癒しの羽

癒しの羽

プロローグ



 これは伝説なんだけど・・・僕は、天使の伝説が好きなんだ。伝説なんだけど・・・僕は、本当に天使がいるって信じているんだ。他の皆は天使なんかいないって言うけど・・・僕は絶対いるって思っている・・・。

 僕が13歳の誕生日の日。いつもどおり起床した。僕は、誕生日の日に、必ず散歩に出かけるんだ。いつも行くのが、家の裏のほうにある森を越えて少し歩いたところにある、僕だけの特別な場所。
僕には一人の母さんがいるんだ、でも父さんは見たこと無い・・・きっとそのことを聞くと母さんは困ると思う・・・だから聞かないようにしている。
 僕の母さんは服のデザインをしたり、アクセサリーのデザインをしたりする、結構有名なデザイナーだ。母さんは薄い栗色の髪で短い髪をしていて、とても心の優しい人で、僕の自慢の母さんだ。
 ちなみに・・・この家のデザインも母さんらしい。三階建ての家で、良くある造りの家なんだけど、それは外からみた外見。中は凄い凝った造りになっている。どこがどう凝っているかは・・・説明すると長くなるけど・・・。
 まずは、玄関を入ると、目の前に四つの扉がいきなり出てくる・・・母さんが言うには、「初めて来た人が迷路とか迷宮気分で入って来れるじゃない?」と満足気にそう言う。始めてきた人にはいい迷惑だと僕は思うけど・・・このことは母さんに言わない方が良いだろう・・・。四つの扉はどれも同じ色で、一番左の扉を開けるといきなり階段が出現する。この階段は三階にしか繋がってないという・・・ちょっと変な階段だった。一番左から二番目の扉を開けると、廊下が現れる。至って普通の廊下だった。その廊下は、リビングへと続いていてリビングからは庭に行ける窓や、キッチンに行ける扉など、色々ある。主に、この扉がいつも僕と母さんが開ける扉と思ってくれればいいと思う。一番右から二番目の扉はいつも鍵が掛かっていて、母さんしか入れない扉なんだ。きっと大切な誰にも見せたくない物があるんだろうと僕は思った。この扉のことは流石の僕でも分からない。最後に、一番右の扉は、僕の部屋へと繋がっている二階へと続く階段の扉。わざわざ扉つけなくてもいいのになぁって思うけど・・・無いなら無いで、もう今日も入れて13年もここにいるのだから、寂しく感じるものである。一通り僕の家の説明はこの説明で大体は分かったと思います・・・。
 さて、さっそく散歩に出かけることにしよう。僕が服を着替えて、顔を洗い、下に降りてさっそく外へ飛び出した。朝日の光が目に沁みる・・・眩しい。外を出歩いてる人はいなかった。僕は目的の場所へと向かった。目的の場所へは、家の裏から森へ行き、その森を越えて行くと目的の場所へと辿りく着ける。

