「きらりの旅日記」

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ほしのきらり。

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2022.03.12
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カテゴリ: 美術館・博物館
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ヨハネス・フェルメール『牛乳を注ぐ女』を鑑賞するポイントを8つ知ってみましょう

ヨハネス・フェルメール
​Johannes Vermeer​

​​ The Kitchen Maid (The Milkmaid)1658-1659



(牛乳を注ぐ女) 1658年〜1659年

油彩 カンヴァス 45.4cmx40.6cm

オランダ「アムステルダム国立美術館」所蔵。

(東京「上野の森美術館」フェルメール展外部ポスター撮影)


ヨハネス・フェルメール
Johannes Vermeer
(1632-1675)


1632年10月31日?〜1675年12月15日?(43歳没)

 Jan van der Meer van Delft
ヤン・ファン・メール・ファン・デルフト

オランダ(ネーデルランド共和国)の画家。

バロック期を代表する画家のひとり。

フェルメールの現存作品は、32点〜37点?

20歳にして宿屋と居酒屋の店主と画商・画家を兼務。

​​17世紀オランダの庶民の日常を描いた代表作 ​​


牛乳を注ぐ女』鑑賞のポイント

鑑賞のポイント=1.

​​「立体的な効果を生む影と白い線」​​

顔の左頬や黄色い服の左半身に、



フェルメール流の演出


明るく光のあたる壁との対比によって、

女性の存在を画面全体から

浮き上がらせる効果を与えている。


明るい壁と女性の左半身との境い目には、

白く細い線がうっすらと引かれ、

さらに立体感を強めている。



鑑賞のポイント=2. ​「途中で消された地図」​

X線調査によって・・・

背景には 『手紙を読む青衣の女』 のような

地図が描かれていたことがわかったびっくり



フェルメールはこれを途中で塗りつぶして、

何も無い壁に変更している。

そうすることによって、

見る者の視線が自然と、

女性に集中するような効果を狙ったのだと思われる。




『美しき女庭師(聖母子と幼児ヨハネ)』1507年


鑑賞のポイント=3. 聖母マリアが着る ​『聖なる青』​

西洋絵画では・・・

「青い衣装を着ている女性」は、

純潔な女性であることを意味する

これは聖母マリアを連想させるため。


ヨーロッパでは・・・

色彩にそれぞれ意味があり、

現在でもたとえば、

​「青=聖母」​

​「金・銀=キリスト」​ を思い起こさせる


これは日本人が・・・

「朱色」を見ると神社など、

神聖な場所をイメージするのに近い。



鑑賞のポイント=4. ​「洗濯籠を決して描かれた足温器」​

右下の床に足温器を配置することで、

女性と背景の壁との距離感が明確になっている。

その手前にさりげなく置かれた小枝も、

奥行きを示すさりげない演出。


この床にはもともと、

大きな洗濯籠が描かれていたのだが・・・

テーブルの上にパン籠、

左の壁にも籠があるため、

モティーフの重複を嫌って変更したのかもしれない。

「足温器」・・・とは?

寒い台所の必需品。

人を暖かくすることから、

「他人への気づかい」を意味する。



鑑賞のポイント=5.  ​光の反射は「明るい点描」​

窓からの光がテーブルの上のパンに反射して、

ゴツゴツして質感まで表現されている

光の反射は、

明るい色の絵の具を使用して、

点で描かれており、

このテクニックは・・・

​ボワンティエ技法(点綴方)​ と呼ばれる

フェルメール独特の表現

テーブル上のパン籠にも同じ技法が使われている。



鑑賞のポイント=6. ​ピンと糸を使って「遠近」を描いた。​

女性の右手の上には・・・小さな穴がある

これはフェルメールが、

カンヴァスにピンを刺した跡。


正確な構図を得るために・・・

白い粉などをまぶした糸を何本かピンに結んで、

画面の外側へ向けて張り、

その糸をはじいてカンヴァスに白い跡をつける。


その線をなぞって、

窓枠などを画面上に組み立て他のである。

これは遠近法で描くための方法で、

​「一点消失法」​ という。



鑑賞のポイント=7. ​オランダ「市民のファッション」​

黄色と青のコントラストが、

パッと目を惹く女性のファッション。

16世紀には・・・

下の絵のような白い頭巾とゆったりとしたやや暗い色の服が

一般的だったが、

17世紀オランダの黄金期には、

インドなどの東方から、

鮮やかな色の生地が輸入されるようになり、

服の色彩も華やかになっていく。

こうした流行は庶民層にも浸透していた。



鑑賞のポイント=8.
「硬いパン」 を牛乳で煮て食べた​。

当時のオランダでは・・・

乾燥して硬くなったパンを牛乳に浸して、

パンプディングや、パン粥などにして食べていた。

鍋の左側にあるピッチャーには、

その調理に使う、

ビールが入っていたと考えられる。


(参考文献:朝日新聞出版/フェルメールへの招待より)
(写真撮影:ほしのきらり)


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最終更新日  2022.03.12 00:10:10
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