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2009年01月10日
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カテゴリ: 海水魚の病気
ちょっと前に友人が家に来ました。

お魚さんを持参です。
プレゼント?
いいえ、違います。

では何?

友人”このお魚のことなんだけれど…。”
見ると、レッドスポッテッドホークフィッシュがいます。

英名:Redspotted hawkfish
学名:Amblycirrhitus pinos



でもちょっとテンションの下がった友人の声から察して、
ホムラsp”ひょっとして病気?”と聞くと、
友人   ”そう~。”

そしてケースに移して観察いたしました。

Amblycirrhitus pinos1

青矢印の部位が赤くなり、わずかに腫脹しています。

Amblycirrhitus pinos2

側面から観察すると、
先ほどの青矢印の部位は鱗が逆立っています。
これとは別に体表に傷あとのような切れ込みがあります(緑矢印)。
泳ぎには問題はなさそうです。

いろんなことが考えられますが、
ビブリオ病の可能性があるかもしれません。


Vibrio anguillarum、V.alginolyticus、V.parahaemlyticusなどの
細菌の感染によって生じ、宿主が広いことが特徴で、
胸鰭基部や下顎に内出血をきたし、
体部にも内出血や潰瘍形成をきたします。

本症例では、右胸鰭基部前方の発赤、腫脹があり、内出血を疑います。

この傷あとのような切れ込みから
感染した可能性も否定できないと考えています。

さて、友人に治療してくれと頼まれたのはいいのですが、
どうしよう~。
エルバージュで薬浴か。それとも…。
確かニューキノロン系の薬剤の予備があったような…。

今回はノルフロキサシンを主成分とするジェネリック薬品を
ごく少量使用いたしました。

でも、努力空しく、残念な結果になってしまいました。

Amblycirrhitus pinos3

右胸鰭基部前方の発赤、腫脹(青矢印)は広がっています。

体部の傷あとのような部分は治療前と比較して、
ほぼ変化ありません(緑矢印)。

病気は怖いです。

ちなみに、人間に感染する腸炎ビブリオは
海水魚のビブリオ病の原因菌のひとつであるV.parahaemlyticusです。
また、ビブリオ属のV.vulnificusと呼ばれる人食いバクテリアのひとつも、
海水中に潜んでいます。
(人食いバクテリアとして有名なものには
 劇症型A群β溶血性連鎖球菌感染症があります。)

感染しないためにも、このあと念入りに手洗いを施行いたしました。





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Last updated  2009年07月26日 01時14分51秒
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