 そこは綺麗な花畑。僕は花が大好きなんだ。ここはなんだか懐かしい匂いのする・・・とても居心地の良い場所なんだ。今の季節春は色とりどりの花たちがあたら一面に広がっていた。僕のお気に入りの場所だ。そこで、僕は花たちに囲まれて、そこに横たわり暖かな空気を吸いながらのんびりと朝を過ごすのが好きなんだ。いつも通り横たわろうとした。
 しかし・・・いつもは人の居ないこの花畑に人影があった。女の子と男の子が花畑の中心にいたのだった。女の子は花畑で眠っていた。男の子のほうは辺りを見渡していた。2人とも僕と同じくらいの年頃の人だった。
 男の子のほうは、どうやら僕に気が付いたらしい。こちらをじっと見て、こっちに来る。女の子はまだ眠ったままだった。近くに男の子が来た・・・近くでみると、女の子っぽい・・・女の子と間違えそうな顔立ちの男の子だった。目の色は澄んだ青い色をしていた。男の子は茶色い髪をしていて、方に着くくらいの髪の長さでクセッ毛の目立つ髪だった。そこがまた可愛らしさを引き出していると言えるだろう。その男の子がこちらに来て、話しかけてきた。
「あのぉ・・・ここってどこですかね?」
 返答に僕は困った・・・。
「ここですか・・・?ここは僕の家の裏の森を超えたところにある花畑ですよ?」
「えっと・・・そういうことじゃなくて・・・」
 男の子はちょっと苦笑いして、困った顔をしていた。
「この世界って・・・人間が住む世界ですよね?」
 男の子の話していることは僕にはあまり理解できなかった。だって僕は人間だし・・・変な事を聞くから・・・。
「僕は人間だし・・・君たちも人間だよね?」
 僕がそういうと男の子は少し黙ってこういった。
「君、人間なんだ・・・てっきり天使かと思ったなぁ・・・」
 ぼそっと男の子はそういった。て、天使!?僕が!?
「えっと・・・天使って・・・僕、天使じゃないけど君は天使なの?」
「あ、その・・・えっと~」
 男の子は焦っている様子だった。どうやら図星らしい。
「天使ってやっぱりいるんだね!皆は居ないって言ってたけど、僕は居るってずっと信じてたんだよ!」
 僕は憧れの天使に会えて、少し興奮した。だって天使が目の前にいるんだもん!
「あっちゃ~・・・バレちゃったよー・・・どうしようかなぁ・・・記憶消してもいいけど・・・今までの記憶も消えちゃうし・・・」
 男の子は呟いていた。どうやら、僕はあの男の子にとって、知ってはいけないことを知ってしまったらしい。
 あっちで寝ている女の子が「う~・・・」とうめきながら、起きていた。女の子はすぐさま、周りを見渡して、こっちに気付き、こっちに寝ぼけた感じで歩いてきた。
「あ、リリア起きたんだ。まだ寝ててもよかったのに・・・見習いにはまだ転送機の力が大きすぎるから、まだ休んでもいいんだよ?」
 男の子がリリアと呼ばれた女の子にそういった。
「う・・・ん。でも、早く幸せの意味を見つけないと・・・リュウはあんまり心配しないで・・・」
「えっと・・・何がなんだか分からないんだけど・・・」
「ふみゃ・・・?この人だぁれ?」
 女の子は僕のほうを見てきた。女の子は白い見たことも無い感じのローブっぽい感じの服を着ていて、長い金髪が春の風に揺れていた。男の子と同じ、青く澄んだ目の色をしていた。
「この男の子・・・金髪に青い目だね!もしかして天使さん?」
 女の子が僕の顔を覗きこむようにそう言った。しかし、男の子は違うよと女の子に言うと、女の子はなぁ~んだというような顔をした。
「えっと、君たちは天使なんでしょう?色々聞きたいことがあるんだ!僕は君たちに害を及ぼすことはしないよ!むしろ手助けする!だから何でも僕に言ってよ」
 男の子と女の子は顔を見合わせた。そして女の子は笑顔になった。
「手助けしてくれるの?本当に?わぁ~いっ!」
 女の子は大はしゃぎしていた。見た目の年齢よりも・・・幼く見えた。なんか子供っぽい子だなぁ・・・。
「うん、じゃぁお言葉に甘えて・・・手助けしてもらおうかリリア」
 男の子も笑顔になった。もちろん僕も笑顔だ!



僕はまず、自己紹介をした。
「僕の名前はカイルって言うんだ。この世界の住民で、歳は今日で13歳になるんだよ。伝説の話の天使のことをずっと居るって信じてて・・・そして今日君たちに会ったのさ♪」
 僕は自己紹介をしたら、男の子と女の子のほうも自己紹介をしてくれた。
「えっと、あたしの名前はリリアって言うの。歳は13歳で、見習いの天使でーす」
「ボクはリュウって言うよ。リリアと同じ13歳で、リリアの守護者(ガーディアン)をやってまーす」
 自己紹介をした後、僕は、リリアやリュウたちには泊まるところも無いし、住んでいるところも無い。だから僕は僕の家にリリアとリュウを招待することになった。
「えっと、本当にカイルの家に行っていいの?本当にありがとう!」
 リリアが笑顔で言った。なんかリリアの笑顔を見ていると、なんだか不思議な気持ちになってくる。周りが明るくなるっていうか・・・上手く説明できないや・・・。

 そんなこんなで僕たちは家へと向かった。僕の家に着くと、リリアとリュウはこういった。
「なんか天界を似たような感じの雰囲気の家だね!」
 と、2人で盛り上がっていた。
 とりあえず・・・僕は2人を家へと招待した。
 家へ入った2人の反応は・・・
「わっいきなりドアが4つ・・・?迷路みたいだねー」
・・・母さんの予想通り?まさか・・・そんな反応するとは・・・。
「迷路っていうより、ちょっと子供心をくすぐるドアのデザインだね・・・」
 リュウがちょっと苦笑いしていた。どうやら、リュウは大人な考えを持っているらしい・・・!流石!
 リリアは扉を勝手に開けてしまった!!!!!そこは禁断のお母さんの秘密部屋!僕はすぐさまリリアをこっちへと引き寄せた。リリアは少しだけ驚いた顔をしていたが、すぐ笑顔に戻っていた。
「リリア・・・開けちゃいけないドアだったみたいだよ・・・。迷路の最終地点は遠いかもね・・・」
「リュウの言うとおりだよ~!リリア、この扉は母さんの秘密の部屋なんだよ・・・だから・・・」
「うん、もう開けないよ♪」
 リリアは楽しそうにそう答えた。本当に大丈夫なのだろうか・・・。

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