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2012年10月30日(火)
『今は昔、釈迦如来、いまだ仏に成り給はざりけるときは・・・』
で始まる 今昔物語
『世に宇治大納言物語といふ物あり。この大納言は隆国といふ人なり。・・・』
で始まる 宇治拾遺物語
この両方に こんな文章がある
『今昔、美作國二中参・高野卜申神在マス。其神ノ体ハ、 中参ハ猿
、 高野ハ蛇
ニテゾ在マシケル』(今昔物語)
『今は昔、山陽道美作國に、中山、高野と申神おはします。 高野はきちなは
、 中山は猿丸
にてなんおはする。』(宇治拾遺物語)
美作国建国1300年の今年
今から1300年前 西暦712年 吉備国は備前の国より分国された美作の国
当時壮大な勢力 (西は広島県尾道市あたりから東は兵庫県加古川市あたりまで)
を誇っていた
吉備国の力を抑えようと大和政権は備前・備中・備後・美作に分国した。
そうして生まれた美作の国の話が 日本の歴史を代表する古書に記されている。
古書のとおり美作の国 今の津山市に中山神社 そして高野神社がある
その二つの神社に 先日仕事のついでに立ち寄った。
中参(中山)は猿(猿丸) 高野は蛇(きちなは)
中山神社には たしかに「猿神社」が存在し、本殿の裏山には大きな岩に祠があり
猿の人形が祀られている。

ここで “きちなは”とはなにか? 他県の人には“蛇ときちなは”のつながりがわからないと思うけど 岡山県人には簡単 岡山弁で蛇は“くちなわ”
きちなは=くちなわ=蛇。
中山神社の後 高野神社へ向かう・・・
地元の人に 聞いてみるが 高野の蛇・・まったく知らない
神社には誰もいない・・・
実は この時点でこんな話を入手していた
「高野神社のそばを流れる川に大きな岩があり、晴れの日にはほとんど毎日 その岩の上に2匹の蛇がいる」
果たしてその岩とは・・・
行き過ぎる人に聞いても誰も知らない

たしかに巨岩がある ただし 何のしるしもない
午前中雨が降ったため当然蛇もいない でもこの岩に間違いなし!
実は この巨岩 高野神社の元宮(もとみや)と言われており
その岩にはいまだに蛇が居着くている。
今昔物語の編纂は12世紀初頭 宇治拾遺物語は13世紀前半 と言われている。
おそらく事の起こりは 4~5世紀頃 もしくはイザナギ・イザナミの日本創生期にまでさかのぼるはず。
皇紀2672年の今年 ほとんど神話に近い話のはずなのに
今2600年の時を越え この巨岩は“中山の猿 高野の蛇”伝説を証明している。
この岩 間違いなく神聖な場所“磐座(イワクラ)” でも 注連縄もなければ祠もない。
川の中といえば それまでだけど・・・