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2012.03.20
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カテゴリ: 洋画

 2009年に公開された第1作の続編。
 引き続きロバート・ダウニー・Jrがホームズ、ジュード・ロウがワトソン、レイチェル・マクアダムスがアイリーンを演じる。
 本作では、新たにモリアーティ教授としてジャレッド・ハリスが登場。
 監督は前作と同じガイ・リッチー。
 原題は「SHERLOCK HOLMES: A GAME OF SHADOWS」。


粗筋

オーストリア皇太子が自殺する事件が起きる。
 シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr)は、皇太子は自殺したのではなく、暗殺されたと推測。
 事件の謎を解く為に社交クラブに潜入したホームズは、ジプシーの占い師シム(ノオミ・ラパス)と出会う。シムは事件の手掛かりを知った事で(弟がある陰謀に絡んでいる)、暗殺事件の首謀者モリアーティ教授(ジャレッド・ハリス)に狙われてしまう。
 ホームズは、新婚旅行に向かう予定だったワトソン(ジュード・ロウ)を無理矢理引き入れ、ヨーロッパへ向かい、モリアーティの陰謀の阻止へと動く。
 ただ、ホームズらの動きはモリアーティに筒抜けで、彼はあらゆる手段でホームズの行く手を阻む……。


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感想

 ミステリーの要素が殆どない冒険活劇に仕上がっている。
「こんなのホームズじゃない!」という声が相変わらず聞こえそうだが、原作を実際に読んでいれば、ホームズ物は意外にも頭脳派ミステリーというより、行動派活劇なので、その面では違和感はない(流石に原作には本作程のアクションはないが)。
 が、ホームズ=天才型探偵というイメージを多くの人が抱いてしまっている以上、それにもう少し沿ったものに出来なかったのかね、と思わないでもない(そうなっていたらそうなったで「過去のホームズ映画の焼き直し」と非難されていただろうが)。

 ホームズ、ワトソン、モリアーティ、レストレード警部、マイクロフト、モーラン大佐等、ホームズ物ではお馴染みのキャラが登場する大出血サービス振り。その意味では前作からグレードアップしている。
 一方で、前作で登場したヒロインのアイリーン・アドラーは、始めに少し登場するだけで、退場。その後は全く姿を見せなくなる(死んだからかも。これは、キャラやストーリーの都合というより、演じていた女優レイチェル・マクアダムスとのスケジュールを上手く調整出来なかった、という事情があったかららしい)。
 代わりのヒロインとして、ジプシーの占い師シム(ノオミ・ラパス)が登場。ただ、このキャラは本作のオリジナルで、馴染みがなく、アイリーンと比較して魅力度が薄い。また、演じている女優もレイチェル・マクアダムスと比べて華やかさに欠け、最後になってようやく「彼女がヒロインだったのか」と気付かされる(アイリーンがどこかで再登場するのでは、と思ってばかりいたので)。

 ホームズ&ワトソンというバディシステムを、本作でも踏襲しているが……。
 本作のワトソンは、ホームズに劣らない武闘派。
 頭脳も、ホームズには及ばないものの明晰で、単なる記録係の域を超えていて、医師に留まっているのが勿体無い。
 優秀過ぎて、ホームズの行動にひたすら感嘆するだけの筈の「ワトソン役」になり切っていない。
 もう少し頼りないキャラでも良かったと思う。それだと本作のホームズに付き添うには力不足になってしまうか。

 ホームズシリーズそのものの問題点が、本作のストーリーの問題点としてそのまま反映されてしまっているのが難点。
 要するに、大学の一教授に過ぎないモリアーティが、どうやって悪の首謀者に成り得たのか、というのが全く説明されていない。
 天才的な教授、という設定になっているが、大学の教授が賢いのは当たり前。モリアーティ程度の人物(他と比較して群を抜いて優秀と映らない)が「実は犯罪者だった」というのなら、大学は犯罪者の巣窟になってしまう。
 一教授が犯罪組織を構築出来る程の富をどうやって得たのかも不明。モーラン大佐の様な元軍人(本作では狙撃者として描かれている)との接点も分からない。教授をやる片手間にテロ組織を結成してヨーロッパを混沌に陥れる大事業を成し遂げられるなら、世の中富豪だらけになるし、戦争だらけになるだろう。
 あるホームズ物のパロディで、一介の大学教授に過ぎないモリアーティ教授がワトソンを訪れ「コカインの吸い過ぎで頭がおかしくなった君の友人ホームズが、私を犯罪組織の首謀だと信じ込んで付きまとっている。どうにかしてくれ!」と訴える、というのがあったが、むしろそちらの方がリアリティがある。

 本作は原作「最後の事件」を下敷きにしている為、ホームズはモリアーティと共にスイスのライヘンバッハの滝の滝つぼに落ちて死ぬ(実際には復活するが)。
「悪の天才」である筈のモリアーティがこうもあっさりと倒されるとは考えられず、原作に忠実過ぎる上のこじ付けっぽく見えてしまう(第3作の布石か)。

 19世紀末のヨーロッパを描いてはいるが(やけに汚いが)、やはり21世紀の映画らしく、アクションシーンは現代的。
 スローモーションを多用するアクションシーンはくどい。
 一方で、格闘シーンは動きが速過ぎて何が起こっているのかよく分からない。
 スローモーションの場面をもう少し速く、格闘シーンをもう少し分かり易く見せてくれれば、と思わずにはいられない。

 本作は舞台がロンドン、パリ、ドイツ、スイスとめまぐるしく変わるので、登場人物のちょっとした会話を聞き逃すと、何故舞台が次へ移ったのか全く分からないままホームズらが繰り広げる冒険を見守る羽目になる。
 この点は007シリーズにも通じる。

 アクション映画としてみるとそれなりに面白いが、推理物を期待して観ると、肉体派アクションにひたすら圧倒され続ける事に。
 イギリス人を主人公にしていても、やはりハリウッド映画である。


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Last updated  2012.03.20 09:39:22
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