。マッサージになったようだ。

少しすると、ふ～～っと、大きなため息をしてくれた！！！あ～～、これで生きる！！助かった！！！っと、ほんとにほっとしました。

最初の一息からはもうどんどん血の気が出てきて、いきいきとしてきます。ミャ～と言ったか、ム～と言ったか、夢中で覚えていませんが、声も出して・・・やれやれ・・・

隣の工場にいる夫を早速呼んで・・・彼はそんな事知らないから、のんきにほう～～っとでかいなぁ～っと眺めてる。

こうして産まれた彼が、去年の夏もうあと数日か・・と思ったのも持ち直して、本日めでたく１７歳を迎えられました。

私達も彼にあやかりたや～～と思って、健康に注意をしてゆきたいと思っております。ありがとうございましたぁ～～(*^_^*)

あらあら、ちょこっと誕生のシーンを書こうかと思ったら、こんなに書いちゃってました。読んで頂いた方、恐れ入りました。お疲れ様でしたぁ～～(*^_^*)

今日のゲンです。名前の通り９０ん才の今日も、食欲もあり、「げんき」にしております。以前、弱ったことを書きましたときは、ご心配頂いて、ありがとうございました。