ユずのぺぇじ

ユずのぺぇじ

 “それ”


 そこは暗かった

 いや、さっきまでは暗くはなかった

 その瞬間“それ”は一気に闇の淵まで落ちた

 そしてどんどん落ちていった

 そこは底なのか

 分からなかった

 まだ下があるのか

 まだ落ちるのか

 とにかく苦しかった

 他人は殺したくなるほどに信じられず

 身内もなんだか嫌だった

 そして自分も

 とにかく辛く嫌だった

 生きることすら辛かった

 そして孤独で闇の中にいた

 いつ光が見えるのか

 いつか光が見えるのか

 全く分からなかった

 そんなでも何とか生きた

 そして光が見えた

 私は“その人たち”に感謝したい

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