極めて個人的な外界との繋がり

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雪村抱月

雪村抱月

November 23, 2004
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 朝から素晴らしく天気が良い。気温もそこそこ高いから、家に居るのは勿体ないと思いつつも、午前中一杯は静かに過ごしていた。気が付けば音が全然しない空間に居る。学生だった頃は、起き上がればすぐに「話し相手」のTVスイッチを入れていた。何か、自分以外から発信する物音がないことに酷く居心地の悪さを感じていたのだが、今はどちらかというと、TVが騒々しく思えている。仕事で遅い時間に帰宅するから、連続ドラマなどを追いかけられるわけでもなく、ニュース番組も、疲れた頭にはビタミンにならない。

 「こんな天気の良い日に、仕事ねぇ・・・」と言いながら、電池交換をしなくてはいけない時計を二本、バッグに詰めて出かける事にした。職場近くの大型店に持って行って、ついでに職場に寄る。なるほど、服装が普段着でなかったら、いつものオフィスの光景だ。
 「どうかしている」・・・・ワーカーホリックな訳でもないのだけれど、いろんな理由で出てきている。そういう私もその場に居たら居たで、することはあるというのも、またなんとも・・・・。「夕飯、一緒に食べに行こう」と言うと、先日、ストレスで胃痛を起して休んで、復活したばかりのT嬢が「うん!行く行く」と応えた。もう一人の同僚にも声をかけると、こちらもOK。
 夕刻、資料を取りに書庫に向かったら、火の玉のような鮮やかな色をした太陽が、ビルの谷間に沈もうとしていた。振り向くと、長く濃い影が伸びている。まだ5時にもならない時間だった。なんだか勿体無いほどの美しい夕日を、加速しながら地球の向こう側へ向かって行くのを眺めていた。「何してんだか・・・」分厚い資料に目を落として、苦笑いをする。
 結局は、「いつものメンバー」で夕食となった。ただ、話題を仕事から遠ざけた。休日の食事の時間まで仕事に汚されたくないと、思ったからだろう。
 「それじゃ、また明日」
 冷たい空気の中、家路に着く。また明日から、忙しい日々が始まる。ライトを点滅させながら、飛行機が紺色の空を横切っていった。その近くで微弱な光を放つ星。街の明かりを全部消したら、さぞ綺麗な星空が見えるだろうに・・・などと思いながら、もうすぐそこまで来ている冬の空気を吸い込んだ。





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Last updated  November 23, 2004 10:11:39 PM
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