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2006.11.27
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カテゴリ: 洋画

 ラッセル・クロウ出演作。


粗筋

マキシマスはローマ帝国の優秀な将軍で、英雄。ある戦を終え、故郷へ変える予定だった。
 が、ローマ皇帝は帝位をマキシマスに譲りたい、と言い出す。マキシマスは帝位を引き受ける気は全くなかったが、皇帝の息子コモドゥスの恨みを買う。コモドゥスは父を始末して皇帝の座に着くと、「ライバル」のマキシマスに襲い掛かる。マキシマスの家族を殺し、マキシマス本人を奴隷として売り渡したのだ。
 マキシマスはグラディエーター(剣闘士)となってローマに戻る。
 コモドゥスはマキシマスを見て焦った。マキシマスは、今は単なるグラディエーターに成り下がっているが、自分を必ず脅かすと……。


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感想

「エイリアン」と「ブレードランナー」で有名なリドリー・スコット監督による映画。CGがとにかく多い。制作費1億ドルというのも納得できる。
 が、ストーリーは案外雑で、リアリティに欠け過ぎる。優秀で人望の厚かった将軍であったとはいえ、一剣闘士の地位に蹴落とされてしまった男を、ローマ皇帝の座にある者がさっさと始末できないというのは異常に映る。民衆の力を過大解釈し過ぎていないか。
「下手に謀殺したら民衆が反発し、皇帝の座を揺るがしかねない」という面もあったのだろうが、コロセウムで殺し合いを見て喜んでいる民衆である。数日間で綺麗に忘れ去っていただろう(単により派手な死闘を演出すれば良かったのである)。
 終わり方も最も有り得ない展開。ローマ皇帝コモドゥスが自ら剣闘士マキシマスに決闘を申し込み、五万の民衆が観ているコロセウムの中で殺されるという結末だったから(最後にマキシマスが英雄扱いされ、皇帝の死体がまるきり無視されるというシーンは笑えた)。それだったらマキシマスが計画通りにローマを脱出し、5000の軍を率いて戻り、コモドゥスを倒す、という展開の方がより派手で格好良かったと思うが。前半で制作費を食い潰してしまい、できなくなったのか。
 コロセウムの死闘の場面(特に戦車対槍兵)は迫力あったが、同時にカットが短くて非常に見辛く、何が起こっているのかよく分からない場面が多かった。カットを長くすると残虐シーンを詳細に見せてしまうということもあったのだろうが、もう少し整理して欲しかった。
 悪口ばかりなので、余程つまらなく感じた映画だったのか、とお聞きになられるかもしれないが、そうではない。かなりいい。観て損はしないだろう。しかし、何か物足りない。詰めが甘い。そんな映画だ。
 本作では、死闘を娯楽にしてしまう民衆を野蛮人扱いし、現代社会(特に議会民主主義制のアメリカ)がいかに優れているかという点を強調したがっていた印象を受ける。が、現在も無意味な殺人事件が多発しているのを見ていると、人間は昔も今も変わらないんだな、と思ってしまう。
 現在の格闘ゲームをこの時代に持っていくことが出来るとしたら、かなり儲かるだろう。


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Last updated  2006.11.27 14:01:55
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