福井県民国~for maniac people~

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源氏コード



 ダヴィンチ・コードが爆発的なヒットをした昨年、これに便乗した研究がたくさんされた。その中でも発表前に注目されたのが「源氏コード」だ。果たしてこの研究が源義経・チンギスハン同一人物説と関係があるのかどうか、はたまた全く違う視点からメスを入れるのか、ニュースで注目された。そして今日はその研究の発表日。明日のトップニュースにしようと、記者やカメラマンらが大勢集まった。

「え~長らくお待たせいたしました。只今から『源氏コード』研究発表を行います」

 司会者の言葉とともに、会場のざわめきはピタリと止んだ。

「では研究者を紹介します。長谷川マダ男さんです」

 ステージの裾から白髪の老人が出てきた。カメラマンのフラッシュが飛び交う。

「ゴホッ、ゴホッ、ウォッホン、んーあー、失礼、では研究発表を行う。まず源氏コード、これは現代の社会に隠れておる!」

 おー、と観客の驚嘆の声が。

「そこの君、今の社会とは何だ?」
 研究者は記者の一人を指した。

「え、IT経済ですか?」
 突然当てられた記者はしどろもどろに答えた。

「喝っ!!なんだね『会いてー経済』とは!バカにしとるんか!そこの君はなんだと思う?」
 隣の記者を指差して言った。

「し、資本主義経済ですか?」

「そうだ!実はこの言葉には別の意味がこめられているのじゃ!」

資本主義経済

資本主 義経 済
シホンヌシ ヨシツネ スミ

「つまり『資本主義経済』には『義経は資本主の仕事を済ませている』という意味がこめられていたのじゃあ!!」

 研究者が最後の言葉を叫んだ時には記者は全員退場した後だった。


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