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2010.11.28
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カテゴリ: 洋画

 後にスターウォーズを製作するジョージ・ルーカスの初の長編作品。ルーカスは原作・脚本も担当。
 ルーカスが南カリフォルニア大学時代の1967年に制作した短編映画『電子的迷宮/THX 1138 4EB』に可能性を感じたフランシス・フォード・コッポラの援助で、本作は製作された。が、興行的には失敗に終わった。
 映画会社が「訳が分からない」と5分を勝手にカットした事もあり、ルーカスはハリウッド・システムを嫌うようになる。


粗筋

人名すら番号で管理されている、未来の世界。
 人々は広大な地下都市内で、支給される精神安定剤を服用しながら感情も娯楽も規制された、単調な日常を送らされていた。
 そんなある日、女性ルームメイトのLUH-3417と恋に落ちた主人公のTHX-1138(ロバート・デュヴァル)は精神安定剤の服用を止め、タブーとされる肉体関係まで結んだことから、反体制分子として当局に逮捕され、更生施設に送られる。
 しかし、THX-1138は仲間を見付け、更生施設を脱出。
 LUH-3417を探し、救出しようと試みるが、彼女は既に処分されていた。
 THX-1138らは、地下都市からの脱出へと目標を変えた。
 仲間が次々逮捕される中、THX-1138は地下都市から脱出し、地上に出る。


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感想

 ストーリーは、粗筋通り。
 映画は、THX-1138が地上に出て、太陽が大地に沈んでいくシーンで終了。
 THX-1138が命を懸けてたどり着いた地上がどんな風景なのかは、作中では明らかにされず、鑑賞者がそれぞれ想像するしかない。
 逃走はやけにあっさりと成功するし、最後のチェイスシーンも淡々と描かれているので、高揚感はない。シーンがひたすら流されているだけで、それを鑑賞者は何となく受け入れる事を強いられる。

 本作は、殆ど何も説明されていないのが、最大の特徴と言える。
 そもそも何故世界がここまで極端な管理社会になってしまったのか全く説明がなされないし、何故人類が地下都市に留まり、地上に出られなくなってしまったのかも説明されない。
 当然ながら、THX-1138が今後どうなるかについても、これといったヒントは与えられない。
 あらゆる意味で鑑賞者の想像力を要求する。
 SF映画なので、そういうのもアリなのだろうが……。
 一般受けはしない。
 興行的に失敗に終わったのも無理ない。
「2001年 宇宙の旅」に通じる部分が多々ある。
 ただ、「2001年 宇宙の旅」は、公開時に既にそれなりの評価を得ていたキューブリック監督作とあって、もう少し世間の評価が高かった様だが。
 本作も、ルーカスが後に手掛けたスターウォーズの成功もあり、それなりに注目されるようになってはいる。

 1970年代に製作されたとあって、濡れ場もある。
 が、それも無機質で、「ただ男女が着衣していない状態で触れ合っている」と言った感じ。観ている方は楽しくも何ともない。映画の雰囲気にはマッチしている。

 全体的に、いかにも1970年代の「未来像」といった感じの映像。
 本作で登場する自動車は、当時のレースカーを改良したものらしい。そんな事もあり、チェイスシーンはスピード感がある。
 自然物は、最後のシーン(太陽)を除いて、一切登場しない。
 パソコンや機器は、現在の視点からは古臭く見えなくもないが、逆に現実感もある。
 低予算の為こうせざるを得なかった、という面もあるのだろうが、不気味な雰囲気をかもし出すのには成功している。「CGを駆使すればどうにかなる」的な考えが支配している現在の映画界では、むしろ不可能な映像美である。


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Last updated  2010.11.28 13:49:13
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